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1ヵ月ほどかけて5台に試乗

レクサスの公式ホームページでモデル一覧を見るとSUVの項目から始まっていて、そこには全15車種中、8車種が並んでいる。他のセダン、MPV、クーペは合わせても7車種にしかならず、ご多分に漏れずレクサスもSUV中心のブランドであることがわかる。

【画像】ボディカラーは『銀影ラスター』!レクサスLS500エクスクルーシブ 全23枚

他ブランドの取材で、RXやNXが売れていることを示す統計データに出会うこともあり、そういった目線で周囲を見渡すと、静岡県東部の自宅付近でもレクサスのSUVが結構走っていることに気がつく。


レクサスの最新モデルに、1ヵ月ほどかけて5台試乗することができた。    平井大介

そんなレクサスの最新モデルに、1ヵ月ほどかけて5台試乗することができた。きっかけはとある記事に対し、とてもポジティブな反応を広報担当者から頂いたこと。その話の流れで、一気乗りが実現したのだ。

実は約1年前に当職に就くまでの数年間、レクサスに関しては取材する機会がほとんどなく、だいぶブランクがあったことを先に書いておきたい。その穴埋めをするというのも今回の大きな目的だ。

試乗した順番で書くと、LS500h、LBXモリゾーRR、RX500h Fスポーツ、RCFファイナルエディション、LC500コンバーチブルとなる。MPVのLMこそ入っていないが、セダン、SUV、クーペの各カテゴリーが混ざったいい組み合わせだと言えよう。

オーソドックスなセダン

さて、最初に乗ったのは『レクサスLS500エクスクルーシブ』。パワーユニットは3.5L V6のハイブリッドで、ボディサイズは全長5265mm、全幅1900mm、全高1490mm、ホイールベース3125mmとかなりの大きさ。取材車の駆動方式はFRで(ラインナップにはAWDもある)、価格は1710万円となっている。

トヨタ・クラウンというザ・日本のセダンに対し、1989年に国際モデルとして登場したセルシオ=初代レクサスLS。その流れを組むのが2017年にデビューした5代目となる現行LSだ。


真横から見ると全長5265mm、ホイールベース3125mmとかなりの長さ。    平井大介

既に9年目に突入し、その間にSUV全盛となり、クラウンも国際モデルに生まれ変わったこともあってあり、オーソドックスなセダンとなるLSは成り立ちにどうしても古さを感じてしまう。

現行モデルは2023年にマイナーチェンジを受けていて、ラジエーターサポートブレースの追加でボディ剛性が向上。他にも前後サスペンション締結工程の高精度化で締結部分の剛性が向上し、排気管サポートゴムの角度見直しで走行中の排気管振動を抑制。これらは全て乗り心地のよさに繋がっているという。

また、後輪操舵角を拡大したダイナミックリアステアリング(DRS)をAWD車にも設定。安全や運転支援系技術の機能強化なども行われている。

今こうして書いていて、なるほどこれらの効き目は絶大だったのか……と改めて感じている。先に結論を書くと、その走りは素晴らしいものであったからだ。

渡辺敏史さんのLS評

実際に乗ってみると、静粛性も乗り味も、街中からスムーズかつソフトで高級車らしさを感じていたのだが、感動したのは高速道路での中〜高速コーナー。その曲がり方がキレイで、スポーツセダンとして実に気持ちいいのだ。

ボディも足まわりも剛性があるというより、『弱さを感じさせる場面がほとんどない』と書くのが自分の印象に近い。先に書いた改良が効いた結果だろうし、FRモデルには元々備わっていたDRS、つまり4WS機能もロングホイールベースのボディを気持ちよく曲がらせるのに効いているのだろう。


当時、世界中のメーカーから研究された初代レクサスLS=トヨタ・セルシオ。    トヨタ自動車

『だろう』と書いたのはその動きが終始自然だからで、メルセデスともBMWとも違う、そこには『日本のレクサス』が示す世界観がしっかりあった。このあたりは、数日後にご一緒した際に少し乗られた、渡辺敏史さんも同じようなことを仰っている。

「昔からのレクサスのイメージにだいぶ近くなっていますね。現行LSがデビューした時は新機軸イコール、スポーティという新しい価値を追求して、古くからのお客さんには違和感があったと思います」

―乗られていて、初代トヨタ・セルシオ感があると。

「すごくありますね。ふんわりと柔らかい感じで、音も静かです。路面からの入力も静かになったんじゃないかな。静粛性に関していえば、かつてクラウンは音を詰め込んで塞ぐ方向でしたが、初代セルシオは音を根源から閉じ込める源流主義で、当時世界中のメーカーから研究されました」

―現在のLSも、その原点に立ち返ったということですね。

「数年前に『レクサスってどういうこと?』と、初代LSのレストアを通じて志を学ぶという啓発活動を行ったそうですが、長年時間をかけて熟成していく中で、方向性が元に戻ったんでしょうね」

熟成度はかなり高い

思い返せば、現行LSは新車当時の試乗会で取材しているが、大雨だったせいでほとんど乗れず、日本の伝統を用いたデザインや素材に驚いた印象しか残っていない。しかし、業界的にはデザインも乗り味も賛否が分かれていたと記憶している。

そこからだいぶ時が経ち、現在の結果(=現行LS)の熟成度がかなり高いことは肌感覚として知ることができた。


正直こんなにイイクルマだったんだと驚いている。    平井大介

確かにデザインやインターフェイスに古さは隠せないが、もう一度書くと、スポーツセダンとしての乗り味は感動レベルであり、正直こんなにイイクルマだったんだと驚いている。今なら少なくとも、乗り味に関しては『賛』のほうが多くなるだろう。

……予想どおりではあるが、1台だけでそれなりの文字数になってきたので、ここでいったん筆をおきたい。もちろん、次回へ続きます。