「今どき?」「理解できない」ドリカム ライブ会場でアーティスト“いなくても”撮影は「一切禁止」発表に賛否真っ二つ
DREAMS COME TRUEのボーカル吉田美和とベース中村正人(写真・時事通信)
音楽ライブでのスマホ撮影は是か非かーー。昨今、日本のライブシーンにおいて、ライブ中のステージや会場の撮影問題が、しばしば議論を巻き起こしている。
そんななか、現在、デビュー35周年の全国ツアー「35th Anniversary ウラワン 2024/2025」を開催中の音楽ユニット・DREAMS COME TRUEが、10月1日、会場内の撮影に関して、公式Xで発信。《ご来場の皆様へ会場内撮影禁止のお願いです》として、
《公演当日、会場内アナウンスでもお伝えいたしますが、アーティストが“居る”“居ない”に関わらずステージセットやスクリーンに映し出された映像など、客席内での撮影行為(カメラ/携帯/スマートフォン/タブレットなど)は一切禁止です。同じく、録音などの行為も固く禁止です》
と、毅然とした姿勢を打ち出した。
「日本では近年、ライブ中の撮影行為がたびたび問題になりますが、海外のライブでは、スマホ撮影が当たり前とされています。そして今回、ドリカムが発表した『アーティストが不在でも、会場内の一切の撮影を禁止する』という方針では、開演前のステージ撮影なども含まれることから、様々な反応が寄せられています」(音楽誌ライター)
ドリカムの発表に、X上では賛同する意見も多くあがったが、一方で、
《今どき?》
《ここまでガチガチに禁止するのも時代遅れ 海外アーティストは撮影可にしてSNSにアップするなどうまく使っている》
《公演中はさ、何となくわかるけど、なんで終始禁止なのかはちょっと理解できない》
《ハッキリしてていいんじゃない。僕は撮れるライブの方が好きだけど》
と、否定的な反応を見せる人も多かった。
ライブ中の撮影をめぐっては、8月、テレビアニメ『進撃の巨人 The Final Season Part 2』のオープニングテーマ『The Rumbling』などのヒット曲でも知られるロックバンド『SiM』のボーカル・MAHが苦言を呈したことも、話題になった。
MAHは、《海外のライブはほぼ撮影OK》とするユーザーの投稿を引用し、
《てかそんなにライブって撮影したいもの? スマホ出さずに楽しめてるならそれが一番では?》
そう切り出すと、続けて
《日本でも撮影OKになったとして最初はみんな記念にちょこっと撮るくらいだろう でもそのうち一眼やGoPro持ちこむやつが出てくる セットリスト全部録画、YouTubeにあげて小銭稼ぐやつが出てくる》
撮影を解禁したライブは、いずれ「無法地帯」になる可能性を指摘。さらに、自身の体験として、
《海外公演でThe Rumbling演奏する瞬間の 全員がカメラ向けてくる時の気味の悪さったらないですよ 最前列の子の目を見て歌っても、スマホぐぃーーってこっちに突き出してその子は画面見てるから目が合わない(笑) 動物園の檻の中みたい》
《アーティスト側は喜んじゃいないよ 海外じゃあもう規制のしようがないから諦めてるだけ 日本は国民性のおかげでまだ「撮影禁止」が通用する それでいい 変える必要なんてない》
と語り、日本の《この特殊な文化を誇るべきだと思う》と持論を展開していた。
「ここで注目したいのが、2024年6月に音楽系のWEBメディア『ローリングストーン』上でおこなわれた、フジロックを主催する株式会社スマッシュ社長の佐潟敏博氏と、サマーソニックの企画・運営を手がける株式会社クリエイティブマンプロダクション代表取締役の清水直樹氏の対談です。
2人は対談のなかで、『日本と海外の、ライブ中のスマホ撮影のギャップ』を議論。清水氏は『アーティストがOKな場合はOKなんですよ』『ガチガチにそのルールを運用するしかないけど、果たしてそれが自由なフェスと言えるのか。疑問をずっと持っている』と語っています。これを受けて佐潟氏は『個人的にはいいんじゃない?と思います』と話したうえで『単独公演ならともかく、規制しようがないですからね。フェスで急に捕まえても楽しくないですよ』と、日本の“厳しすぎる撮影マナー”に反対しているんです。
アーティスト単独のライブではなくフェスにおける撮影についての話ですが、日本の誇る2大音楽フェスの社長の発言だけに、今後のライブシーンへの影響もあるかもしれません」(音楽誌ライター)
“時代の流れ”に抗って、明確なルールを提示したドリカム。他のアーティストたちの決断やいかに。