[3.31 KIRIN WORLD CHALLENGE 日本 1-0 イングランド ウェンブリー]

 イングランドを相手に1点リードで迎えた終盤戦という理想的なシチュエーションの中、日本代表の森保一監督は昨年11月のガーナ戦に続いて再びDF鈴木淳之介(コペンハーゲン)の左ウイングバック起用をテストした。

 鈴木は昨年6月にA代表デビューを飾ったばかりの22歳。28日のスコットランド戦では後半から3バックの左で途中出場し、技術を活かしたビルドアップや決勝点につながる攻撃参加で存在感を放っていたが、この日は前への推進力と高いシュートへの意識を持つ途中出場の右ウイングFWジャロッド・ボーウェン(ウエスト・ハム)対策とみられる起用となった。

 森保監督はカタールW杯では負傷の影響で時間限定起用だったDF冨安健洋にスペイン戦のクローザー役を託していたが、北中米W杯に向けては昨年10月のブラジル戦でFWエステバン(チェルシー)を抑え込んだ鈴木に期待をかけている様子。実際、この日の鈴木は守備面では期待に応え、不慣れなポジションゆえに相手との間合いに迷う場面こそあったものの、良い距離感で対応できた際には上々の対人守備を見せ、無失点に抑えていた。

 そうしたテストも重ねながら掴んだイングランド相手の白星に、鈴木は「(相手が)速いのは分かっていたし、あの時間帯に入ったということは守備の役割は分かっていた。そこは割り切ってやれた」と一定の成果。その一方、センターバックとウイングバックでは相手のプレス強度も大きく異なるためか、ボール保持の判断に乱れが出たことには大いに反省していた。

「なかなか難しい時間帯に入って、やることはゼロで抑えることだったのでそれはできたけど、あの時間帯にあの位置でボールを持った時にいい判断ができなかったことが悔やまれる」。とはいえW杯本大会でのオプション起用を想定するならこれも一つの経験。所属クラブで経験できない起用法であるならばなおさらだ。

「自陣に押し込まれている中でボールを受けた時、前に蹴ったほうがいいのか、繋いだほうがいいのか、運んだほうがいいのかでいい判断ができなかった。いま思えば蹴れば良かったなと思う。失点しなかったので良かったけど、ああいう致命的なミスはなくさないといけない」

 新たな課題が見つかるのは良いシチュエーションでテストの機会があったからこそ。2か月後のW杯本大会に向け、鈴木はまずはコペンハーゲンで積み上げるべく「監督も変わったし、また一からになる。自チームに戻ってまたしっかり頑張りたい」と意気込んだ。

(取材・文 竹内達也)