※画像はイメージです(以下、同じ)
 急に肌寒くなってきました。乾燥などの肌トラブルが起きる秋冬シーズンの到来です。

 そこで今回は、秋冬に起こりうる肌トラブルの実態とその対策法を、聖心美容クリニック美容皮膚科指導医長 兼 熱海院院長の小林美幸院長に解説してもらいました。

◆ヒーターも肌荒れを引き起こす!直接あたるのはNG

――ヒーターやコタツが肌荒れの原因になることはありますか?

小林院長(以下、小林):はい、熱による乾燥もありますが、最近ではヒーターやコタツから発せられる“近赤外線”が真皮から筋層という皮膚の深いところまで影響を及ぼすことがわかってきました。近赤外線とは760〜3000ナノメートルの電磁波で、太陽や白熱球、暖炉などの熱源や電化製品から放出されます。

 近赤外線の波長は幅広いですが、すべての波長が皮膚に対して有害というわけではありません。ただ、一部の近赤外線では“光老化(光を浴び続けることによって引き起こされる老化現象)”が増進されます。それによりシミが増えたり、血管に障害を与えて赤みが続いたり、血管が拡張したり、また皮膚の奥にある筋層のほうまで影響を与え、シワやたるみの原因にもなると考えられています。

 また、これとは別に、ヒーターなどに長時間あたることによる低温火傷にも注意してほしいです。

――近赤外線は、夏の紫外線とどう違うのですか?

小林:夏の紫外線は日焼けの急性炎症を起こすため、肌が真っ赤になったり、真っ黒に変化をして、それがシミやシワや皮膚がんの原因になります。これは急性炎症を起こしますから、すぐに変化に気づきやすいですよね。

 しかし近赤外線は急性炎症を起こすわけではなく、じわじわ皮膚の奥のほうまで届き、気づいたときにはたるみになっているという、取り返しのつかない事態を引き起こします。紫外線であれば日焼け止めクリームやグッズなどもたくさんあり、予防方法がはっきりわかっています。ですが、近赤外線はまだわからないこともあるし、すぐに黒くなったりヒリヒリすることもないので、照射直後の害がわかりにくく気づかないのです。

――肌トラブルを起こさないために、どのようにヒーターやこたつを使えばいいでしょうか?

小林:近赤外線の光老化を予防しながらヒーターなどを使う場合は、直接肌を温めるのではなく、厚めの布で皮膚を覆ってからあたるのが良いでしょう。たとえば、羊は日差しの強い場所で近赤外線も含まれる日光をたくさん浴びていても、体温が上昇しないですよね。それは、羊毛が近赤外線から守ってくれているということなんです。それと同じだと思うとわかりやすいでしょう。

◆マスクも肌荒れの原因!外せる環境であれば外そう

――コロナの影響もありほとんどの人がマスクをして過ごしてますが、冬のマスクは保湿に効果的でしょうか?

小林:これからの季節、マスクは冬の寒さ対策にもなりますよね。しかし、マスクは肌に密着していますから、汗もかくし、細菌も増えるし、摩擦にもなります。マスクの摩擦などでダメージを受けたかもしれない皮膚からマスクを取ると、保湿されていたはずが急に水分が蒸散し、摩擦によってバリア機能が破壊されると一気に乾燥してヒリヒリしてしまうことも。マスクはつけっぱなしではなく、外してもよい環境であれば外して、必要なときに清潔なマスクを装着していただくのが良いでしょう。

――マスクで覆われている部分は、特に乾燥要注意ですね。

小林:もともと皮脂腺が少なくため皮脂の分泌量も少なく乾燥しやすい「口まわり」「くちびる」「頬」ですが、これらはまさにマスクで摩擦ダメージを受ける部分です。もともとの皮脂量の少なさに、マスク摩擦のダブルパンチで今年の秋冬の乾燥悩みは大きくなると思います。