プロデューサーに「あななたち二人はさすがにうるさい」と怒られた 唐田えりかを支えた『極悪女王』での出会い

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Netflixシリーズ『極悪女王』で、プロレスラーの長与千種さん役を演じた唐田えりかさん。オーディションの際に見つけたひときわ目立つ女の子が、よしもと所属のお笑い芸人・マリーマリーのえびちゃんだったといいます。

唐田さんが休養期間を経て挑戦した『極悪女王』で見つけた、大人になってからの友情のかたちを綴ります。

写真は前回に引き続き、写真家の濱田英明さんに撮り下ろしていただきました。

「茨城のタランチュラ」

「喧嘩強いです!茨城のタランチュラって言われてました!」と、『極悪女王』の第一次オーディションで自己PRをしていた女の子がいた。

何を話していても、笑える台本でなくても、人を笑わせていた。

「あぁ、この子受かるだろうな」と直感で思った。

一次を通過して、二次オーディションの日。

会場最寄駅のトイレに入ろうとすると、その子が出てきて「やっぱり二次にいるんだ」と思った。

二次オーディションは、ペアで行われることが告知されていた。登場人物二人の日常会話の演技に加えて、歌と踊りの動作も含まれた台本が事前に共有されており、当然、その場の誰もがこの歌と踊りを完コピして臨んでいる。

自分の名前を呼ばれ立ち上がる。その場で自分のペアがわかるのだが、私はまさかの茨城のタランチュラとの二人芝居となった。

芝居が始まり、いよいよ歌って踊るところだ!と勢いよく息を吸い歌おうとした、まさにそのとき、それをさせないかのように「ってこともあったよねぇー!!!!!」と台本には無い言葉を、ツッコミかのように言われた。

私は激しく混乱した。「なんだコイツ?!!」と。

そして何事もなかったかのように、タランチュラは歌い終えたあとの台本の台詞を喋り始めた。私は台詞を言いながら「あぁコイツ、歌と踊り覚えてこなかったんだな」と確信した。

オーディションが終わり会場から出ると、「ほんっとごめんなさい!会場着いてから台本を確認したんです!!」と言ってきた。

本来なら、とっても腹が立つことなはずなのに、私は笑ってしまった。

顔を精一杯申し訳なさそうにして一生懸命謝ってきた。

なんだか可愛くて面白くなってしまった。絶対に悪い子じゃない。そう確信した。

どんな場面も笑いに替える、茨城のタランチュラこと、芸人のマリーマリーのえびちゃんのことを語らせていただきたい。

私は普段「えび」と呼んでいるので、ここでもそう呼ばせていただきます。

たいやきを見るたびに思い出す

第一回目のプロレス練習の日、道場でえびを発見した私はとても嬉しくなった。

練習が終わったあとに「友達になりたい!」と率直に言った。

そこから私たちは本当に沢山話すようになった。

毎日練習でも撮影でも会っているのに、休みの日も会っていた。

えびは変な気遣いはしないだけで、普段はとっても気遣いをする人だ。

誰かのお酒が無くなる直前に、何頼む?と確認をし、疲れてない?帰りたかったら言ってねと言ってくれる。

えびの動きを見てると、あーすごいなぁとよく思う。

私は普段外食をしていると、なぜか髪の毛や、卵の殻や、何かが入ってしまっているということによく遭遇する。

プロレス練習の帰り道、たい焼きを買って皆んなで食べていると、私のたい焼きの中から髪の毛が生えていた。私は、困ったなぁ〜でもまぁいいか…という感じで髪の毛を取ろうとしたそのとき「バカ!新しいのもらいにいくよ!!」と、えびはズンズンと店に向かった。店員さんに「この子のたい焼きに髪の毛が!ほら!入ってました!」と伝えてくれた。

そして新しいたい焼きをゲットし「ほら!うちに何でもいいな!」と渡してくれた。

たかが、たい焼き。と思い諦めようとしたが、えびの優しさが何だかとても嬉しくて、たい焼きを見るたびに思い出す。

「流石にうるさい」

プロレス練習までも楽しくなってきた私たちは、撮影中本当に笑いが絶えなくなった。

ついにあるときプロデューサーに、「あなたたち二人は流石にうるさいです」と注意を受けた。

生粋のギャルのえびは「私たちが皆んなを楽しませているのに!」と言っていた。

私はそんな出来事までも面白く、学校みたいだなぁと呑気に思った。

とあるシーンで、えびの泣き芝居があった。

私はえびが芝居をしているすぐ隣の部屋で次のシーンの準備をしていた。

えびの芝居を直接見たかったが、声が聞こえる近さの場所だったから、耳を澄ましながらヘアメイクをしてもらっていた。

「本番!よーい、スタート!」と聞こえると、えびが嗚咽しながら泣いている声が聞こえてきた。いつも明るく元気なえびが泣いているのが、悲しくて悲しくて苦しくて、私はヘアメイクをしてもらっているのに、泣いてしまった。

仲が良すぎて、えびにこんなことを言うのは少し小っ恥ずかしいけど、あのときに、えびにはいつも笑っていてほしい。と心底思った。

【スタッフ】

撮影/濱田英明 スタイリング/道端亜未 ヘアメイク/尾曲いずみ

【衣装クレジット】

パンツ \115,500 ROLF EKROTH

Tシャツ \47,300 MADISONBLUE

その他 スタイリスト私物

【衣装問い合わせ先】

BOW INC 電話番号:03-6427-1590

MADISONBLUE 電話番号:03-6427-9228

【後編】「この人に見られて恥ずかしいことは何もないと思った」唐田えりかが人生で初めて酔っぱらった夜