「愛犬家としてあり得ない」 自転車に乗りながら犬の散歩は道交法違反か? 自転車保険適応外の恐れも?

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犬にとって危険なだけでなく飼い主のリスクも

 時々、自転車に乗りながら犬の散歩をする飼い主を街で見かけます。リードでつながれた犬は、飼い主が乗る自転車の速さに合わせて器用に歩きますが、ドライバーの目線をはじめ周囲から見ると、犬があらぬ方向に飛び出してこないか、ヒヤッとすることもあります。飼い主のこの行為に問題はないのでしょうか。

犬の散歩時に気をつけるべきこととは

 まず、自転車は道路交通法上で「軽車両」に分類されます。そのうえで、自転車に乗りながら犬をリードでつないで歩かせることは、違反行為になります。

【画像】犬をクルマに乗せるときに注意すべきこととは? 画像とあわせてチェック(10枚)

 道路交通法第七十条では、「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。」と定められています。

 この条文の「車両」には、軽車両も含まれるので、どのような動きをするか分からない犬を連れることで、自転車のハンドル操作などに支障をきたすとみなされると、違反に該当します。

 また、同法第七十一条六号では、「前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項」を守らなければならないとされていますが、各地域の公安委員会が定めた交通規則でも、安定を失う恐れのある状態(自転車に乗りながらの犬の散歩など)での自転車の運転は禁止されます。」

 例として挙げると、東京都では東京都道路交通規則第八条(3)や、大阪府では大阪府道路交通規則第十三条(2)がこれにあたります。

 結果、自転車に乗りながら犬を散歩させるのは、飼い主にとってもリスクがあるといえるのです。

 そのうえで、愛犬や周囲の人を危険に巻き込むリスクも、当然考えられます。

 自動車関係の仕事に従事し、日常的にクルマの運転をしつつ、プライベートでは愛犬家であるという業界関係者に話を聞くと、次のようにコメントします。

「自転車に乗りながら犬を散歩させる行為は、ドライバーの立場だけでなく愛犬家の立場からしても、『飼い主は何考えてるんだろう?』と思ってしまうほど、ありえない行為です。

 まず、リードが長くて犬が突然車道側に飛び出してきた場合は、クルマに轢かれてしまう可能性は当然ありますし、犬が自転車の前方に飛び出して飼い主自身が轢いてしまう可能性もあります。

 犬が突然方向転換すると、飼い主の乗る自転車の方向転換が間に合わず、飼い主が危ない目に遭うことも考えられます。もちろん、犬の立場からみても、歩くペースを自転車に合わせなければならず可哀想です」

 また、近年はクルマの任意保険に付帯するものをはじめ、自転車保険も存在します。危険な自転車の乗り方をしていて万が一の事態が起きてしまった場合、自転車の保険は支払われるのでしょうか。

 国内の損害保険会社の担当者は、次のように話します。

「自転車に乗りながら犬の散歩をする行為や、スマートフォンを操作しながら自転車を運転する行為は、道路交通法で禁止されております。

 道路交通法違反をもって、直ちに保険金支払いの対象外となるケースは少ないようですが、状況によっては保険金が支払われない場合もあります」

※ ※ ※

 家族の一員である愛犬を不幸にさせないためにも、自転車に乗りながらの犬の散歩は止めましょう。

クルマでのお出かけ時も注意! NGな犬の乗せ方とは

 犬を飼っている人のなかには、散歩では行けない場所まで一緒に出かけるために、クルマに乗せてドライブを考えることもあると思います。

 しかし、犬の乗せ方も正しい方法でおこなわないと、道路交通法違反となる場合があります。

ペットとクルマでのお出かけ時にも注意すべきことがある

 まず、ペットを膝の上に乗せて運転をしてはいけません。

 道路交通法第五十五条には「車両の運転者は、当該車両の乗車のために設備された場所以外の場所に乗車させ、又は乗車若しくは積載のために設備された場所以外の場所に積載して車両を運転してはならない。」と記されており、ペットを膝の上に乗せて運転をする行為は「乗車積載方法違反」にあたります。

 また、助手席ドアや後席ドアの窓からペットが顔を出す行為も、前出の道路交通法第七十条「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。」にあたります。

 2020年5月には、北海道札幌市内で警察官がパトロール中に、運転席側の窓から顔を出す犬を発見。停車指示を出したものの逃亡しようとしたために、クルマを運転していた男性が逮捕されるという事例がありました。

 これより前にも、膝の上に犬を乗せながら運転して逮捕された事例があったといいます。

 犬が運転の邪魔になったり、窓から飛び出すリスクがあってはいけません。人だけでなく、愛犬の安全も確保したうえで、ドライブを楽しみたいものです。