静かな環境で練習に取り組む日本代表。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

写真拡大

 日本代表のベースキャンプ地ナッシュビルに来てから1週間以上が経った。ただ、ナッシュビルはワールドカップの開催都市ではない。そのためか、“ワールドカップの雰囲気”をほとんど感じない。

 さすがにオランダ戦が行なわれたダラスでは、日本人サポーターの熱狂ぶりを目の当たりにした。しかし、プレス席はガラス越しだったため、スタンドの空気を肌で感じるという意味では物足りなさもあった。

 さらに、日本代表に張り付いて取材をしていると、当然ながら他会場で開催されている試合を現地観戦できない。移動も多く、各試合のハイライトをテレビで確認できれば御の字だ。

 実際、アルジェリア戦でリオネル・メッシが達成したハットトリックすら見逃してしまった。グループステージ第1節を終えた時点での各組の勢力図も、正直なところ完全には把握しきれていない。

 そんな状況だけに、ワールドカップを存分に楽しむなら日本でテレビ観戦するのがベターだろう。そんなことを思いながら、ナッシュビルで仕事をしている。
 
 もっとも、悪いことばかりではない。ワールドカップの喧騒から距離を置けるということは、日本代表の選手たちも落ち着いた環境で日々を過ごせているということでもある。

 振り返れば、2014年のブラジル・ワールドカップで優勝したドイツ代表は、「カンポ・バイア」と呼ばれる村のような施設を独自に建設し、そこをベースキャンプ地とした。外部の雑音を遮断し、チームが一体となって大会に集中できる環境を整えたからこそ優勝できたのだろう。

 もちろん、世界制覇の理由をそれだけに求めることはできない。ただ、落ち着いた環境が成功の一因になったのは間違いないだろう。

 その点で考えれば、開催地ではないナッシュビルをベースキャンプ地に選んだ判断は理にかなっていたのかもしれない。

 もし日本代表が今大会で躍進を遂げれば、この選択は今後の代表活動におけるひとつの成功例として語り継がれることになるだろう。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長/現地特派)
【画像】日本代表のオランダ戦出場16選手&監督の採点を一挙紹介!最高点は決勝点&好パスのMF