狙われる「公営住宅の空き室」、水漏れの連絡で事件発覚…静岡・神奈川で水道メーター盗難1000個超
静岡、神奈川両県の集合住宅を中心に、今年に入り1000個超の水道メーターが盗難被害にあっている。
多くが、空き室の公営住宅で起きており、被害の発覚を遅らせる狙いがあるとみられる。メーターに銅が使われているため、売却目的とされ、警察が窃盗事件として捜査している。(静岡支局 中島和哉、横浜支局 児成優真)
静岡市と静岡県の公営住宅約1500戸が並ぶ「安倍口団地」。3月24日に水漏れの連絡を受けた市職員が駆けつけると、空き室約50戸分の水道メーター(20万円相当)がなくなっていた。
メーターを外すと断水するため入居者は気づくが、空き室だと発覚は難しい。同団地の最後の検針は2月2日だった。公営住宅は民間に比べて空き室の割合が高いといい、市上下水道局の佐野久さん(62)は「カーテンがなかったり郵便受けがテープで塞がれていたりする(空き室の)特徴を確認したのでは」と分析する。
読売新聞のまとめでは、今月20日現在で同県内の被害は10市町で計640個に上った。静岡市は公営住宅の空き室のメーターを順次撤去することを決め、県も撤去を検討している。メーターは無施錠で収容されていることが多い。同市内で「昼間に作業服を着た男2人が、後に被害が発覚した部屋のメーターを触っていた」という目撃情報もあり、県警は水道業者の点検を装って盗んだとみている。
隣接する神奈川県では23日現在、横浜、横須賀など7市の公営住宅の空き室を中心に計455個の被害が確認された。県警によると既に昨年1年間の被害の倍に上るという。同県に接する東京都町田市でも20日までに31個の盗難が確認された。
警察庁のまとめで昨年の「金属盗」の認知件数は1万5712件あった。2024年の2万701件より減少したものの、20年の5478件から3倍近くに増えた。銅価格が近年高騰していることも背景にあるとみられる。
神奈川県警幹部は「戸数の多い団地はまとめて盗むことができるから、効率がよいのだろう」と警戒を強めている。
