[5.12 U17アジア杯GL第3節 日本 3-1 インドネシア ジェッダ]

 AFC U17アジア杯サウジアラビア2026に臨んでいるU-17日本代表はグループステージを3戦全勝で終え、8強進出を果たした。

「ホッとしています」

 小野信義監督は試合後、率直にそんな言葉を漏らし、「しっかり選手たちがやってくれた」と、その奮闘を称えた。

 U17アジア杯は、FIFA U-17ワールドカップの予選を兼ねて開催される大会。逆に言えば、その出場権の獲得は、U-17日本代表にとって“マスト”の目標となっている。

 2年に1度の開催だったU-17ワールドカップが2025年より“毎年開催”となり、それに伴って参加国数が48へと大幅に拡張された。アジア枠も従来の4枠から8枠へと増え、これまで“アジア4強”で得られた出場権は“アジア8強”に与えられるようになった。

 普通に考えれば、予選通過は容易になったと言えそうだが、前回のU17アジア杯のグループステージで日本は大苦戦。あわや敗退の寸前まで追い込まれている。今大会もまた、小野監督が「アジアは本当に簡単じゃない」と繰り返し、「カタール戦でもし同点ゴールが決まらなかったら……」と話していたように、“3戦全勝”という結果ほど簡単な道のりではなかった。

 小野監督は日本サッカー界の一翼を担う者として、U-17世代の継続的な世界大会出場の重要性は痛いほどわかっている。だからこそ、選手選考の段階から大きなプレッシャーを感じていることも伝わってきた。それだけに、最低限のノルマを達成したことに、「ホッとした」のも無理はない。

 ただ、これで満足して終わりという話ではない。小野監督は選手たちにこんな話をしたと言う。

「日本の(アジアの戦いを)やったことない人たちからすると、今日の試合も『インドネシア? 余裕でしょ?』と思うんだろう、と。俺たちはそれが違うとわかるけれど、でも、もっと自分たち09世代(2009年以降に生まれた、今大会を戦う世代)を見せ付けるために、やっぱり勝って『すげえじゃん、この世代』と言われるようにしないといけない」(小野監督)

 大会を通じて、「選手たちが公式戦の経験で本当に成長することを感じている」と語る小野監督は「あと3試合(準々決勝、準決勝、決勝)勝つこと」をあらためて目標に掲げる。

「自力で勝ち点9を取れて、“この先”が見えた中で、あと3試合やってチャンピオンになって帰れるのが一番。そうすれば、チームも選手もめっちゃたくましく強くなれるんだろうと思うし、そういう3試合にしたいと思っています」(小野監督)

 また「今まではU-17ワールドカップの出場権だけは絶対に取らないといけないというところで、ちょっと抑制されているところもあった」とも語り、あらためてプレッシャーから解き放たれた選手たちを爆発させたい考えだ。

「中も外も見えているし、『こいつらのサッカー面白いな』と思ってもらえるように、個性も自分たちのやりたいことも表現できて、それでいて『たくましい』と思ってもらえるような感じを出せたらと思っています」

 最低限の目標はクリアしたと言えるが、それはさらなる飛翔への助走であるべきもの。“09世代”の力を証明し、可能性を表現するための戦いが、ここから本当に始まっていく。

(取材・文 川端暁彦)