「これは3か?」 地震が来ても逃げない日本人はクレイジーと思われがちですが……「これは死ぬ」と認識を一変させたバリ島の衝撃光景【漫画】
地震大国である日本で育った私たちにとって、小さな揺れは日常でよくあること。しかし、その「日本の常識」が海外では驚きの光景として映ることもあるようです。アマットル・キナさんが投稿した漫画『地震が来ても逃げない日本人が、バリに住んだ結果』は、そんな日本人の独特な感覚と、海外の住宅事情を目の当たりにして変化した「危機感」をユーモラスに描いています。
【漫画】『地震が来ても逃げない日本人が、バリに住んだ結果』(全編を読む)
それはある日、作者が外国人の友人たちとお酒を飲んでいた時のことです。シンガポール人の友人が、マレーシアのフードコートでのエピソードを話し始めました。ご飯を食べていると突如地震に遭遇し、揺れを感じた人々が一目散に外へ逃げ出したと言います。しかしそんな中、ふと振り返ると、日本人だけが何事もなかったかのように食事を続けていたというのです。
友人たちは「クレイジー!」と大爆笑に包まれます。そんななか友人は作者に「キナも逃げないの?」と聞くと、作者は「「学校で習う避難訓練だとまず机の下に隠れるから即逃げしないんだよー」と答えました。しかし続けて「でも最近は逃げるようになったよ」と言います。そのきっかけは、バリ島でのある衝撃的な光景でした。
近所で新しい家が建つのを偶然目にした際、ひょろひょろと細い柱の主軸や心もとないほど薄い階段、そしてブロックをただ積み上げただけの壁など、日本では考えられないような材料で家を建てていたのです。極め付けに、完成前にもかかわらず家が斜めに傾いているのを目の当たりにし、作者は「これは…死ぬね」と地震で崩れる家の下敷きになる自分を想像するのでした。
読者からは「建造物の耐震性で考えたら、海外に居る場合、震度が低くても建物が倒壊する可能性が高いから逃げないといけないんですね。」「日本の耐震基準を世界標準だと思うなってことですよね」など、建物に対しての日本人の認識の違いについての声が多くあがっています。そんな同作について、作者のアマットル・キナさんに詳しく話を聞きました。
バリに住んで気づいた、日本の建物の安全性
ーシンガポール人のご友人が「日本人だけご飯を食べていた」と話した際、その場にいた方々はどんな反応をされていましたか?
その場にいた友人たちは爆笑していました。同時に、『日本人は地震に慣れすぎていて、生存本能より食欲を優先するのか!?』と半分呆れながらも、その肝の据わり方に驚愕していたのが印象的です。
ー海外で「日本の常識」が通用しないと気づいた瞬間、どのような感情を抱きましたか?
日本では『建物は簡単には壊れない』という前提で、落下物から身を守るよう教わります。でも、バリでの建設現場を目の当たりにして、その前提が根底から崩れました。鉄筋の細さやレンガの積み方を見て、『机の下に隠れても、机ごと床が抜けたり、壁に押しつぶされたりする』可能性があるなと感じたんです。
それまでは、わずかな揺れで外へ飛び出す現地の人を見て、「大げさだな〜(笑)」と思っていました。でも、この環境に合わせて危機を察知していたのはむしろ彼らの方だったのだと気づかされました。
ー実際に住んでみて今回のこと以外で建物の構造や安全性に違いがあると感じたことはありますか?
まず、測量された敷地の形が正確な四角形ではないことが多く、それに合わせて家を建てるため、部屋の角がわずかに斜めになっていることがあります。家具を置いたときに隙間ができて気づくことも...。また、床が完全に水平ではなく、室内でもわずかな傾きを感じることがあります。さらに、日本ではあまり見かけないのですが、建材の中から虫が出てくることもあり、最初は驚きました。
こうした違いを実際に体験する中で、「建物の前提」自体が日本とは異なることを実感し、防災に対する考え方も自然と変わっていきました。
(海川 まこと/漫画収集家)
