広島テレビ放送

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2025年に広島県安芸郡府中町の公園で男性が殺害された事件で、10代の男女3人が逮捕され、うち2人が起訴されました。現在拘置所にいる1人が、広島テレビの廣原汐音記者の取材に応じ、凶悪な犯罪に手を染めた経緯や現在の心境について話しました。

2025年4月12日。事件は、暗い夜の公園で起きました。安芸郡府中町で東京都の会社員の男性が頭などを殴られて死亡し、現金やスマートフォンなどが奪われました。翌日、広島県警は捜査本部を設置し、防犯カメラなどの映像をつなぐ、いわゆるリレー捜査を進めました。

事件からおよそ2か月後の6月22日、急展開を迎えます。広島県警は、10代の男女3人を逮捕しました。このうち、当時16歳の少年と当時18歳の男について、家庭裁判所は結果の重大性から、成人と同様の刑事裁判にかけられると判断し、逆送を決定。16歳の少年が強盗殺人の罪で、18歳の男が強盗致死の罪でそれぞれ起訴されました。

起訴状などによると、2人は18歳の女と共謀し、東京都の会社員の男性が女と援助交際をしていることに因縁をつけて公園に誘い出し、金を要求。男性の頭を木の棒で殴るなどした上で、金品を奪って死なせた罪に問われています。2人のうち、当時16歳の少年は事件を主導するなど、計画性を指摘されています。

事件を起こした男が、広島拘置所に入っておよそ半年。強盗致死の罪で起訴された当時18歳だった男は、1月にここで1つ年を重ねました。面会室に姿を現した男は、自然に挨拶を交わす普通の若者でした。なぜ、凶悪な犯罪に手を染めるに至ったのでしょうか。

坊主頭で黒色のジャンパーを着た男は、これまで3回、あわせて90分間の面会で、記者の質問に対して丁寧に答えました。

■当時18歳の起訴された男
「後悔と申し訳なさでいっぱい…て感じですね。」

そして、事件の経緯を詳細に語りました。男によると、発端は事件のおよそ2週間前。当時16歳の少年から、恐喝の計画について話を持ちかけられたといいます。

■当時18歳の起訴された男
「俺は、完全にお手伝い係ですよ。足ですよ。そんなん気持ち悪いし、もちろんやりたくないじゃないですか。正直、俺は聞き流していたんですよ。冗談じゃないかと思って。」

男は何度も断ったものの少年は引き下がらず、話を持ちかけ続けたといいます。男は、3万円の謝礼をもらうこと、一切手を加えないことを条件に計画に加わったと説明しました。

■当時18歳の起訴された男
「最初は、早く終わらんかなってだけ思っていました。いらんことに巻き込みやがって。」

しかし結果的に、男は殴る蹴るなどの暴行に加わったと話しました。

■広島テレビ 廣原汐音記者 
「男性が亡くなったと分かったとき、どんな気持ちだった?」

■当時18歳の起訴された男
「逃げたい逃げたい逃げたい…っていう、焦りでいっぱいでした。もうこの場から早く逃げたい。正気じゃなかったです。」

■広島テレビ 廣原汐音記者
「現場から逃げている時は?」

■当時18歳の起訴された男
「もうバイクフルスピード。逃げたいっていう。離れるだけの一心で。」

事件から逮捕に至るまでの、当時の心境についても語りました。精神的に追い込まれた男は、気を紛らわせるために友人と過ごしていたといいます。

■当時18歳の起訴された男
「罪悪感と、捕まる怖さ両方。人が死んで、人の顔がまともに見られない。逮捕時、自白したときは、肩の荷が下りたというか、開放感があった。」

事件からおよそ9か月がたった今も、胸に残る思いを語りました。

■当時18歳の起訴された男
「やらんかったら良かったという後悔。最初から、はじめから参加せんかったら…俺が参加せんかったら、その人も亡くなることはなかったし…」

■広島テレビ 廣原汐音記者
「当時の自分に何て言いたい?」

■当時18歳の起訴された男
「『帰れ。』もうそれだけです。」

男が強い口調で感情的に語ったのは、この時だけでした。

3度の面会で男に聞いたのは、事件の経緯と心情についてでした。さらに、裁判を前にした思いを確かめようと手紙を送り、およそ1週間後に返信が届きました。手紙は4枚にわたり、男の強い思いがつづられていました。若者によって引き起こされた凶悪な事件の真偽や責任の重さは、今後の裁判で明らかになります。

■当時18歳の起訴された男からの手紙(一部抜粋)
「僕はどんな結果になろうとも、すべてを受け止めて罪を償うつもりです。僕はそんな覚悟を持って、現在を過ごしています。」

■広島テレビ 廣原汐音記者
「面会前は、凶悪犯という先入観がありましたが、実際直接会話をして、自身の言葉で被害者への謝罪の気持ちと後悔を語り、何が起こったのかを誠実に振り返ろうとする姿がありました。一方で、取り返しのつかない結果を生んだ行為の重さも、改めて突き付けられました。手紙の中で、男は『社会復帰をしたい』とつづっていました。これは、罪を償った先に社会の一員として生き直したいという表現でした。」

■広島テレビ 廣原汐音記者
「法律上、この19歳の男は「特定少年」として原則、成人と同じ刑事責任が問われます。10代の若者が罪の重さをどこまで想像できていたのか、面会を通して未熟な一面も感じられました。彼らの更生の可能性について、今後も注目していたいと思います。」

【テレビ派 2026年2月17日放送】