1リッターで“40km”走れる! ホンダ渾身の「ライトウェイト・スポーツカー」が凄い!

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1リッターで“40km”走れる! ホンダ渾身の「ライトウェイト・スポーツカー」が凄い!

 近年、自動車業界では環境問題への対応を進めるべく、電動化やハイブリッド技術が広く普及しています。

 ハイブリッドカーと聞くと、かつては「燃費を最優先した穏やかなエコカー」という印象もありましたが、徐々にモーターの鋭いレスポンスを活かした力強い走りが注目され、スポーツカーの分野にもその技術が積極的に導入されるようになりました。

【画像】超カッコイイ! これがホンダ渾身の「ライトウェイト・スポーツカー」です!(46枚)

 こうした、現在では当たり前のように受け入れられている「環境性能と走る楽しさの両立」というテーマについて、ホンダは今から20年以上も前に、ひとつの明確な理想形を提示していました。

 それこそが、2003年に開催された「第37回 東京モーターショー」で世界初公開されたコンセプトモデルのIMAS(アイエムエーエス)」です。

 この車両の名称は、当時のホンダ独自のハイブリッドシステムである「インテグレーテッド・モーター・アシスト(IMA)」に、スポーツ(Sports)の頭文字である「S」を組み合わせたもの。

 その名の通り、環境に優しいハイブリッド技術を搭載しながらも、風を切り裂いて走るスポーツカーとしてのポテンシャルを極限まで引き上げることを目標に開発されました。

 そんなIMASの最大の特徴は、徹底的な空気抵抗の低減と、常識外れの軽量化にあります。

 外観のデザインは、自らの肉体で風の抵抗と戦う自転車のロードレーサーをモチーフとしており、無駄な贅肉をすべて削ぎ落としたような機能美にあふれています。

 フロントガラスからなだらかに傾斜してリアへと繋がる流線型のプロポーションや、後輪をすっぽりと覆い隠すリアホイールスカートなど、車体の表面を通る空気の乱れを抑える工夫が随所に施された結果、空気抵抗の指標となるCd値は0.20という、当時の世界最高水準となる驚異的な数値を達成していました。

 さらに、車体を構成する素材には、カーボンファイバーやアルミニウムといった軽量かつ高剛性な素材がふんだんに採用。

 これにより、モーターやバッテリーという重量物を搭載するハイブリッド車でありながら、車両重量をわずか700kg台に抑えるという驚異的な軽さを実現しました。

 空気の壁を感じさせない流麗なボディと、羽のように軽い車体が組み合わさることで、小排気量のエンジンとモーターの出力だけでも、大型スポーツカーに匹敵するような俊敏な加速感と優れた操縦性を発揮できるように設計されていたのです。

 インテリアについても、外観と同様にロードレーサーの機能美が追求されています。

 ダッシュボードやステアリング周りには、透明な樹脂パーツやアルミの骨格があえて見えるスケルトンデザインが採用され、機械の精密さと先進的なイメージを演出しています。

 運転席は、各種メーターやスイッチ類がドライバーを取り囲むように配置され、運転操作に集中できるストイックな空間に仕立てられており、単なるエコカーではない純粋なスポーツカーとしての世界観が表現されていました。

 このようなIMASは、あくまでもモーターショーにおける技術展示のためのコンセプトモデルであったため、そのままの形で市販化されることはありませんでした。

 しかし、モーターのアシスト力を利用してスポーティな走りを楽しむという根底にある設計思想や、空力を徹底的に突き詰めた先進的なスタイリングは、のちに発売されたハイブリッドスポーツカー「CR-Z」や「プレリュード(6代目)」など、ホンダの量産車へと受け継がれているでしょう。

 環境対策と走る喜びの融合をいち早く提示したIMASは、ホンダの技術力と先見性を象徴する歴史的なコンセプトカーと言える存在なのです。