京都で行方不明の米大学生、日本の市民が捜索支援に加わる

(CNN)東京に住むある男性は、仕事を1週間休んで面識のない米国人に支援の手を差し伸べようとしている。別のボランティアも、全ての予定を投げ出して移動手段の提供や通訳を引き受ける。いずれも行方不明の息子を必死に探す、米国人の両親への思いを行動に移した形だ。
京都で消息を絶った20歳の学生、ジェームズ・「ウェストン」・ヒギンボサムさんの捜索は1週間にわたって続いているが、発見につながる手がかりはまだ見つかっていない。現在ウェストンさんの家族は日本の警察の許可を得て、経験豊富なハイカーに捜索への協力を呼びかけている。森林に覆われた山科周辺の急峻(きゅうしゅん)な地形で、呼びかけに応じたハイカーたちが捜索に加わっている。
「人々の支援は本当に素晴らしい」と、ウェストンさんの母親のナンシー・ヒギンボサムさんは語った。
ウェストンさんはアラバマ州にあるオーバーン大学の学生。弟の高校卒業を祝うため家族とともに日本を訪れていたが、5月29日に母親と口論になった後行方が分からなくなった。ウェストンさんは一人でいなくなり、その後スマートフォンの位置情報アプリはオフにされた。
最後にその姿が確認されたのは、京都府と滋賀県の境界付近を一人で歩く防犯カメラの映像だった。その道は近くの森にあるハイキングコースへと続いていた。
地元警察は、深い森林に覆われた東山山系を含む一帯を捜索してきた。今週、その地域を台風が襲った後、捜索区域から戻ってきた警察官たちは腰まで泥にまみれていたと、ウェストンさんの父親のキース・ヒギンボサムさんが5日にCNNに語った。
「この72時間で100人を超える警察官が現場に入り、警察犬やヘリコプターも投入されたが、何も見つからなかった」とナンシーさん。最終的に警察は、捜索に投入する人員や資源を縮小せざるを得なかったという。
家族はウェストンさんの携帯電話の位置情報追跡の可能性について米連邦捜査局(FBI)の捜査官と話し合っているが、これまでのところ行き詰まっている。ナンシーさんがCNNの取材に明かした。CNNは電話や携帯電話基地局の技術、そしてウェストンさんを発見するために使用している可能性のあるその他の手法についてFBIに問い合わせたが、FBIは日本の当局に問い合わせるようCNNに伝えた。
米国務省の報道官は、日本で米国人が行方不明になっているとの報道を把握しており、トランプ政権は米国民の安全を最優先事項としていると述べたが、プライバシーへの配慮を理由にそれ以上の詳細は明らかにしなかった。
一方、ここまで日本国内から寄せられた対面並びにオンラインでの支援の輪には圧倒されていると、ナンシーさんは明かす。いざという時、地元の人々が惜しみなく手を差し伸べてくれる姿勢に心を打たれたという。
「私たちは意思疎通の問題を抱えていた」「そこで(対話アプリの)ワッツアップを開いて、以前に通訳を申し出てくれた人を検索した。すると30分以内にその人が滋賀県警に来て通訳をしてくれた。その後私を京都府まで車で連れて行き、さらに(民泊の)Airbnb(エアビーアンドビー)まで送り届けてくれた」(ナンシーさん)
ナンシーさんによれば、市民主導の捜索活動を調整する許可を求めて滋賀県警を訪れたところ、許可が下りたという。
募金サイト「ゴーファンドミー」に立ち上げた捜索活動を支援する認証済みのアカウントには、現時点で4万ドル(約635万円)以上の寄付が集まっている。このうち2万5000ドルは匿名の寄付者からのものだ。
とりわけナンシーさんは、この週末に険しい山岳地帯での捜索を申し出てくれたボランティアたちに心を打たれている。
一方で夫妻は、誰もが慎重に行動し、捜索中に決して一人にならないようにしてほしいと強調した。
「もし現地に来る人がいるなら、地形がかなり険しいことを念頭に置いてほしい。そして、あまりにも険しすぎると感じたら無理はしないように。(代わりに)近隣にチラシを配ってもらうこともできるので」とキースさんは語った。
「私たちは誰にも危険な目に遭ってほしくない」
家族が公開したその訴えを、何百キロも離れた場所で目にしたある男性は、捜索に加わるため現地入りする予定だ。
「東京にいるその男性は、自分の仕事を1週間休んで私たちに協力してくれる」と、ナンシーさんは明らかにした。
ナンシーさんによると男性は、以前米国で本当にたくさんの人たちに助けてもらったことへの恩返しがしたいのだという。
「それを聞いて鳥肌が立った。どんな形の支援も本当にありがたい」(ナンシーさん)
ウェストンさんが行方不明になって1週間以上が経過しているが、ナンシーさんは息子の経験とサバイバル能力に自信を持っている。捜索隊は必ずウェストンさんを見つけられると確信を抱く。
「私はウェストンのことを知っている。彼はあの森の中にいて、生きている」。ナンシーさんはCNNの取材に対してそう語った。
