柏レイソルのネルシーニョ監督 (撮影:フォート・キシモト)

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【2010年に柏をJ1へと昇格させ、2011年には昇格即優勝という快挙を成し遂げたネルシーニョ監督がいきなり辞任した。ネルシーニョを慕うラモス瑠偉は嘆きを隠せない。】
 
僕が采配の「師匠」と仰ぐネルシーニョ監督が8月31日の鹿島戦の後でいきなり辞任したね。僕の頭の中は「?」マークで一杯だよ。もう少し前に辞めるのなら、わからないこともなかった。確かに低迷していたから。だけどけが人が戻ってきて、やっとここから上向きになるというときに「?」。
 
そしてまだ今季の戦いは終わっていない。リーグはまだ10試合あるし、天皇杯も始まっていない。何よりアジアチャンピオンズリーグは、ここからが監督の腕の見せ所というところじゃないか。もしリーグチャンピオンを本気で奪還にいっていたのなら、けが人が出ただけで苦しんだ今年の選手層は「?」だよ。

それなのに、いきなり辞任を伝えて翌日の練習に出てこないなんて、どうしたんだ! 師匠! せっかくビーチサッカーワールドカップが終わる10月は勉強させてもらおうと思っていたのに!

だけど、ネルシーニョ監督のこの辞任には、ちょっとだけ思い当たる節がある。ネルシーニョ監督がヴェルディ川崎を率いていた1996年4月の感じにも似ているんだ。ヴェルディのときのネルシーニョは最後、「どうしたんですか?」と言いたくなる采配を採った。僕や北澤豪を急に外し試合に臨んだんだ。そのときの相手はガンバ大阪。

結果は――まだ負けたことがなかったG大阪に初めて負けた。そしてネルシーニョ監督は直後に辞任したんだ。誰もネルシーニョ監督がなぜそんな采配や辞め方をしたのか、説明できなかった。今回の行動についても僕は理解不能だ。

口さがない人は別のチームの監督のオファーがあったのじゃないかと噂しているらしい。止めてくれよ。そんな人じゃない。僕は信じているし、信じたい。だけど、監督の口からこの経緯をもっと詳しく話さないと、もう日本に戻ってこられないんじゃないかと僕は心配しているよ――。