ルビオ氏をイタリア派遣、トランプ氏とメローニ氏「蜜月」復活狙う…「安保協力の継続」協議
【ワシントン=栗山紘尚、ローマ=倉茂由美子】米国のルビオ国務長官は8日、訪問先のイタリアで、メローニ首相と会談した。
米国のイラン攻撃開始以降、トランプ米大統領とメローニ氏の「蜜月関係」に亀裂が入っている。外交トップのルビオ氏の派遣には、冷え込んだ同盟関係の修復とともに、安全保障協力を引き出す狙いがありそうだ。
米国務省の発表によると、ルビオ氏とメローニ氏は会談で、中東やウクライナ情勢を含む安全保障上の課題や世界的な脅威に対処するための「協力の継続」を巡って協議した。
メローニ氏は、自国優先主義の立場がトランプ氏と近く、大統領就任当初から良好な関係を築いてきた。だが、2月末に米国とイスラエルがイラン攻撃に踏み切ると、徐々にトランプ氏と距離を置き始めた。中東へ向かう米軍爆撃機がイタリアにある米軍基地に着陸することも拒否した。
決定的だったのが、トランプ氏のローマ教皇レオ14世への批判だ。トランプ氏が教皇を「核兵器に弱腰」などと主張すると、メローニ氏は「受け入れられない」と非難。トランプ氏が「彼女は勇敢だと思っていたが間違っていた」と反発する事態になった。
その後もトランプ氏が4月下旬にイタリア駐留米軍の撤退を示唆すると、メローニ氏は「賛成できない」と述べるなど意見の対立が目立っている。
米国にとっては対イラン軍事作戦の泥沼化の指摘がある中、イタリアなどから安保面での協力を引き出すことも重要な課題となる。
現在、ホルムズ海峡周辺では米国によるイラン関連船舶に対する海上封鎖措置が行われているが、米国としては欧州主導の有志国に対し、艦船の監視活動や機雷除去などへの関与を求めたい考えだ。米国以外の国が海峡周辺での活動に参加し、航行の自由を確保することで作戦の「正当化」にもつなげる狙いとみられる。
ルビオ氏は、バンス副大統領とともに、2028年の次期大統領選の共和党候補と目されている。イタリアとの関係を修復し、つなぎとめられるか、外交手腕に注目が集まっている。
