ラクロス日本一の主将、サーフィンでプロツアー経験、DJ、ASEANで活躍……新世代キャリア女性が”地球という「遊び場」を味わい尽くす”極意
「日本のほんもの」とは
表紙に『ターミネーターと恋しちゃったら』で連ドラ初主演をしている宮館涼太さんをむかえた「FRaU」 JAXURY MOOK。JAXURY(ジャクシュアリー)って何?という声も聞かれました。
JAXURYとは、Japanʼs Authentic Luxuryをひとこ とで表すために新たに作った言葉。高級品や贅を尽くすことだけが"Luxury"なのではなく、"Authenticity" = “ほんもの“を感じられるLuxuryにこそ光を与えたい。そんな思いで、慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科オーセンティック・ラクシュアリーラボでの研究をもとに、各界から集まったメンバーによる一般社団法人JAXURY委員会がJAXURYアワードを選出しているのです。
そんなJAXURYプロジェクトチームのエグゼクティブプロデューサー・吉岡久美子は、「日本のほんもの」を伝えるべく、ミレニアル世代の「日本のほんもの」を紹介します。
日本の(=Japan's)ほんもの(= Authentic)輝き(=Luxury)、JAXURY(ジャクシュアリー)
NGなしの人間磁石のような女性に出会う
2023年の夏にプロジェクトメンバーが、「JAXURYに興味があると言ってくれる素敵なANAの女性がいて!」と興奮気味に話してくれた、出原由佳子さん。実際にお会いして、この世代ならではのジャンルや国の垣根のなさ、それでいて世代間や違う価値観のひとびとを自然につなぐ「NGなしの人間磁石」感に驚きました。
出原さんは、慶應義塾大学法学部在学中、キャプテンとしてラクロス日本一に輝いた方。そしてサーファーであり、DJとしても活動のあるANA社員。国際機関への出向経験、政策担当としての財界活動支援を通じASEAN諸国の橋渡し役を歴任……。
というその経歴も素晴らしいのですが、私が印象に残っているのは。
誰にも、どこにも、壁をつくらず、争わず。
あらゆる場面を突破し、世界をひろげて、つないでいくその姿勢。
そんな出原由佳子さんに、JAXURYのこれからを一緒に考えて欲しい、とお願いしたのも必然でした。
これからの世代の「生き方」が輝く出原さんに、JAXURYの新たな旅路を開いて行っていただきたいと思い、連載をお願いしました。
「どうありたいか」の追求が磨いたコミュ力で、年齢国籍を超えた多様なネットワークを生み、つなぐ出原さん。その生き方はどう生まれたのでしょう? そしてどんな人、こと、精神に出会う旅に私たちを連れていってくれるのでしょう? 今回はまずそこから。ぜひ様々な人とのつながりで、ワクワクさせてください! ここからは出原さんご自身による連載の第1回をお届けします。
1. 「何者でもない」私の自己紹介
はじめまして、出原由佳子です。 本日よりここで、私のこれまでの人生の旅路や、そこで見つけた「楽しく豊かに生きるヒント」を綴らせていただきつつ、JAXURYの案内人を務めさせていただくこととなりました。
3年前、JAXURYプロジェクトチームの匂坂さんと出会い、「JAXURY」という概念を初めて聞いたとき、ビビビ!と心が高鳴るのを感じました。JAXURYが提唱する「ほんもの」の価値、そしてそれが日常にもたらす豊かさが、私が大切にしている「ココロを整える感性」と完全に共鳴したからです。
まずは簡単に、私のこれまでの足跡を。 慶應義塾大学でラクロス部の主将を務め、日本一を経験。卒業後はANAに総合職として入社。2年間のわくわく休職制度*を活用し、サーフィンのプロツアーに挑戦。その後はインドネシア・ジャカルタに駐在し、日本とASEAN諸国との橋渡しのような仕事に携わりながら、DJとして音楽の現場に立ったり、インドネシアラクロス協会を立ち上げたり……。
こうして文字にすると、確かに「いろんなことをやってきた人」なのですが、特別な肩書きを持つ何かの専門家ではありません。ただ、この地球という遊び場を、そして自分の人生を「味わい尽くす生き方」に関してはプロフェッショナルだと言えるかもしれません。
JAXURYは今、日本の美意識を世界へ繋ぐ旅に出ようとしていると聞きました。そんな中、プロデューサーの吉岡さんから「型にはまらず境界線を超えて『心地よさ』を追求する出原さんの生き方こそ、最もJAXURYな探検では?」という言葉をいただきました。何者でもない私だからこそ、日常の中で誰もが「自分らしい輝き」を見つけるヒントを届けられるかもしれない。そう感じて、この連載を書かせていただくことになりました。
*わくわく休職制度:当時のANAの挑戦を支援する休職制度。現「サバティカル休暇制度」。
2. 「正解」をなぞる日々と、思考のノイズ
人生にはいくつか大きな転機があると思いますが、私にとってのその一つは、間違いなくANAに入社したことでした。
それまで一貫校で育ち、両親が敷いてくれた安心・安全のレールの上を、ただまっすぐに歩んでいた私。慶應ラクロス部で主将を務め、日本一という目標に全力投球していた日々も、今振り返れば、与えられた環境の中で最高の結果を出すという、ある種の「優等生的な正解」をなぞる作業だったのかもしれません。
大学卒業を控え、急に自分の人生のハンドルを握る感覚に、かなり戸惑ったのを今でも鮮明に覚えています。
そんな私がANAを選んだ理由の1つは、海外の友人たちに「日本に来るなら、絶対にANAがいいよ!」と熱心に勧めている自分に気付いたからです。 “Inspiration of Japan”というタグラインに象徴される、伝統を重んじながらも自ら新しい風を起こそうとする挑戦者のエネルギー。それこそが、私が世界に伝えたい日本の素晴らしさであり、今思えば、当時から「JAXURY」の種のような想いを、無意識に抱いていたのだと思います。
そうして「ココロ」が動く方へ進んだはずのANAでの毎日。 仕事は順調でした。周囲の期待に応え、社会的な「正解」をなぞる。それはもはや私の得意技になっていたし、環境変化の中での確かな成長実感もありました。でも、誰かが期待する自分像を追いかけてパズルのピースを埋めるような毎日に、気が付けば思考のノイズが鳴り止まなくなっていました。
成果を出せば出すほど、私の「アタマ」は成長する一方で、「ココロ」が枯れていくような感覚。完全に思考主導、外側からの評価軸で生きていて、心の底から満たされている自分を見失いつつあったのです。
「このまま”正解”を積み上げていって、私は一体どこへ行くんだろう?」
キャリアの階段を登っているはずなのに、心が少しも躍っていない。学生生活とは違い、終わりの見えない長い道のりを前に、登れば登るほど息苦しく、退屈にさえ感じている。そんな自分に気づいた時、「ココロ」の声が聞こえた気がしました。
「本当はどんな自分でありたいのか? 誰かが、社会が期待する自分像を追いかけていて、幸せなのか?」
3. 直感に従う勇気
大きな組織の後部座席に座って、誰かが決めた「正解」というルートを走る、ただ安全な景色を眺めているだけの人生で終わっていいのか。そう自問自答した時、湧き上がってきたのは「一度きりの人生、やっぱり自分のココロで舵を取りたい」という、理屈を超えた強烈な直感でした。
「私ならではの生き方」について考えた時、真っ先に浮かんだのは、どうしても一丁前のサーファーになりたい!という当時25歳の勝手な願いでした。今しかできないことに挑戦しようと、会社の制度*を利用して、キャリアを一旦止めてバリ島へ向かう決断をしました。
周囲からは「せっかくのキャリアがもったいない」「戻ってこられなくなるよ」という声もありました。「安定」という名の大きな船を降りて、たった一人で荒波に飛び込むようなものですから、その心配もごもっともです。でも、私にとっては、自分の「ココロ」の声を無視し続けることの方が、ずっと怖かったのです。
「自分の人生を、自分らしく進みたい」という私のわがままに対して、“挑戦することが人を成長させ、組織を強くする”と信じて背中を押してくれた会社には、今も心から感謝しています。
4. 波が教えてくれた「ととのう」ということ
バリ島での生活は、アタマ主導になっていた私を根本から変えてくれました。サーフィン漬けの日々に気付かされたのは、「自然(波)は絶対にコントロールできない」というシンプルな真理です。
どんなにアタマで計算しても、波は予想通りには来ません。大切なのは、思考を止めて、身体の感覚を研ぎ澄ませること。 波のリズムと自分の鼓動がシンクロした瞬間、アタマの中の雑音がフッと消え、世界と一体になる感覚。
「身体感覚」が「思考」を追い越した時、初めて「自分がどうありたいか(Be)」をクリアに感じることができました。
競技サーファーとしては、誇れるような戦績は残すことができませんでした。しかし、私にとっては、ひたすら波と向き合ったこの期間が、固定概念を破壊し、自分自身の純度を高める「ととのう時間」となりました。この時間こそが、まさにJAXURYが提唱する「本物の贅沢」であり、鍛え、ととのえられたココロは、以前よりもずっと強くて、しなやかなものになったと感じています。
5. 活動の場を変えても世界は終わらない。むしろ輝き出す
2年間の「空白」を経て戻った社会。結果論ですが、私のキャリアは壊れるどころか、より「私らしく輝ける」ものにアップデートされていました。会社の中にいるだけでは得られなかった気付きや学びが、「アタマ」ではなく「ココロ」をぐんっと成長させてくれ、以前よりもずっと自由に、フラットに世界と繋がれるようになったからだと思います。
立ち止まることは、停滞でも後退でもありませんでした。むしろ、本来の自分に気づき、純度を上げるための大切な「ジャーニー(旅)」の一部でした。そしてJAXURYな在り方とは、こうした「自分のココロと誠実に向き合い、その純度を高めていく時間や生き方」そのものだと感じています。
日々何かに追われていると、つい思考のノイズにココロの声がかき消されてしまいますよね。でも実は、日常の中に潜む一見無駄に見える寄り道や、余白の中にこそ、新たな発見や本物の豊かさが隠れていたりするものです。世の中の波に合わせるのではなく、自分自身の中から湧き立つ「ワクワク」といううねりを待つ。そうすれば自然と、世界はもっとキラキラして見えると思うのです。
これからの連載では、私がこれまでの数々のジャーニー……物理的な旅はもちろん、心の内側を巡る旅、キャリアの変遷、そして人との出会いという旅路の中で出会ってきた「輝くヒト、モノ、コト」を、私なりのJAXURYな視点を添えてお届けしていきます!
ぜひ一緒に、JAXURYな自分探しの旅を始めてみませんか?
〜今回の Do & Don't〜
Don't:世の中の「正解」という波に必死にしがみつく
● 結果: 常に他人の目を気にし、疲弊して自分自身の「キラキラ」が曇ってしまいます。
Do:自分の「心の声(ワクワク)」を感じる
● 結果: 直感が研ぎ澄まされ、余計な力が抜けて、本来の自分が輝き出します。
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