【日本のインフラ崩壊】大量に造るだけではダメ…大事故をきっかけにどう変わったのか

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日本はこのまま崩れ去ってしまうのか? 道路、鉄道、水道、インフラ、橋……なぜ全国各地で次々に事故が起きるのか? お金も人も足りない……打つ手はあるのか?

注目の新刊『日本のインフラ危機』では、私たちの暮らしを揺るがす「大問題の正体」を豊富なデータと事例から解き明かす。

(本記事は、岩城一郎『日本のインフラ危機』の一部を抜粋・編集しています)

社会資本メンテナンス元年

政府は笹子トンネルの事故を受けて、2013年1月、国土交通大臣をトップとする「社会資本の老朽化対策会議」を設置し、同年3月に老朽化対策の全体像を工程表としてとりまとめました。

さらに、「社会資本老朽化対策推進室」を設置し、同年を「社会資本メンテナンス元年」として、インフラの老朽化対策についての、総合的・横断的な取り組みを推進することにしました。

これを契機に、国土交通行政はインフラメンテナンスに大きくかじを切ることになったのです。

道路橋定期点検の義務化

2013年2月には国土交通省道路局より「総点検実施要領(案)」が作成され、橋梁、トンネル、舗装、道路附属物(標識、照明、情報提供装置など)、横断歩道橋、道路のり面工・土工構造物(のり面、盛土、擁壁など)といった道路ストックの総点検に乗り出すことになります。

また、2013年11月にはインフラ長寿命化基本計画がとりまとめられ、さらに2014年6月に道路橋定期点検要領が策定され、5年に1回の近接目視点検を前提とする道路橋定期点検が義務化されました。

この要領の中で、「近接目視とは、肉眼により部材の変状等の状態を把握し評価がおこなえる距離まで接近して目視を行うことを想定している。近接目視による変状の把握には限界がある場合もあるため、必要に応じて触診や打音検査を含む非破壊検査技術などを適用することを検討しなければならない」としています。

こうした経緯で、現在のインフラメンテナンスの骨格が整うことになったのです。

さらに、「日本はこのまま崩れ去ってしまうのか…意外と気づかない「インフラ危機」本当の実態」」では、いま大問題として迫っているインフラ老朽化問題をひきつづき見ていく。

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