離婚報告の半年前にあった最後の投稿。何かを決断していたような晴々とした表情(吉岡美穂インスタグラムより)

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 女優でタレントの吉岡美穂(46)と、「SHAZNA」のボーカル・IZAM(54)は2006年に結婚。3人の子どもに恵まれたが、2026年1月1日、それぞれのSNSを通じて離婚を発表した。そんな吉岡が5月23日に配信された『AERAデジタル』のインタビューで、IZAMと「今も一緒に住んでいます」と明かし、反響を呼んでいる。「離婚後も家族生活を続ける」という「離婚後同居」のスタイルである。

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 子どもたちからは「離婚した後のほうがパパとママ、仲いいよね」と言われたといい、しばらくはIZAMと同居するという。 芸能界では、こうしたケースは吉岡だけではない。昨年8月に『おしゃれクリップ』(日本テレビ)で元サッカー選手・松井大輔(45)との離婚を公表した加藤ローサ(40)も、離婚後も同居を続けていることを告白し「新しい私たちの形で生活は続けつつ、ちょっと夫婦という形を変えて」「年月を重ねて関係性が変化した」と説明していた。

離婚報告の半年前にあった最後の投稿。何かを決断していたような晴々とした表情(吉岡美穂インスタグラムより)

 吉岡の「離婚後同居」を受けて、ネット上では、

《籍入れていても別居婚・週末婚もあるからな》《うちもこの方と同じ現状》《これがベストならいいんじゃない?家族の形なんて十人十色》《互いが良いと思えば良いと思います》《夫婦と言う肩書きが取れたら最高にいい親友になれそう》

 などなど、理解や賛同のコメントが多く聞かれた。その一方で、

《じゃあ離婚するなよって話》《離婚という決断をしたならさっぱりした方がいいんじゃないか》《嫌じゃなく同居できる関係ならなぜ離婚する必要がある?》《離婚したなら別に暮らしたいわ》

 といった「離婚したのに同居ができるメンタル」への疑問の声も少なくなかった。

「離婚=完全決別」ではなくなった

「令和の結婚では“感情”と“生活”は別問題です」

 と指摘するのは、夫婦問題研究家・岡野あつこ氏だ。

「昔は“離婚=完全に縁を切る”という感覚でした。でも今は、“関係を終わらせる”というより、“距離感を変える”時代になってきています」(岡野氏、以下同)

 岡野氏によれば、現代の夫婦は単純に相手を“好きか嫌いか”だけでは動かないそう。

「感情的にはすぐにも夫婦を終えたい。でも、生活は急に変えられない……。子どもへの影響も大きいし、経済的不安や、一人になる怖さもある。そうした“現実”があるため、“夫婦ではない。でも家族ではいる”という形が増えています」

 戸籍上は離婚していても、“生活共同体”であり“同居人”として生活を継続するケースは、やはり広がっているようだ。

女性は先に“心の離婚”をしている

 もっとも、離婚をする以上、少なくとも夫婦の片方の心は離れてしまっている。特に女性側は、「離婚後同居」となるかなり前から「感情面で離婚」しているケースが多いという。

「長年、会話がなかったり、共感がなかったり、モラハラや家庭内での孤独、家事育児のワンオペ……そうした積み重ねで夫に対する愛情が戻らず、“妻としてはもう限界”という地点まで来てしまった女性は多い。口に出さないだけで、離婚する前から夫に見切りをつけている妻は、男性側が想像するより多いかもしれません」

 その点は通常の離婚も同じだろう。ただし、籍を抜いたとしても「即」別居できるとは限らない。生活費や住居、子どもの学校をどうするか、また老後資金問題や親の介護問題などといった、さまざまな“現実問題”が一気に押し寄せるからだ。そうした要因が「離婚後同居」というスタイルを招くのかもしれない。

「子どものため」の共同生活

 吉岡の場合は、子どもの存在が“現実問題”としてあったようだ。「受験が終わるまで」「成人するまで」「家庭環境を急変させたくない」という理由で、離婚後も共同生活を続ける夫婦は少なくないと岡野氏はいうが、吉岡も、

《家族の形は変えず、これからもしばらくは同居を続け、娘の世話は協力し合いたい(中略)子ども達の生活が落ち着くまではこの生活を続ける予定》

 と前出のインタビューで語っている。

「これは欧米で議論されている『co-parenting(共同養育型離婚)』に近い考え方です。“夫婦”としては終わっても、“親”としては続く。だから子どもの生活を最優先にして、共同生活を選ぶのです。私のところに来た相談者さんも、夫と離婚後同居中に新恋人ができた方がいましたが、それでも“子どもの前では親同士。家族のような形でいたい”とそのまま同居を続けていました」

 恋人でも夫婦でもなく、“共同養育者”として関係を続ける――。それが令和的な家族像なのかもしれない。

「離婚した意味がない」とは限らない

 一方、同居を続けることで、「それなら離婚する意味は?」という声もあるが……。

「夫婦でいる限り、夫と妻という男女の役割が発生します。でも離婚すると、その役割からは降りられる。離婚後はもう男女の関係からは解き放たれ、“同志”や“戦友”、“共同養育者”“親同士”という新しい形の家族になれます」

 男女としては終わっている、でも嫌いではない――。女性側でいえば、男=夫ではなく、「父親としての役割、経済面、環境維持」だけを相手に求める形であれば、同居離婚は成立するようだ。

「外から見ると、“同居するなら別れなくてもいいのでは”と思うかもしれません。でも女性側は先ほどお伝えしたように、かなり前から“心の離婚”をしていることが多い。離婚後に同居をしたとて、それはかつての愛情を取り戻したいわけではなく、“人生を壊さないために距離感を調整している”感覚なのだと思います」

男性側も“生活崩壊”が怖い

 もっとも“同居離婚”を受け入れる側の男性にもメリットが。

「男性の場合はとくに、自分の家事能力への不安、孤独への恐怖、子どもと離れたくない気持ち、世間体や老後不安などが強い。離婚したとしてもその後の孤独や生活不安から、完全別居ではなく“離婚しても同居”型を望む人が増えています」

 加藤ローサが離婚を発表した番組内でも、VTRで元夫・松井大輔が登場し、「変わらず一緒に住んでいますし(中略)ずっと今と変わらない関係。自分としてはこれからも変わらない」、「子供が巣立っていく上で子供たちが違う県に住んだりするかも知れないですけど、僕たちは変わらないままでいると思います」とコメント。加藤はこれを大きく笑い飛ばしていた。

「実際、生活面でこれまで通りでいられるだけでなく、同居していることで“復縁”“再婚”のチャンスも巡ってくるかもしれません。妻を失いたくないとしたら、夫側には同居のままの離婚は受け入れやすいスタイルなのかもしれません」

 かつては“愛が終われば即別れ、離婚したら完全決裂”が当たり前だった。しかし現代は違う。

「令和の今どきスタイルは“結婚か、離婚か”と割り切る二択ではなく、“どういう距離感なら互いに幸せか”を模索する時代に入っているのではないでしょうか」

 吉岡美穂や加藤ローサの“離婚同居”は、そんな令和的な夫婦関係を象徴しているのかもしれない。

デイリー新潮編集部