先発出場した八村塁【写真:Getty Images】

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チェコに敗戦で2連敗、1次リーグ事実上敗退…元日本代表の名手に聞く

 バスケットボールのワールドカップ(W杯・DAZNで生配信)は3日、世界ランク48位の日本が同24位とチェコの第2戦に76-89で敗れ、2連敗。1試合を残し、事実上の1次リーグ敗退が決まった。同組で世界ランクは日本の次に低い相手に勝利が期待されたが、八村塁(ウィザーズ)の21得点の奮闘も及ばず。この試合と敗因と今後の課題について「THE ANSWER」は元日本代表・渡邉拓馬氏に聞いた。

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 試合の入りは初戦のトルコ戦から改善し、田中大貴選手がいいゲームコントロールをしていました。渡邊雄太選手もとても落ち着いていたし、八村塁選手も初戦ほどのプレッシャーを受けていなかった。勝ちを予感させる立ち上がりだったと思います。

 しかし、ファジーカス選手のところを狙って攻められた一方で、高確率でアウトサイドのシュートを決められていました。対して日本のアウトサイドの確率は悪く、ミスからつながる失点も多かった印象です。

 それは、立ち上がりの「いける」という手応えがあったから、逆に視野が狭くなったように思います。いけるシーンとさばくべきシーンがありながら、そうしたメンタルの波が平常心を壊し、欲につながったのではないでしょうか。

 一瞬ムキになってしまったり、強引にいきすぎてしまったり。強くいきたいという気持ちはもちろん必要ですが、いつも通りの判断をする平常心も必要。こうした部分は日本の国際大会の経験の少なさが関係していると思います。

 ただ、田中選手のコントロールをはじめ、篠山竜青、比江島慎選手のパフォーマンスは良かったし、3年前にチェコと対戦した時より、相手は力を緩めるところを見せず、その点については日本の成長が見え、今後のバスケ界つながる点となりました。

 課題としては、こういう国際大会の真剣勝負に慣れること。いい形でパスを回し、いい形で崩しても得点につながらなければ意味がない。独特の重圧の中でオープンショットを確実に決め切ること。これは経験を積んでいくしかありません。

 加えて、ピック&ロールの守備、新たなビッグマンの発掘です。後者はファジーカス選手はリバウンドで飛び込んでいけるタイプではありません。八村選手、渡邉選手以外でオフェンスリバウンドを取れる、取れないがチームのスコアにもつながります。

1次リーグ敗退「このままじゃいけないと痛感する2試合になった」

 そんな中でチェコ戦では、八村選手の凄さを特にフィジカル面で感じました。強引にいったタフショットが何本かありましたが、どんな相手でも自分を出そうとする。彼に追いつけ、追い越せで周りの選手もガツガツといけるようになってほしいです。

 対欧州勢はW杯で9戦全敗となりました。欧州のチームはフィジカルはもちろんですが、スマートにプレーしてきます。相手の穴を狙い、ミスが少ない質の高さがある。それぞれ国独自のスタイルが選手から監督にしっかりと伝わっている印象です。

 だから、1人のスキルに加え、4、5人の集団でのスキルも高い。セルビアは今大会優勝候補に推されていますが、個人の能力は米国が高くても5人の総合力ならセルビアが勝てる。日本もそういったチーム作りをしていく必要があります。

 結果として1次リーグ敗退となりましたが、選手たちはこのままじゃいけないと痛感する2試合になったと思います。日本に帰って、埋まらない差をどう感じ、Bリーグでどう行動に移すのか。あるいは活躍の舞台を変えるのか、興味があります。

 次戦は米国戦です。世界No.1を相手にどこまでできるのか。日本としては敗退が決まり、失うものは何もない。日本バスケ界の今後のために勝つ気でぶつかっていってほしいと思います。

 そうして、この試合で得た経験を選手それぞれが発信し、Bリーグを底上げしてほしい。今後を占う意味でも「この米国戦がターニングポイントだった」と後々言えるような試合にして、少しでも多くのものを持ち帰ってきてくれることを期待します。(THE ANSWER編集部)