入れ墨というと、不良やオシャレというイメージのある人も多そうだが、実は非常に実用的な理由で体に入れている人がいるらしい。

これは、ツイッターユーザーのぐっどせんせい耳鼻咽喉科医師さん(@0RLandNTD)が2021年4月8日に投稿したもの。

ぐっどせんせいが医師として働く町には、万一のとき、溺死体の顔が判別できなくても誰なのかわかるように、入れ墨を入れている漁師が多いという。

この投稿は、1万7000以上のリツイートと、7万9000以上のいいねを集めるなど話題に。リプライ欄では、

「すごいお話です。海がない県で育ったので興奮してしまう内容です」
「初めて知りました」
「壮絶だ」

など驚きの声や、

「彫り師の元カレがよく淡路島の漁師さんに彫ってました」
「昔は銭湯に行くと美術館みたいで楽しかったです」

といったコメントが寄せられている。

また、漁師と入れ墨に関しては、こんな投稿も。

「祖父もそうでしたが、銚子の漁師は昔は刺青をしている人が多かった。お風呂屋さんに行くと、それは見事なものでした。海で亡くなった場合、顔も体もわからなくなる。そんなときに刺青が目印になるのです」
「今日も銚子で、昔の銭湯には刺青(入れ墨)の人が多かったという話になった。漁師にとっては土座衛門(水死体)になった時の個体識別に刺青は必須。でも、いまの銭湯は刺青お断りの所が多い」

真相を確かめるため、Jタウンネット記者は15日、これらの投稿を手掛かりに銚子市漁業協同組合に詳しい話を聞いた。

ライフジャケットもなかった時代

取材に応じた職員は、

「それはずっと昔の話ですね。今の人(漁師)は、やってる人いないですよ」

と即答。どのくらい昔かまではわからないとのことだが、たしかに漁師が身元確認のために入れ墨を入れる慣習はあったそうだ。

話題になったツイートを投稿したぐっどせんせいも、

「今の若い方はやらないらしいですね」
「年配の漁師さんは、親とかにそう言われて入れたよ...って人が多いです だからすっごく適当な絵柄のが多いんですよね」

とつぶやいていた。漁協職員によると、

「昔はそれこそ、ライフジャケットとかもなかった時代ですから。今は着用が義務化されていますけどね。
年配の人なら(入れ墨を)やっている人もいるんじゃないでしょうか」

と推測。また、この慣習は銚子市に特有のものだったのかと尋ねると、

「銚子だけってことはないと思いますが......全国でやっていたんじゃないでしょうか」

と、話した。