朝鮮労働党中央委員会第9期第2回総会拡大会議で発言する金正恩氏(2026年6月23日付朝鮮中央通信)

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北朝鮮で20〜22日に開かれた朝鮮労働党中央委員会第9期第2回総会拡大会議で、金正恩総書記が日本を「戦争国家へと変身している」と名指しで非難し、「日本軍国主義」を「米国第一主義」や「シオニズム」、「ウクライナのネオナチズム」と並ぶものとして批判した。

北朝鮮は日頃から官営メディアや外務省談話で日本への非難を繰り返しているが、最高指導者自らが党の最重要会議でここまで踏み込んだ表現を用いるのは、近年では異例だ。日本批判を強める中国の習近平国家主席の訪朝前後から強まっていた対日強硬論調を、党の公式路線として改めて位置付けた形となった。

朝鮮中央通信によると、金総書記は総会の結語で国際情勢について「米国第一主義とシオニズム、ウクライナのネオナチズムと日本軍国主義のような現代版の国粋主義が一層横行し、結託し合っている」と主張。そのうえで、日本について「アジアの敗戦国である日本が現在の混乱した局面を軍事大国化を制限するあらゆる足かせを解く絶好のチャンスとし、公然と戦争国家へと変身している」と非難した。

金総書記は演説の中で、米韓による軍事演習や核協議グループ(NCG)を強く批判するとともに、核戦力のさらなる拡大や1万トン級戦略誘導弾巡洋艦の建造加速など国防力強化方針を改めて打ち出した。一方、日本については具体的な軍事的対抗措置には触れなかったものの、「日本軍国主義」を世界的な対立構造の一角として位置付けたことが特徴となっている。

(参考記事:【写真】「ひっくり返るしかない」金正恩”戦略原潜”の異形の姿

北朝鮮は今月に入り、日本の防衛力強化や日米韓安全保障協力を「軍国主義復活」と批判する論評や談話を相次いで発表してきた。さらに、習近平主席の訪朝前後には労働新聞などでも日本への警戒論が目立ち、軍事大国化への反対を訴える論調が続いていた。

今回の総会演説は、そうした流れを金総書記自身が「権威付け」したものとみられる。これまで日本批判は外務省や労働新聞論評で展開されることが多かったが、今回は党総会という最高レベルの政策決定の場で直接言及されたことで、対日認識が北朝鮮の対外戦略全体の中でより明確に位置付けられた格好だ。

もっとも、演説全体を見ると、北朝鮮が当面最大の脅威と位置付けているのは依然として米国と韓国であることに変わりはない。日本への言及は、米韓批判や反帝・自主勢力との連帯を訴える文脈の中で行われており、新たな対日政策や具体的な軍事行動を示唆したものではない。その意味では、中国との関係強化を目指し、習近平政権と歩調を合わせたものとも読める。

ただ、日本を「戦争国家」と位置付ける表現を金総書記自ら用いたことは、今後の対日宣伝や思想教育に影響を与える可能性がありそうだ。