体験型店舗b8ta(ベータ)が日本上陸! リアル店舗は、どう生まれ変わるのか?
プレス向け発表会と店舗内覧会が開催されたので、その模様をお届けしよう。
■体験型店舗の老舗を目指したい

ベータ・ジャパン合同会社カントリーマネージャー北川卓司氏
ベータ・ジャパン合同会社カントリーマネージャー北川卓司氏
「b8taはもっともイノベーティブな商品を体験していただく新しい体験型の店舗というところで、発見と体験というのをメッセージに、我々は店舗を展開してまいります。なので、主目的は販売するというところに置いておりません。この点で面白い点かなと思います。
店内の行動データというものを、今までの既存の百貨店ですとか量販店ですとなかなかお渡しできなかったのですが、そちらのほうをお渡ししたりとか、OMO※の時代に新しいかたちで波を立てようというのが我々b8taのモデルです。
私たちは新しくローンチしますが、こういった体験型の店舗というものは『b8taっぽいお店だね』と呼ばれるまで我々は成長していくつもりですので、ぜひ、今後ともよろしくお願いいたします。」
※OMOとは、Online Merges with Offline、Online-Merge-Offlineの略称。オンラインとオフラインが融合した社会のこと。
b8taは2015年、米国サンフランシスコ近郊のパロアルトに体験型の小売店をオープンした。
それ以来、Retail as a Service(RaaS)のパイオニアとして、約5年間にわたり新しいソリューションを先導してきた。
RaaSとは、Retail as a Serviceの略称。実店舗への出店をより手軽に実現するためのサービスをサブスクリプションモデルで提供するというものだ。
出店者(プロバイダー)は、店舗だけでなく、人材や在庫管理、販売活動などの店舗業務も提携する。店舗運営に必要な従業員の手配、トレーニングやシフト管理、在庫管理、物流サポート、POSはすべて付帯サービスとして月額出品料金に含まれている。
また、来店者がどのような体験をしたかを店内に設置したカメラを通じて収集し、ソフトウェアによる行動分析の結果を提供してもらえる。この結果を企業のマーケティング活動に活かすことができる。
来店者(消費者)にもメリットがある。
b8taのミッションは「リテールを通じて人々に“新たな発見“をもたらす(Retail Designed for
Discovery.)」であり、消費者に世界中の最もイノベーティブな製品を発見、体験、購入できる場を提供することにある。
消費者は、「Makuake」のようなクラウドファンディングサイトでしか見られなかった、新しいアイデアや技術により作られた商品を実際に体験できるだけでなく、従業員から詳しい説明を受けることもできる、今までにない店舗なのだ。
b8ta は2020年1月現在、ドバイの1店舗を含み世界で25の実店舗を運営しており、全店舗の売り場面積の合計は約1,265坪(約4,181平米)、年間300万人以上の来店客が訪れている。b8taには1,000以上のブランドが出店しており、5,000万以上の消費者と商品の関わりを得ているという。
今後の展開は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、アグレッシブな店舗展開が難しい状況でもあるが、直近の2店舗で足元を固めてフィードバックを集めて、ビジネスモデルとしての改善を行いつつ、日本の主要都市でのビジネスを展開していく構えだ。
b8taは、出品企業が魅力的だと思ってもらえる空間である必要がある。
そのため多くの人に来店してもらうために都市型になりやすいが、将来的には企業コラボ店舗などにより郊外型 の店舗展開も目指している。
■「モノを売る店」から「体験を提供する店」へ

株式会社丸井グループ上席執行役員兼 株式会社丸井取締役社長 青野真博氏
株式会社丸井グループ上席執行役員兼 株式会社丸井取締役社長 青野真博氏
「私自身も今すごくワクワクしておりまして、おそらく今日プレスで来た方の中にもb8taを知らなかった方は多いんじゃないかなと思います。私自身もアメリカにいたとき、2016年に初めてb8taのショップに行ったんです。こんなショップがあるんだという風とビックリしました。
アメリカでは小売りの未来を象徴するようなお店として物凄く支持がされていますし、尊敬されているお店です。丸井は小売りをずっと営んでおりますので、今のままでは小売りというものは非常に難しくなるんではないかなという風に思っています。
このコロナもそうなんですけど、何かモノを買おうとしたらおうちでいつでもどこでもスマホで買物ができてしまいますので。とにかくリアル店舗の価値とは何だろうと考えさせられることが多くなってきました。そういったことも含めて、これからの小売店は体験を提供できるようなお店に変わって行かなければならないと思っています。」
丸井は新宿マルイ 本館 1Fに、日本初となる「b8ta Tokyo – Shinjuku Marui」を2020年8月1日オープン。
丸井では「モノを売る店」から「体験を提供する店」への転換を進めている。
b8taはRaaSのパイオニアとして最先端のストア体験を提供することから、丸井の店舗戦略にも合致している。
ベンチャーキャピタルEvolution Venturesを通じてb8ta Japanへ出資したうえで、共創活動を進め、今後はb8taのノウハウの導入やデータ活用を検討していくとともに、アフターデジタル時代のリアル店舗の実現に向けた取り組みをさらに加速していくとしている。
■地下道直結でBASEのエクスペリエンスルームがある「b8ta Tokyo Shinjuku Marui」
今回、b8ta(ベータ)の日本初店舗として、「b8ta Tokyo Shinjuku Marui」「b8ta Tokyo Yurakucho」の2店舗が同時にオープン。
店内はさまざまな雑貨で埋め尽くされており、来店者は自然と各社の商品を見られるように、回遊できる作りになっている。この作りは来店者に自分が目的とする商品だけでなく、他社の商品も見てもらうという店舗側のねらいがある。

「b8ta Tokyo Shinjuku Marui」の様子
デザイン性に優れた折り畳み式の電動アシスト自転車のように、今までの店舗では見られないような新しいコンセプトやアイデアの商品が数多く陳列されている。

折り畳みの電動アシスト自転車
b8taの特徴ともいえるのが、エクスペリエンスルームの存在だ。
エクスペリエンスルームとは、独立した半個室のスペースである。ほかの出品スペースとは異なり、ブランドが独自に壁面装飾や什器等を設置することでブランドの世界観を体現した空間になっている。
来店者はブランドの世界観に入りこみ、商品やサービスを体験できる。
出展者側は自社の商品やサービスを紹介するだけでなく、そのブランドが作り出す世界観を提供できるメリットがある。
b8ta Tokyo Shinjuku Maruiにはエクスペリエンスルームが一室あり、オープン時はBASE株式会社が運営するネットショップ作成サービス「BASE」が出品。「BASE」加盟店の商品を実際に手に取ることができ、一部商品はその場での購入も可能とのこと。

ネットショップ作成サービス「BASE」のエクスペリエンスルーム
■イベントスペースもある「b8ta Tokyo Yurakucho」
「b8ta Tokyo Yurakucho」は、JR有楽町駅から徒歩1分の場所にある。
こちらはエクスペリエンスルームが三室あり、うち一室はイベントスペースとして出品企業とのコラボイベントなどを開催する予定だ。
オープン時はGoogleとホームセンターを運営するCAINZ(カインズ)社の商品が陳列されており、イベントスペースはGROOVE Xが開発した家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」の展示スペースになっていた。

b8ta Tokyo Yurakucho 店舗内覧会の様子
「LOVOT」は、b8ta Tokyo - Yurakuchoの週末店長に就任し、b8taオリジナルの制服も着用している。
接客はできないが、つぶらな瞳で来店者の顔を覚え、優しくしてくれる人になつき喜んでくれる。

Yurakuchoの週末店長「LOVOT」
b8ta Tokyo Yurakuchoのもうひとつの目玉は、FABRIC TOKYO 「スタンプ(STAMP)」 とのコラボだ。
3Dスキャナールームで来店者は自分の身体をスキャンして、自分にフィットしたオリジナルジーンズを作成できる。
b8taスタッフの制服も今回、STAMPで制作された。
b8taスタッフの制服である黒のポロシャツに合わせ、ジーンズはスタッフそれぞれの好みに合わせてシルエット・カラー・レングス・ポケットをカスタマイズしている。
STAMPの標準仕様のスマートフォン専用ポケットは、内側はクリーナー素材となっており、スマートフォンを収納しているだけで画面の汚れを取り除いてくれる優れものだ。業務中に常に持ち歩くスマートフォンにいつでもアクセスできるポケットは、素早いレスポンスが求められるスタッフの毎日の業務をサポートするという。

b8ta Tokyo Yurakucho 店舗にあるCAINZ社のエクスペリエンスルーム
現在は、インターネットの普及により、スマートフォンがあれば、どこでも手軽にショッピングができる時代だ。
商品をただ陳列しているだけでは売れないし、価格での勝負も厳しい状況だ。
実店舗が生き残るためには、何か新しい付加価値が必要とされる。
b8taが提供する実店舗は、出店者と来店者に新しい世界観を提供するものだ。店内には他の店舗で見られない新しい商品が数多く陳列されており、来店が楽しい店舗となっている。
また出店する企業や個人も自分たちのオリジナル商品やサービスを世の中に広める絶好の場となる。
b8taは当面、新宿と有楽町の2店舗のみの展開となるが、いずれの店舗も駅から近い場所にあるので、興味を持った人は足を運んでみよう。
・b8ta Japan公式サイト
ITライフハック 関口哲司
