陸上女子100mハードル元日本代表・寺田明日香さんと考える「食」
女性アスリートの健康課題について、元日本代表・ハードラーの寺本明日香さんに聞きしました。
「利用可能エネルギー不足」「無月経」「骨粗しょう症」。これは女性アスリートの「三主徴」と呼ばれているもので、エネルギー不足などが続くと月経が止まり、ケガのリスクが高まると指摘されています。それでも強くなりたいと願い、食事を我慢してしまうアスリートも少なくありません。今回は、食の大切さについて取材しました。
「しっかり食べないと、練習の時に疲れてしまったり、力を発揮できない。」
3月、広島テレビで開かれたトークショーに参加した、アスリートの寺田明日香さんです。テーマは「ちゃんと食べて、ちゃんと元気」。実体験をもとに食べることの大切さを語りました。
■寺田 明日香 さん
「私、実は今は元気だが、摂食障害になったことがあって。ごはんを食べられなくなった時期があって。」
寺田さんは、ハードル選手として高校時代から日本のトップで戦ってきました。しかし、20代前半、体の変化や結果への焦りの中で、食べることへの意識がゆがんでいきました。
■有田 優理香 アナウンサー
「摂食障害だった当時、何かトリガー(きっかけ)があった?」
■寺田 明日香 さん
「結果がでなくなって、周りから『太った?』と言われることが多い気がした。太ったら速く走るわけないと、自分の中でぐるぐるするようになって。体重計に1日15回くらい乗らないと気が済まない。100g増えただけでも、ああ増えちゃったって思うくらい。」
やがて生理が止まり、疲労骨折も経験。結果も出ず、引退を決断します。23歳でした。
■寺田 明日香 さん
「食べることに対して、罪悪感を持つようになって、食べられなくなると練習もできないし、結果にもつながらない。悪循環に陥ってしまった。結局、陸上競技を嫌いになるまでになった。」
その後、結婚・出産。さらに7人制ラグビーに挑戦。新たな世界を経験したことで、「食べること」への考え方は、大きく変わっていきました。
■寺田 明日香 さん
「体を作るために体重を増やすことが、どれだけ大変なのかを痛感した。子どもができたのも大きい。子どもと食べると欠食するわけにいかない。食べることは自分の体の健康、メンタルの安定にもつながる。」
食べることは、我慢するものではなく自分を支えるもの。その実感が、もう一度陸上と向き合う土台になりました。29歳で陸上競技に復帰すると、日本人で初めて12秒台の日本新をマーク。一度競技を離れ、食べる意味を見つめ直したからこそ、たどり着いた強さでした。
■有田 優理香 アナウンサー
「過去の自分に声をかけるとしたら、どんな言葉をかけたい?」
■寺田 明日香 さん
「『もっと簡単に考えていいのに!』って言っているんじゃないかな。悪い意味で、こだわりすぎていた。こだわりを捨ててほしいとは全く思わないが、果たしてそれが、本当にいいこだわりなのかを考えて過ごしてほしい。次の自分を作るための準備として、食事を考えてほしい。」
【テレビ派 2026年4月8日 放送】
