カルビーのポテトチップス、相次ぐ改悪で「こんなに高くてスカスカ」に…大人気お菓子の《変わり果てた現在》

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消費者の感覚は正しい

近年、スーパーやコンビニの菓子コーナーでポテトチップスを手に取ったとき、「なんだか以前より値段が上がった気がする」「袋を持ったときに軽い。量が減ったのではないか」、そんな印象を受けたことはないだろうか。

実は、その感覚は正しい。

日々の買い物のなかで私たちが肌で感じているこれらの変化は、企業の財務状況や外部環境の激変と密接に結びついている。

国内のポテトチップス市場において、シェアの7割近くを占める絶対的王者がスナック菓子最大手のカルビーだ(図表1)。市場を牽引する同社による値上げや内容量の変更は、日本の消費者の「ポテトチップス購買における体感」にダイレクトに影響を及ぼしている。

では、なぜカルビーはそうした痛みを伴う変更に踏み切らざるを得ないのか。

本記事では、カルビーの2026年3月期の決算をひも解きながら、現在の同社の財務状況と、身近なお菓子に隠された経済のメカニズムについて分析していく。

繰り返される「改定」の歴史

過去のカルビーの製品推移を振り返ってみると、ポテトチップスなどの主力製品の価格は上昇傾向にある一方で、内容量は段階的に減少していることがわかる(図表2)。

カルビーの決算資料によれば、これらを「価格改定」と「規格改定」と表現している。価格改定とはそのまま「値上げ」のこと。もう一つの「規格改定」とは内容量の減少を意味しており、いわゆる「ステルス値上げ」のことだ。

2022年以降だけでも幾度となくこれらの改定が実施されてきた。たとえば、2022年初頭から秋にかけて想定価格で10〜20%の価格改定が行われたほか、一部製品では5〜10%の内容量を減らす規格改定が実施された。

その後も毎年のように断続的な改定が繰り返されており、直近においても、2026年6月からは、ポテトチップスが5〜10%、ジャガビーが30%、9月からはじゃがりこが3〜10%の価格改定を見込んでいる。

高くてスカスカに…

これだけではイメージが湧きにくいかもしれない。実際に過去のカルビーの製品価格と容量の推移を振り返ってみよう。

企業が過去数十年にわたる商品価格や内容量の推移を公式に一覧化しているケースは少ないため、今回は消費者視点から商品の価格変遷を詳細に記録している専門情報サイト「値上げ備忘録」のデータや過去のプレスリリース、値上げ報道などを基に、現在スーパー等で販売されている「うすしお味 レギュラーサイズ」の推移を独自にグラフ化した。

なお、菓子等の商品は多くの場合、オープン価格のことも多く、価格は販売店によって変わる。その前提で、あくまでイメージとして、想定価格をベースに縦軸に価格、横軸に内容量をとった場合のグラフを以下まとめてみた(図表3)。

図表3が示すように内容量は減少する一方、価格は上昇傾向にあり、ワニの口のように、両者の差は広がってきている。1975年の発売時に90gで100円(税抜、以下同)だったカルビーのポテトチップスは、いまや55gで158円になっているのだ。内容量は約半減し、価格は約1.5倍に上昇した。

このように、ポテトチップスの過去の価格と内容量の変遷を踏まえると、値段が上がり、量も減るというダブルの負担増は着実に進行している。当然、カルビーのポテトチップスだけでなく、競合の湖池屋のポテトチップスやほかの菓子類も同様だろう。消費者の立場からすれば深刻な状況だ。

しかしながら、もちろん企業側もただ利益のためだけにこれらの改定を行っているわけではない。

つづく記事〈《90g100円→55g158円》カルビーのポテトチップスが高くてスカスカになった「苦しい裏事情」…逆風のなか利益を死守するため決断を迫られていた〉で、詳しく解説する。

一部監修:村上茂久氏/『決算分析のプロが教える 最高の教訓 倒産』著者、ファインディールズ代表取締役社長

【つづきを読む】《90g100円→55g158円》カルビーのポテトチップスが高くてスカスカになった「苦しい裏事情」…逆風のなか利益を死守するため決断を迫られていた