目の前一面に広がる唐招提寺御影堂障壁画 濤声

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国民的風景画家と呼ばれた東山魁夷の生誕110周年を記念した回顧展「生誕110年 東山魁夷展」が、8月29日(水)から10月8日(月・祝)まで京都国立近代美術館(京都市左京区)にて開催される。

【画像】東山ブルーという言われる「あお」の美しさは必見!絵画は展示ケースに入っていないので間近で細部を観察できる

東山魁夷は横浜生まれ、神戸育ち。東京美術学校を卒業し、ドイツ留学を経て、太平洋戦争への応召、家族の死など、様々な試練に見舞われた。そのなかで、風景の美しさに開眼し、戦後は公募展である日展等で活躍した画家である。東山魁夷の絵画は、夢幻的で、かつ祈りのような優しいタッチの風景を描き、日本人の自然観や心情までも反映した普遍性を有すると評価されている。また、東山ブルーといわれるほど独特の「あお」が有名だ。戦前、ドイツ留学を終え、帰国時の船上で日本の風景を見て、群青と緑青(ろくしょう)の風景だと思ったという。本展覧会では、その「あお」に出会える。

今回の展覧会では、代表作《残照》《道》、《緑響く》はもちろんのこと、京都を描いた習作(13点)やスケッチ(31点)等、1947年から1999年絶筆までの作品が60件も揃い、東山魁夷の画業の全貌を辿る。また、奈良・唐招提寺御影堂の修理に伴い、10年歳月をかけて完成させた襖絵「唐招提寺御影堂障壁画」の展示が叶った。

襖絵は、ガラスケースに展示するのではなく、実際のお寺のように配置し、全68面を再現展示している。そして、明るい環境のもとじっくり見ることができるのは美術館ならでは。

本展覧会を担当した小倉実子主任研究員は「絵画は近くで見てもらえます。本やチラシなどの印刷物では伝わらないですが、アクリルを使用しているもの等、よく見ると絵の具の重なりがよく分かりますよ」と魅力を語った。

展覧会は8月29日(水)から10月8日(月・祝)まで。(関西ウォーカー・森田直子)