たとえば、現在の水準からユーロがドルとパリティ(1ユーロ=1ドル)の関係になるのは、ドル/円では1ドル=130円と同程度のドル高水準といえますが、ユーロのパリティ割れはないだろうと考えます。年間を通じた予想レンジは1ユーロ=1.01〜1.16ドルです。ただし、もしECBが量的緩和の拡大などの追加緩和を行えば、そのときはパリティ割れの可能性が出てきます。今のところ、その可能性は極めて低いと考えていますが、ECBの動きには十分気を配る必要があると考えています。

 そして、まず年明けの1月21日にECB理事会が行われます。12月の追加緩和ではドラギ総裁の市場との対話が上手くいかずに、ユーロが不安定になり一時的なユーロ高につながってしまいました。市場に、追加緩和の手詰まり感を感じさせないためにも、ドラギ総裁の会見が重要になってきます。相変わらず、追加緩和策にはドイツ連銀が強く反対を表明することになるのでしょうから、その中で、ECBとしてどのようなメッセージを市場に発信するのかが注目されます。

 1月は1ユーロ=1.05ドルのユーロの直近の安値を試しにいく展開になると思います。足元の予想レンジは、1ユーロ=1,05ドル〜1.10ドルです。

――その他の通貨ペアで2016年に注目の通貨ペアは?

 トルコリラ/円が歴史的な安値にあることに注目しています。トルコはロシアとの対立や、テロと対抗する最前線にあることなど、不安要素を抱える国です。このため、今年は通貨も大きく下落したのですが、資源国であるブラジルレアルや南アフリカランドに次ぐ下げ率というのは行き過ぎのレベルといえるのではないでしょうか。トルコは資源の輸入国です。近年の原油安などは、トルコの経済に好影響を与える要因といえます。

 また、政策金利が7.5%と高い上に、今後の利上げも期待できそうです。一時凍結されていたEUへの加盟交渉が再開された事もトルコリラにとって好材料でしょう。スワップポイントを稼ぎながらじっくり長期で投資する投資家の方には、投資のチャンスと言えるのではないでしょうか。

 実際に外為どっとコムでは現在のスワップポイントは年率10%程度に相当します。したがって、現在の1トルコリラ=40円で考えると4円程度の値下がりは、1年分のスワップポイントで相殺されます。多少の値下がりは許容範囲とした上で、低レバレッジで長期に投資することが前提になりますが、高値づかみを避けて安値圏を待ち伏せしていけば、妙味が大きい通貨ペアだと思います。(編集担当:徳永浩)