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翔んで埼玉西武ライオンズ!

話題の映画『翔んで埼玉』を見ました。上映時間中、笑いっぱなしになり、劇場で肉声でツッコミ始めるくらい楽しみました。埼玉、千葉、茨城、群馬をまとめてディスりながら、栃木についてはスルーする(※那須とかオシャレそうだし…)という「東京の視線」というのは原作当時も、そして現代も変わらないものだなぁとホッコリした気持ちになりました。

僕はその盛り上がりの流れで早速、埼玉西武ライオンズの公式サイトにアクセスしました。映画のエンディングで「ドームなのに雨の日は傘さす」とディスられた西武は、これは当然動きを見せているだろうと。埼玉が舞台でさえあれば知らないアニメとでも節操なくコラボしていくあの球団が、大ヒット埼玉コンテンツを見逃すわけがないと。



「さて、翔んで埼玉コラボデーのお知らせは…」

ナイ。ナイナイナイ。愕然としました。埼玉西武ライオンズは映画が大ヒットしてなお、「翔んで埼玉」とのコラボを準備していなかったのです。「嘘やろ…」「いつもは全然ヒットしてへんアニメとでもコラボしてるやん…」「むしろ映画のロケ地に名乗りを挙げるくらいであるべきやのに…」とポップコーンを握りつぶしました。世間に広がる逆風を追い風に変えるのは今だと言うのに。

僕の会社のオジサンともいつもこんな会話があります。「野球行きましょうよ!」「いいね!」「西武でいいですか!」「西武はイヤだよ!遠いから!横浜にしよう!」「横浜だって距離は遠いでしょ!西武にしましょう!」「西武はイヤだよ!距離が一緒でも気が滅入るから!」「それは物件評価じゃなくて沿線評価でしょ!行けば楽しいですよ!西武にしましょう!」「西武なら行かない!」という。

映画『翔んで埼玉』を見て、ようやくそこまで頑なに拒む理由がわかったような気がします。西武ドームは劇中で「最愛の人についていくことを誓いながらも、いざついてこいと誘われると足がすくんで動けなくなる地獄のような場所」として描かれた所沢よりさらに先にある僻地。所沢と聞けば足がすくみ(恐ろしくて)、茨城と聞けば卒倒し(恐ろしくて)、春日部と聞けば身体が震える(恐ろしくて)、そんな気持ちの上位版として「西武ドーム」が存在しているのだと。

「所沢ってぶっちゃけ都会だもんな!」
「西武ドーム周辺が何もなさすぎて」
「移動して飲むための場所が所沢だもんな!」
「ワシら西武民は所沢に憧れてる」
「神奈川で言えば池袋が横浜、所沢が鎌倉」
「でも、ワシらが慣れとるだけで」
「所沢より先(西武ドームとか飯能とか)など一般の人は行かない地獄だったのじゃ…」

だからこそ、このコラボを実現しなければならない。何もないボロ屋だと行かないものを幽霊が出ると聞くと行ってしまう「怖いもの見たさ」という気持ち、それを受け止められるのは西武のはず。劇中で「茨城に向かう列車のなかで、自分たちはこれからどうなってしまうんだろう」と不安になるあの気持ちをリアルに伝えられるのは、西武線だけ。埼玉高速鉄道や埼京線では、どんどん廃墟化していく沿線風景に「ワシはどこへ向かっとるんや…」と震えるあの気持ちは表現できないでしょう。

そして、実際に降り立ったとき「おお、意外にちゃんとしてるやん」という気持ちを決して抱かせないあの風景。東京と同じものが手に入る場所は「埼玉県発祥のチェーンのため仕方なく1軒だけ店舗を構えてくれている」ファミリーマート西武球場駅前店しか存在しないという、あの絶望をお客に与える。映画によって「埼玉廃墟」がむしろ観光スポット化している今、その風をつかまえなくてどうするのか。風が止んだらただの廃墟だぞ!急げ、コラボを!

↓ほら見ろ!西武の動きが遅いから映画のほうがレッズに寄って行ってるぞ!

浦和美園は僻地じゃなくて空地!

遠くにはたくさんのマンションが見えるだろ!

駅前にはイオンモールだってあるし!

劇中で描かれた埼玉を表現できるのは西武線沿線だけです!



もしかして西武は、劇中に登場する「いつか東京で働く資格を得るために、埼玉民として虐げられながらも東京の学校の一角でボロ屋を構え、東京にこびへつらいながら勉学に勤しむ」学生たちよろしく、埼玉と真正面から向き合うことを避けているのでしょうか。埼玉を頭に冠して地域住民を取り込みたいという意欲を見せつつも、本当の意味での埼玉からは目を背け、「15分も歩けば東京都に到達するくらい、ワシらはホントは東京なんや…」とでも思っているのではないか。

↓だって、球場のすぐ後ろは東京なんだもん…!


北と南の中間にある板門店みたいな存在が西武ドーム!

西武ドームは東京に限りなく近い場所にあるがゆえに、西武は埼玉から目を背けている!

東京の真の気持ちは「東大和とか東村山とかは埼玉だと思ってた」だ!

池袋、赤羽、練馬区、東村山、その先の秘境は全部「埼玉だと思ってた」が東京の真意!


↓「西葛西は千葉だと思ってた」とほとんど同じ感覚で「東大和は埼玉」だと思ってます!



ていうか、東大和の存在そのものを意識したことがなかった!

どこに対する「東」なのかよくわからない!

「西の方にある謎の場所」としか思ってないので!




ぜひこの機会に東京民どもに埼玉の恐ろしさを味あわせてやりましょう。そして、連中を埼玉化していきましょう。ヤクルトのボロ屋が建て替えられて東京民が普通にそちらに向かう前に。映画を見て、埼玉民の暮らしぶりを物見遊山したいと思っている東京民が今ならばたくさんいます。青山とか赤坂のような都会指数の高い街からはこないかもしれませんが、田無とか八王子あたりからはきっとくる。「下より下がある」を見たい気持ちはきっとある。見せてやりましょう、下を!

↓パッと思いつくあたりを案出ししていきますので、検討の刺激にしてください!
【埼玉西武ライオンズ×翔んで埼玉コラボデー案】

●対戦カード
対戦カードは千葉ロッテ戦一択。「海なし県」「東京のニセモノ」などと定番のディスを展開しつつ、野球でも熱い戦いを見せる。都会指数の高い東京民はそれを見て「埼玉www」「千葉www」とダブルウエメセで楽しむ。

●時期
いつでもよいが、可能なら大雨の日に開く傘の花を見せたいのでジットリとして憂鬱な梅雨時に開催。雨に濡れて泥が浮かぶ西武球場前駅の風景(※緑色の柔らかい謎床等)は、梅雨の憂鬱を一層加速させてくれるはず。

●沿線施策
特別切符「通行手形」を西武球場前駅で発券。「あれ?普通なら、球場に行く用に特別な切符を買わせる感じでは?」と思うかもしれないが、この手形は埼玉から東京に入国するために必要なものであって、東京から埼玉に行くときは別に手形はいらない。紛失時はもちろん再発行不可。

●来場者プレゼント1

当日の来場者全員に「埼玉人でないのなら踏むことができるはずだ!」という踏み絵として草加せんべいを配布。千葉民、東京民は踏んで割ってからお召し上がりください。

<埼玉県民でないならば踏めるはずだ!>


●来場者プレゼント2
西武側応援席限定で、埼玉をイメージした泥まみれのユニフォームを配布。「過酷な肉体労働で虐げられてるんだろうなぁ」というイメージを加速、固定していく。帰京後は庭仕事や大掃除の際など、「何か汚れてもいい服ないかなぁ」という日にご着用ください。

●来場者プレゼント3
選手がサインを入れたボール、「サイン玉」をイニング間に客席に投げ入れ。埼玉訪問の記念としてお持ち帰りください。

●始球式ゲスト

映画コラボということで、劇中でも埼玉VS千葉を代表する有名人として比較されたYOSHIKI氏(X JAPAN/館山)と高見沢俊彦氏(THE ALFEE/蕨)を招聘。YOSHIKI氏の投げるドラムセットを高見沢氏が変形ギターで打ち返すなど。

<YOSHIKIとタカミーという絶妙の互角感>


●スタジアムグルメ
劇中の名ゼリフ「埼玉県民にはそこらへんの草でも食わせておけ!」にちなみ、当日のスタジアムグルメは全品に「そこらへんの草」をトッピング(たぶんホウレンソウとかだろうと思うが…)。俳優の岡本信人氏をゲストに迎え、「本当にそこらへんの草を食べるツアー」も敢行。西武ドーム周辺の草を食い尽くせ!

<なお、そこらへんの草は腹痛を治すためのものなので、草を食べてお腹をくだしても医者はきません>



●選手紹介VTR
映画主演のGACKTさん、二階堂ふみさん出演による特別選手紹介VTRを公開。選手名、ポジションなどをGACKTさんがネットリと紹介したあと、この日は背番号の代わりに「都会指数」として各選手の番号を紹介。「ピッチャー、群馬県出身、高橋光成」などの読み上げにつづけて、「ぐ…ぐんま…」「あのグンマからきたのか貴様…」「貴様の都会指数は17…いや13だ!」などと二階堂ふみさんにアナウンスしてもらう。

●特別アナウンス

当日はより埼玉感をアップするために、球団名のコールを「埼玉」に統一(※日ハムを「北海道」と呼ぶみたいな話)。「1回裏、埼玉の攻撃は…」などのアナウンスで進行していく。中継では「逆転だ埼玉!」「すごい守備だ埼玉!」「代打埼玉」などのフレーズで、そこはかとなくダサイ感が出るかもしれないが、気にしない。

●その他幕間イベント

・コバトンとかふっかちゃんとか、いつもの埼玉ゆるキャラが来場、埼玉ポーズの由来となった「そうだ埼玉」を踊る(※来場者のみなさんもご一緒にお楽しみください)

・恒例のキスカム(※客を映してキスさせる盛り上げイベント)では、積極的に野球オジサン二人組を映して劇中のGACKT×伊勢谷友介のキスシーン再現を狙う

・得点時には埼玉ポーズ(DaiGoさんみたいなポーズ)で祝福

・原作者魔夜峰央先生描き下ろしの埼玉ナイン似顔絵を用いたグッズ各種販売。バンコランみたいになった山川穂高とか、現実を無視したこの日だけのプレミアムグッズとなる予定

うむ、だいぶ脳も刺激されたのではないか!

本気のコラボを早く考えるんだ、埼玉!




せっかく吹いている風、活かさない手はありません。節操のないコラボ球団として、埼玉に近づいてきたものすべてとコラボするくらいの勢いで頑張っていってほしいもの。唯一の難点は、気分が盛り上がったので帰りに映画本編を見てみようと思っても、距離的には西武ドームから一番近いイオンシネマむさし村山に行くための公共交通機関はナイってことですが、まぁいいでしょう!埼玉のどこかで見てから帰ってください!

なお、千葉民はロッテ戦の帰りに海浜幕張駅前で映画見られます!