交渉の成果を自賛するトランプ氏、「譲歩しすぎ」批判の打ち消し狙いか…過去の説明と「食い違い」強弁も
【エビアン=阿部真司】米国のトランプ大統領は17日の記者会見で、イランと合意した覚書で核兵器開発を断念させたと主張し、交渉の成果を自賛した。
米国の軍事行動の正当化や過去の自身の説明との食い違いを強弁する姿勢が目に付き、合意を優先した苦しい事情をにじませた。
記者会見は先進7か国首脳会議(G7サミット)閉幕後に行われた。トランプ氏は「歴史上、私ほどイランに強硬姿勢をとった大統領はいない」と主張した。イランに譲歩しすぎているとの米国内の批判を打ち消す狙いとみられる。
2015年にオバマ政権がイランと交わした核合意を「オバマの惨事」と述べ、当時の合意よりはるかに優れた内容だと訴えた。
米国のイラン攻撃を巡っては、法的根拠に乏しいとみる向きが多い。G7サミットで他の首脳から国際法違反だと指摘されなかったかと問われたトランプ氏は「逆だ」と主張。「自分たちが攻撃される恐れがあっただけに、彼らは安堵(あんど)していた」と強調した。
米国が2月末にイラン攻撃を開始した当初、作戦目標の一つにイランのミサイル能力の破壊を掲げていた。トランプ氏はこの日、「彼ら(イラン)にもミサイルは必要だろう。他国が保有している以上は持たざるを得ない」と容認する考えを示し、「地球を吹き飛ばすようなものではない」と語った。14項目からなる覚書にはイランのミサイル能力への言及はない。
トランプ氏はイスラエルと、レバノンの親イラン勢力ヒズボラの戦闘を巡っては「(イスラエルは)もっとうまく対応できるはずだ」との不快感を隠さなかった。「ドローンを砂漠で撃ち込まれたからと言って、(レバノンの首都)ベイルートの建物を破壊する必要はないだろう」と述べ、イスラエルに改めて苦言を呈した。
米紙ワシントン・ポストは17日、トランプ氏の記者会見での説明について、「自らの正当性を主張し、過去の不満を再燃させ、都合の良いように世論形成を図ろうとする姿勢を改めて浮き彫りにした」と指摘した。
