雪や雨で滑りやすくなっている道路。とくにマンホールの上はタイヤがしっかりとグリップできなくなるため、通過するときヒヤッとするドライバーもいるのではないでしょうか?

そもそも、なぜ滑りやすいマンホールは道路の真ん中に設置してあるのでしょう。車が通過しない場所に設置することはできないのでしょうか?

道路の真ん中にあるのは保守管理をしやすくするため

地下には、下水道管や管路と呼ばれる電線やインターネットケーブルなどが敷設されています。下水道やケーブルを保守管理するためには、作業員の出入り口となるマンホールが欠かせないのです。

道路法32条には、マンホールなどの工作物を設置する場所を「道路の交差し、接続し、又は屈曲する部分以外の道路の部分であること。ただし、道路の構造又は交通に著しい支障を及ぼすおそれのない場合を除く。」とあります。

しかし、単なる地下への侵入口であれば、道路の真ん中になくてもいいと思えます。そこで、栃木県大田原市で道路の保守管理を行っている土木工事業者の担当者に話を聞きました。

「地下に埋設されているものによって異なりますが、例えば下水道管の場合、車道の真下を通っていることが多いです。マンホールを道路の真ん中に設置すれば下水道管へのアクセスが容易になるというメリットがあります。

また、マンホールを住宅地など私有地内に設置してしまうと、私有地に入るための許可が必要になり手続きが増えてしまう懸念があります。」

道路の真ん中にマンホールが設置してあるのは、保守管理をしやすくするためということでした。

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さらに、マンホールが滑りやすい鉄製である理由は、耐久性を高めるためだと言われています。

トラックやバスなどが頻繁に通るような道路では、路面にかなりの衝撃を与えることになります。車が通過しただけでマンホールが変形したり外れたりすると周囲に危険を及ぼします。そのためマンホールには高い耐久性が求められています。

マンホールには厳格な設計基準が設けられているため、滑りにくい素材に変更することは基本的に不可能だと言われています。鉄製で耐久性を維持しつつ、マンホールの表面に凹凸のあるデザインを施し滑りにくいように作られているのです。

マンホールは町おこしにも役立っている

マンホールは、地下へのアクセスのためだけに使われている工作物ではありません。マンホールにカラフルなデザインを施し、地域の活性化に役立てる動きも広がっています。

下水道は日常生活で欠かせないインフラであるにも関わらず、臭くて汚いというイメージがつきまといがちです。カラフルで目立つデザインのマンホールを設置することで、そうしたマイナスのイメージを払拭しています。

例えば、栃木県大田原市では、「道の駅 那須与一の郷」のキャラクターをデザインしたマンホールが地元の企業から贈呈されたという事例もあります。

目立つ位置にあるマンホールは、観光促進に役に立つ一方で、雨の日はとても滑りやすくなっています。

濡れているマンホールの上を走行する場合は、無理に避けようとすると車線逸脱の危険があるため、急にハンドルを切ったり、急ブレーキをかけたりせずに、速度を落として慎重に運転するようにしてください。