「タケは不条理な現実に直面している」久保建英への“容赦ない”批判と起用法にソシエダ番記者が苦言「この仕打ちは到底公平とは思えない」【現地発】
ベティス戦で0−2の状況、しかも後半開始早々にマタラッツォ監督がタケをベンチに下げた判断には驚かされた。だが、指揮官は彼の価値を誰よりも理解している。たとえ本調子からは遠くても、一瞬の閃きで試合を決する能力があることを知っているからだ。現に、ベティス戦でのパフォーマンスを酷評する声が並ぶなか、チームで最も優れた3本のパスを配給したのは他ならぬタケの足元だった。
単に数字が落ちているからという理由で叩かれているが、それは他の多くのチームメイトにも言えることだ。笑顔を絶やさず、ユーモアのあるキャラクターで愛され、狭い局面を打開してきたワールドクラスの才能に対するこの仕打ちは、到底公平とは思えない。
直近のマタラッツォ監督の戦術も、タケに味方していない。アトレティコとのコパ・デル・レイ決勝のように、格上を相手に自陣ゴール前にバスを停める戦術は理解できる。しかし、ジローナ戦のように主導権もポゼッションも放棄し、好機をほとんど作れないまま守勢に回るゲームプランを繰り返されては、説得力に欠ける。
指揮官はゴールを目指して攻めることを好むと口にするが、ピッチ上の現実に疑念を抱かざるを得ない。そして、タケらアタッカー陣も同じ思いを抱いているに違いない。
コパを制したレアル・ソシエダは90分間であれば誰にでも勝てる強さを持っていたが、今のチームは誰にでも負けうる不安定な航海の途上にある。
ジローナ戦でタケは、再び右タッチライン際に張る役割を任された。中央に位置を取るオジャルサバルとバレネチェアの配置も、前節のベティス戦と同様だった。タケはジローナの牙城を崩すためのスペースを見出せず、周囲のサポートも希薄で、孤立を深めるばかり。有利な状況でボールを受ける局面は一度としてなく、相手の脅威となることができないまま、時間が過ぎていった。
21分、ハーフウェーライン付近でパスを引き出すと、鋭いスラロームで立て続けに二人のマークを剥がす。しかし、瞬時に囲まれてボールを失い、審判の笛が鳴ることもなかった。 27分、右サイドのエリア内で仕掛け、強引に放ったシュートが相手DFに当たってコーナーキックを獲得する。これがホン・マルティンの先制ゴールへと繋がった。
しかし、その後も本来の輝きは影を潜めたままだった。前半アディショナルタイムには、右サイドのゴールライン際で強引な突破を試みたものの、相手の守備網にかかり阻まれた。
後半開始早々、ドリブルでゴールへ迫る局面でも足元にボールが収まらず、スピードに乗れないままバックパスを選択せざるを得なかった。味方が完全にフリーだったタケを見落とし、パスを出さなかった場面があったことも付け加えておくべきだろう。
アリツ・エルストンドがコパ優勝の祝勝会で英雄たちを一人ずつサポーターに紹介した際、タケの番が来ると、こう叫んだ。
「タケ、愛しているよ」
その言葉の意味を、我々は今こそ理解するべきだ。
取材・文●ミケル・レカルデ(ノティシアス・デ・ギプスコア)
翻訳●下村正幸
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