「異国から適応するのは大変」ド軍主砲フリーマンが告白した佐々木朗希の“葛藤” 舞台裏で起きた怪物の成長「完全に一皮むけた」

写真拡大 (全2枚)

自信に溢れる投球を披露した佐々木(C)Getty Images

「安心できるようになった」佐々木の投球

 怪物は、いよいよメジャーの舞台に適応し始めた。

 現地時間6月5日に本拠地で行われたエンゼルス戦に佐々木朗希(ドジャース)が先発登板。5回まで相手打線をノーヒットに抑える圧倒的な内容で、7回(98球)を投げ切り、被安打2、10奪三振、無失点と好投。味方打線の援護を得られずに惜しくも4勝目はお預けとなったが、球場を熱狂させるパフォーマンスを見せた。

【動画】圧巻の投球!佐々木朗希がメジャー移籍後最多10奪三振

 暗中模索の日々が間違いなく影響を見せ始めている。メジャー移籍後最速の100.6マイル(約161.9キロ)を計測したこの日は、エンゼルス打線に真っ向勝負。スプリットと4シームを軸にした投球で空振り率34%のハイスタッツを記録し、ストライク率73%と制球難で大きく崩れることもなかった。

 興味深いには春先からの変貌ぶりだ。

 今春のオープン戦で、防御率15.58、WHIP2.77、与四球率15.58、被OPS1.043と散々な内容に終始した佐々木は、開幕直後の3、4月も5登板(22.2イニング)で、防御率6.35、WHIP1.81、被打率.301と打ち込まれた。制球を乱して自分の首を絞めるような投球が続いた当時、米球界内には彼の地力を疑う声もあった。

 周囲の逆風は強まっていく中でも、佐々木は淡々と準備を重ね続けた。フィジカルトレーナーのトラビス・スミス氏とマンツーマンで肉体改造にも着手した24歳は、下半身が強化されてフォームも安定。すると生命線である4シームにもパワーが乗るようになっていった。

 舞台裏で積みかさねた努力が実った。そんな天才投手のひたむきな姿勢は、同僚たちの刺激ともなっていた。

 このエンゼルス戦で殊勲のサヨナラホームランを放ったフレディ・フリーマンは、米スポーツ専門局『Sports Net LA』で「ロウキは本当に素晴らしいピッチングを続けている。4シームが100マイル(約160.9キロ)に届くようになってから、ますます自信に満ち溢れているのを感じる」と絶賛。背後で守っている際の“安心感”について「マウンドに立つたびに『今日も良いピッチングをしてくれる』と思えるようになった」と漏らした。

「ロウキの中で何かキッカケがあったのか、あるいはシンプルにここに慣れたのかは分からない。それでも今の彼は本当に最高だ。完全に一皮むけたと思うね。それぐらい見ていて楽しいよ」

「結果を出すようになっても、佇まいや態度はいつも同じ」

 かつての不安感がなくなり、頼もしい仲間として見られるようになった。そんな佐々木の現況を「去年は苦しみながら、ブルペン要員としても投げ、地道に足場を固めながら今の地位を確立した。これは素晴らしいプロセスだ」と評するフリーマンは、「今見せている姿は、間違いなく噂通りの彼だ」と論じた。

「正直、彼のような若い投手に全てを期待するのはハードなことだ。しかも、彼は全くの異国からやってきて、あらゆることに対応していく必要性があった。だから、彼がここの環境に馴染んで、自信を持てて初めて、周りも期待し始められる。彼が今やっているように素晴らしい先発登板を続けていくと、期待というものは自然とついてくるものさ。

 僕はただただ嬉しく思うんだ。なぜなら、日本から異国にやってきて適応するは本当に大変なことだからね。僕自身が別の国に行って、彼らがやっているようなことを成し遂げるなんて想像もつかない。だけど、ロウキは結果を出すようになっても、佇まいや態度はいつも同じ。謙虚で、笑顔なんだ」

 ついにベールが向けた怪腕は、群雄割拠のメジャーでどこまで成績を伸ばせるか。その投球に対する興味は尽きない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]