サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー〜

Question
モーベルグがカットインした場面で、浦和はどう崩したか?

 Jリーグ第21節、浦和レッズ対FC東京が行なわれ、ホームの浦和が3−0で完勝を収めた。

 浦和は、直近5試合で3勝2分と好調。勝ち点を26に伸ばして、順位もボトムハーフを抜け出す9位まで上げてきた。

 第6節から7試合連続で引き分け、そのほとんどがロースコアで得点力不足に苦しんできた浦和。

 しかし、この試合では前半31分にダヴィド・モーベルグが先制すると、後半5分に、伊藤敦樹が鮮やかなミドルシュートで加点。25分に大久保智明が3点目を決めて、快勝となった。

 今回は、3点目のシーンをピックアップする。

 後半25分、浦和は馬渡和彰からスローインでボールを受けた江坂任が、逆サイドのモーベルグを相手の裏へ走らせるように大きく展開。

 右サイドのペナルティーエリア横で1対1になったモーベルグが、中へカットインで進入する。


右サイドへの大きな展開から、モーベルグがカットイン。このあと浦和はどのように崩したか

 この時、後方から江坂がオーバーラップでモーベルグを追い越そうとスプリント。カットイン先では伊藤がパスコースを作っていた。

 この状況でモーベルグはなにを選択して崩したか、というのがQuestionである。

Answer
外を追い越した江坂へ縦パスを流して、大久保へのクロスでゴール

 この場面では、モーベルグのドリブルの前に、直前の交代で入った江坂がスローインをフリーで受けたこと。正確には同タイミングで投入されたFC東京の品田愛斗が、人を捕まえなければいけないスローインで、マッチアップする江坂を見失っていたことがポイントだった。

 マークを外してボールを受けた江坂が、すぐさまオープンエリアとなった逆サイドの裏へ展開し、この試合でバングーナガンデ佳史扶に対して個の質的な優位を取っていたモーベルグに、得意な形で1対1を仕掛けさせることができた。この江坂の展開は大きなプレーだった。


モーベルグは外をオーバーラップした江坂へ縦パス。江坂からのクロスを大久保が合わせた

 そして、次にモーベルグが中へ進入する時の、江坂の長いランニングだ。モーベルグに対してバングーナガンデと戻った品田が詰めるが、そこを江坂が追い越したことで2人を置き去りにして縦に抜け出した。

 この江坂の対応に中央の森重真人が釣り出され、それでフリーになった中央の大久保へクロスが入り、ゴールとなった。

 FC東京は最初のサイド裏への展開を許して大きく後退、後手を踏むことになり、浦和の選手を捕まえきれなくなった。その起点となった江坂のパスと、長いランニングという質の高いプレーが見事だった。

 この勝利で浦和は5勝11分5敗と勝率を5分にし、好調の波に乗ってきた。さらに新加入FWのブライアン・リンセンもチームに合流し、ここから巻き返すことができるか注目である。