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AI台頭で、ありとあらゆるハード、サービスにAIが組み込まれはじめた現代社会。AIを使っているか、AIが使えるかはさておき、AI企業が最もアピールしているのはAIによる生産性の向上です。

しかし、このAIによる生産性向上は、世界全体でみると不公平だと指摘する研究があります。研究調査を行なったのは、Claudeを運営するAI企業、Anthropicです。

不公平なAI社会

公開されたAnthropicの調査は、自社AIのClaudeが世界中でどう使用されているのかを解析するために実施されたもの。無料版・有料版を問わず、100万件を超える個人利用のやりとり、100万件を超える企業プランのケースを見た結果、ある傾向が見えてきました。

それは、豊かな国のAI導入スピードは、低所得国と比べて著しく速いということ。さらに、低所得国がこのスピードに追いついてきているという証拠は見られないこと。Anthropicの経済担当者Peter McCrory氏は、AIによる生産性の向上が進むと、生活水準の差がさらに開いていく可能性を指摘しています。

AI導入による格差を示す調査はこれだけではありません。Microsoftが公開したAI導入レポートでは、グローバルノースと言われる、いわゆる先進国の昨年のAI導入率が、発展途上国地域であるグローバルサウスのおよそ2倍になっていることがわかりました。

差がでる理由は明確で、AIツールにアクセスするためには適切な環境とコストが必要だからです。

現時点ではまだ大きなAI格差は生まれていない

AIによる生産性の向上が実現することで、世界で生じる格差。アクセス可能か否かというスタート地点から差がでている不公平さ。

実は、現時点ではまだ大きな格差はでていません。これは、単純にAI導入があまりうまくいっていないから。つまり、AI導入しても生産性がアップしていないということです。

マサチューセッツ工科大学の調査では、生成AIツールに投資した95%の企業が、投資回収はまだできていないと回答。Upworkの調査では、調査対象となった労働者の半数がAIでどのように生産性をあげればいいのかわかっていない、3/4以上でむしろ生産性が下がったと回答しています。

ただし、これはあくまでも今の話。AIによる生産性向上が現実となったとき、その恩恵を世界が受けられるかもまた別の話。AIによる便利な社会は著しく不公平な社会、貧富の差をますます拡大させていくリスクを秘めているのかもしれません。

イーロン・マスク氏のいう「(AIがなんでも安くで作ってくれるようになるから)老後の蓄えなんか気にしなくていい!」社会は、果たしてくるのでしょうか。