「こどもNISA」が変える教育資金…インフレ時代の「預金から投資へ」加速

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原材料高騰に伴うインフレと、出口の見えない低金利。実質賃金が伸び悩む中、子育て世代は「教育資金の確保」という難題に直面している。こうした中、2026年度税制改正大綱に盛り込まれた「こどもNISA」への関心が急騰している。27年1月の開始を前に、なぜ「パパママ投資家」たちは預貯金から株式投資へと舵を切るのか。最新の意識調査から、変容する資産形成の最前線を追う。

中長期の投資で教育資金確保目指す

教育費準備の切り札とも期待される「こどもNISA」。 2026年度税制改正大綱に盛り込まれた未成年者向けの少額投資非課税制度(NISA)に、子どもを持つ投資家の関心が高まっている。背景にあるのは原料費の高騰などによる物価上昇だ。預金金利が思うように上がらないなか、子育て資金を預貯金ではなく、中長期の株式投資で確保することを検討する人が増えつつある。

第一生命経済研究所は、2026年度の日本の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)を前年比2.1%上昇と予想する。 しかし、米国とイスラエルによるイランへの攻撃を受けてガソリン価格が高騰するなど、世界的に原材料価格が高騰。 同研究所は「イラン情勢の悪化が長期化すれば原油価格高騰が続くことで、物価が大きく押し上げられ、景気の下押し要因になることが避けられない」と分析している。

国内外でインフレ圧力が強まる一方で、日銀による利上げの判断も難しい局面が続いており、日本人の金融資産の大半を占める預金の金利低迷は避けられない見通しだ。物価高や低金利に加え、実質賃金の先行きまでもが不透明さを増す現状において、親世代は中期的な子供の教育資金の捻出という課題に直面している。

「子どものために資産形成」未就学児の親で半数に

こうした親世代が抱える将来への不安、そして「自助努力での資産形成」への切実な期待を背景に注目されているのが、不動産テック企業のGAテクノロジーズが実施した調査だ。同調査によれば、教育資金準備の新たな手段として、「こどもNISA(少額投資非課税制度、仮称)」を8割超が知っていると回答した。

2027年1月に開始予定の「こどもNISA」は、18歳未満もNISA口座を持てるようになる制度だ。 税制優遇に加え、中長期の積み立て投資を実施することで、教育資金を確保しやすくなるとの期待が大きい。 2026年度の税制改正大綱に盛り込まれたばかりだが、早くも親世代の間で注目度が急上昇している。

調査はGAテクノロジーズが2026年1月21〜25日にインターネットを通じて実施。 対象は20〜60代の働く子どもをもつ投資家で、回答者数は1820人。 アンケートで「こどもNISA」を知っているかと聞いたところ、「内容はなんとなく知っている」が40.7%でトップ。 「名前だけは聞いたことがある」が23.2%、「内容まで詳しく知っている」が19.9%で続いた。 何らかの形で知っている人は、合計で83.8%に達した。

未就学児を持つ子どもをもつ投資家に資産形成を目指す理由を尋ねたところ、「子どものため」と回答した比率は49.5%に達した(複数回答)。 これは「将来への漠然とした不安」と並んで全体の2番目だった。 1位は「老後の生活資金」(57.9%)。 子どもをもつ投資家全体でも「子どものため」との回答が34%に達している。特に未就学児の親にとっては、早期に子どもの資産形成に取り組むことで、教育資金などを賄いやすくなるとの見方が強い。 また、自らの子供が投資を通じて経済や社会の動きを知る機会にもなると見られている。

物価上昇や年金財政の悪化などを背景に将来不安が高まるなか、親世代の投資への関心はますます高まりそうだ。