【実録】「手取り22万で月10万投資」した29歳・早稲田卒男性の末路。部屋は“独房状態”、最後は“虫歯”がきっかけで崩壊
◆趣味・遊びへの支出は2400円減
’25年の金融経済教育推進機構(J-FLEC)の調査によると、老後資金を目的に資産を保有する20代はこの10年間で24.4%から40.3%に増加。20代の4割が老後を意識した資産形成を行っている。また、’26年のSMBCコンシューマーファイナンスの調査では、前年に比べて20代の月平均投資額が5000円増える一方、趣味・遊びへの支出は2400円減になった。
「S&P500は年平均10〜12%成長し、長期で見れば過去に一度も元本割れをしていない、いわば絶対に勝てる勝負。徹底的にやらないと損だと思ったんです」
そう話すのは、都内の飲食店に勤める森田裕也さん(仮名・29歳)だ。投資に目覚めたのは、’24年に新NISA制度が施行されたときのことだ。
「年収は360万円ほどで、ボーナスも業績次第でカット。店長になったところで、高が知れていると思い始めた時期でした。SNSは『将来のために非課税保有限度額の1800万円を埋めることが正義』みたいな投稿で溢れ、すでに始めた人は順調に資産を増やしている。自分は早稲田大学卒で数字に強いし、よく聞く老後2000万円問題もこれで全部解決すると思いました」
◆生活は苦しくなる一方だった
もともと競馬なども好きで、「楽して稼ぎたい」気持ちもあったという森田さんだが、ギャンブルも感覚ではなく論理派。数字に裏打ちされたインデックス投資は、まさにカネのなる木に見えたという。
「クレカの自動積み立てにすれば、投資額に応じて数千円分のポイントがつくんです。上限がちょうど10万円。手取りは22万円しかなかったけど、毎月、上限までつぎ込んでいました。完璧主義なところがあり、少しのポイントも無駄にしたくなかったんです」
しかし、積み上がる口座残高とは裏腹に、森田さんの生活は苦しくなる一方だった。
「家賃5万円のワンルームで、食事は賄い飯。消費者金融からの借金こそ踏みとどまったものの、生活費が足りなくなるたびに家財を売り払い、部屋はほとんど独房状態。それでも足りないときはウーバーイーツの配達で3万円程度稼いでしのぎましたが、自分の働いている店から注文が入らないようにわざわざ遠くの店まで遠征していました。友人の結婚式のご祝儀代が惜しくて、『仕事が忙しい』と噓をついたこともあります」
◆虫歯の治療費が払えず投資生活はあえなく終了
すべては自身の将来のため。友人関係も断ち、恋人もつくらない禁欲生活を続けた森田さんだが、その終止符が打たれたきっかけは“虫歯”だった。
「治療費をケチって放置したところ、インプラントで10万円以上かかると告げられたんです。治療のためにしぶしぶ証券口座の一部を取り崩したのですが……。そしたら今度は、お金を使うことに歯止めがかからなくなったんです」
自由にカネを使えることに味をしめた森田さんは、結局、ボーナス積み増し分を含む2年間でつくった金融資産約400万円を解約。抑圧された欲求の反動で、使い道は投資から浪費へ移っていった。
「先週も競馬に10万円突っ込んで負けましたが、使えるカネを考えればこの2年間と変わらない。まだわずかながら解約した分の手残りもあるし全然大丈夫ですよ」
