「バーニラ バニラ バーニラ求人♪ バーニラ バニラ高収入♪」――。このフレーズ、どこかで聞いたことがある。そんな人も多いはずだ。


求人バニラの宣伝カー

求人情報サイト「バニラ」のテーマソング。東京・渋谷や大阪・梅田といった繁華街で、ド派手な宣伝カーから流れる音楽はそのキャッチーさと相まって人々の記憶に残るフレーズだ。

街中を走るバニラの宣伝カーが、あれよあれよと人々の話題になり、若者の間での知名度は確実なものになってきている。今回、Jタウンネット編集部はバニラの広報担当者を訪ね、話題の宣伝カーについて詳しい話を聞いた。

「バニラ」オリジナルグッズも登場

「バニラ」は、全国のナイトレジャーに関する求人情報を掲載しているサイト。ページ自体は覗いていなくても、繁華街で目にする宣伝カーと特徴的な楽曲で「存在」そのものは知っているという人は多いだろう。

ド派手なデザインにキャッチーな楽曲――。人によって様々な印象を持つだろうこの宣伝カーだが、実際はどこか面白おかしく認知され、大勢の一般ユーザーに好意的に受け止められている。いったい、なぜバニラの宣伝カーはこれ程までに街の中に溶け込んだのか。


バスタイプの宣伝カーも

Jタウンネット編集部は2018年12月、広報担当者を訪ねた。取材に応じてくれたのは、実際にバニラの宣伝に関わっている人間だ。

そもそも、バニラの広告展開が始まったのは10年ほど前。サイトの開設から間もないタイミングから、宣伝カーや街中の看板の展開を続けているのだ。「バーニラ♪バニラ♪」でお馴染みのあの楽曲の歴史も長く、実は現在の「歌い手」は2代目なのだという。

だが、メインキャラクターである「バニ子」のツイッターが始まったのは17年夏から。ここから、バニラのプロモーションは新たな展開を見せる。

「(バニ子のツイッター活動の中で)話題になっているなあという書き込みが徐々に出てきまして...。ツイッターをきっかけにオファーをいただくことも増えてきました」

例えば、楽曲のリミックスコンテスト。さらに18年1月には、有名プラモデルメーカーから直接オファーを受け、宣伝カーのプラモデルを発売。バニラの広告展開を面白がって楽しむネットユーザーだけでなく、プラモデルファンをも驚かせた。

まさに、求人サイトとしては異例のプロモーションづくし。オリジナルグッズの販売も始めるなど、もはや「バニラ」(バニ子)は広告の枠を飛び出して、一種のコンテンツにまでなっている。


バニラのグッズ

「地域との共生」も目指す

東京・渋谷や大阪・梅田といった全国的に見ても大都市だけで見かける印象が強いバニラの宣伝カー。確かに以前はそうであったが、現在は違うという。

「ほぼ全国に走っています。台数も増やして拡大中です。様々なデザインがあり、最近ではバスタイプも走行しているんですよ。これからも積極的に展開していきます」(担当者)

さらに18年12月からは、京都でも宣伝カーの走行をスタートさせた。


京都の宣伝カー

 

京都の宣伝カーは景観条例に配慮したデザインで、薄い茶色に市松模様とほかの地域と趣が大幅に異なる。しかし、バニ子のイラストと「求人バニラ」のテキストは変わらずデザインされている。

なぜ、景観条例に配慮したデザインになったのか。

「これまでのデザインでは、地域の方々が長い歴史の中で守ってきた京都の景観を壊してしまう。それだけは絶対にしてはいけないという強い思いがありました」

現在のところ、1台だけ走る限定カラー。音量も「若干控えめ」にしつつ、地域との共生を目指しているそうだ。

このように、求人情報サイトの「広告」という枠を超えて、さまざまな展開を見せる「バニラ」。2019年は、どんな施策で我々を驚かせてくれるのだろうか。