日本の観光地でつきものといえば和菓子。おみやげや宿の休憩に大活躍で、旅の楽しみの1つでもありますが、その中でもひときわ目立つ名前を持つ和菓子が香川県にありました。5月6日放送『多田しげおの気分爽快!!〜朝からP・O・N』では、香川県さぬき市を取り上げました。さぬき市は香川県東部で海岸沿いに位置し、瀬戸内海に面したところ。高松駅からは電車で30分ほどの場所にあり、四国八十八箇所の88番、大窪寺でも知られています。今回はそのお菓子を製造・販売しているお店「Ainaふろーりあん」の高橋竜史さんに、パーソナリティーの多田しげおと桐生順子が電話でお話を伺いました。

日本一長いその名前とは

早速ですが、そのお菓子の名前を紹介します。

『願いを結んで 思いを結んで ひとを結んで お遍路さん 四国霊場八十八ヵ所 暑熱厳寒山々踏みこえ 巡り巡ってうれしや上がり三ヵ寺 嗚呼生きててよかったと 幸せ味わう創作和菓子 呼ばれたし名は大結願(だいけちがん)』

キーボードの打ち間違いがないか、何度も確認してしまうほどの長い名前で、高橋さん自身が「昔は(名前を暗記して)言えたんですけど、今は忘れてしまいまして」と言うほどです。

「これなら名前は『大結願』でも良くない?」と言われてしまいそうですが、その文字数は88文字。

ここでピンと来た方も多いと思われますが、四国八十八箇所にちなんで88文字なのです。

このお菓子、名前が奇抜なだけではありません。平成23年度の『かがわ県産品コンクール』で優秀賞を受賞しています。
 

お菓子の中身は?

ではこの『−大結願』ですが、いったいどんなお菓子なのでしょうか。

まず箱の中は仕切りで4つに分かれており、これは四国をモチーフにしたもの。

中身は2種類のお菓子が入っており、1つは『拝みもなか』で、洋菓子のラングドシャにあられをまぶして和風テイストにしたもので、あずき・桑・桜の3種類のあんこをはさんでいます。

高橋さんは「拝んでいただくような気持ちで食べていただく」と説明しました。

もう1つは、『へんろの小石』という小石の形をしたクッキーで、高橋さんがお寺に行った時、石ころを踏みしめて歩いていくことが多いことからイメージし、地元の和三盆と桑、いちごの3種類の味が楽しめます。
 

名前に込められた思い

ここで多田は、あらためて長い名前をつけた理由について尋ねてみました。

多田「これ、『拝みもなかとへんろの小石の詰め合わせ』ではいかんかったんですか?」

高橋さん「やっぱり88箇所まわるのってすごく大変なことで、みなさん思いを持ってまわられてますので、その思いを簡単な言葉で表現するのはちょっといけないだろうと」

多田「なるほど、失礼致しました(笑)。そういうことなんですね」

昔からお遍路さんを支援するために宿や食べ物を無償で提供することを「お接待」というそうですが、そのおもてなしの心が名前に込められているということですね。

ただ、さすがに普段から名前をフルで呼んでいるわけではなく、高橋さんも単に『大結願』と呼んでいることをあっさりと認められていました。

お寺をモチーフにしつつ、願いが結実するという縁起の良い名前、まさにお遍路さんにピッタリなおみやげと言えそうですね。
(岡本)
 

多田しげおの気分爽快!!〜朝からP・O・N
2019年05月06日07時32分〜抜粋(Radikoタイムフリー)