A千葉・黒川虎徹が地元・長崎県松浦市へ寄付「“誰にでもチャンスはある”と子どもたちに感じてほしい」

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友田吉泰松浦市長に直接手渡した【(C)松浦市】

 

「自分たちも夢を叶えられる」そんな思いを持ってくれたら

 
りそなグループ B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND IN NAGASAKI 2026では大好きなカステラを持って入場した【(C)B.LEAGUE】

今年1月中旬、長崎県長崎市での「りそなグループ B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND IN NAGASAKI 2026」はアリーナを基軸としては初めての3日間にわたって開催され、成功裏に終了した。その試合で、大声援を受けた一人が黒川虎徹選手(アルティーリ千葉)である。

【(C)B.LEAGUE】

初選出となった記念すべきりそなグループ B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2026を、地元・長崎県で迎えた黒川選手は、13分10秒のプレータイムで2本の3Pシュートを射抜き8得点と見せ場を作った。しかし、黒川選手のオールスターストーリーはこの後も続いていた.2月19日、生まれ故郷である松浦市役所を訪問すると、オールスターでの出場報酬を寄付したのだ。黒川が望んだのは「スポーツや文化の分野で活動する子どもたちへの支援」。今回は、黒川選手に寄付の経緯、原点である故郷への思いについて聞いた。

――改めてりそなグループ B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2026初選出、おめでとうございます。正に“故郷に錦を飾る”形になりました。変化や新たな発見がありましたか?

正直なところ、自分が本戦に出られるとは思っていませんでした。選ばれたと聞いた時は、驚きが一番大きかったです(笑)実際にプレーしてみて、長崎の皆さんから『おかえり』という言葉をたくさんいただき、地元でプレーできることの喜びとありがたさを改めて感じた時間になりました

【(C)B.LEAGUE】

――声援を受ける中で見事な活躍でした。そして、出場報酬を地元の松浦市に寄付することになります。

地元の松浦市はそこまで大きな街ではなく、人口もそれほど多くありません(2月末時点で約2万人)。当然、子どもたちが直接プロのバスケ選手やアスリートに触れる機会も少ないのが現状です。僕自身子どもの頃はそうだったので、少しでもプロスポーツの存在を身近に感じてほしいと寄付を決めました

――ご両親や周りの方にも相談されたのでしょうか?

はい。両親とは以前から『地元に何か貢献できたらいいね』と話していたんです。今回、オールスター出場という素晴らしい機会をいただけたので、エージェントさんに相談し寄付に至りました

以前から“地元に何か貢献できたら”と考えていたという黒川選手【(C)松浦市】

――地元への恩返しは目標の一つだったわけですね。“子どもの頃”という言葉が出ましたが、当時はどんな風に過ごしていましたか?

松浦市で小学生時代と中学校の最後を過ごしています。当時は、バスケに限らず運動することが“とにかく大好き”という性格でしたね。学校が始まる前に友達とサッカーをしたり、昼休みにバスケをしたり、ひたすら体を動かしていた記憶です。負けず嫌いもあって、小学校の持久走大会では6年間ずっと1位でした(笑)

――さすがの身体能力ですね!! 松浦市のどんなところが好きかを教えてください。

まず海も山もあって、海鮮や野菜が新鮮でおいしいところですね。本当に自然を感じられる街なんです。先日帰省した時は、名物のアジフライを食べました。松浦市のアジフライは有名で、水揚げ量も日本一なんです。お気に入りの場所は不老山総合公園(ふろうざんそうごうこうえん)です。不老山から見る松浦市の景色が大好きです

不老山総合公園から望む海。季節によって様々な絶景が見られる【(C)松浦市】
 
アジは日本トップクラスの漁獲量を誇る松浦市。“アジフライの聖地”というモニュメントも【(C)松浦市】
 

――魅力ある場所ですね。高校から本州へ出られましたが、長崎や松浦市は、黒川選手にとって、どんな存在ですか?

松浦市は僕の原点です。今こうしてプロとしてバスケができているのも、地元の方々の支えがあってこそ。だから、困った時は地元のことを想像し、感謝の気持ちを思い出すようにしています。地元の景色を思い浮かべると、悩んでいることなどを忘れて、自分を俯瞰で見ることができるんです

――今回の寄付金は子どもたちのスポーツや文化活動に役立てられると伺いました。具体的にどんな影響を期待していますか?

プロバスケの試合会場に足を運ぶ機会にしてほしいですね。長崎ヴェルカはもちろんですが、V・ファーレン長崎(Jリーグ)の試合もいいと思います。もちろん、千葉に来てくれたらうれしいですが(笑) ただ、スポーツに限ることなく他の仕事を目指す子どもの支援にも使ってもらえたらと思っています。人口が少ない街だからこそ、多くの子どもたちを支援できるはずですし、何らかの刺激になればいいなと考えています

――運動好きな少年時代、プロ選手との触れ合いはあったのでしょうか?

一度だけ、阿部友和選手(元ライジングゼファー福岡ほか)が福岡で開いてくれたクリニックに参加したことがあります。ただ、それ以外はなく、プロは遠い存在でしたね。当時、NBAのスティーブ・ナッシュ(フェニックス・サンズほか)に憧れていたんです。彼のようにパスも得点もできるスタイルを目指していましたが、プロ選手が身近にいる環境ではありませんでした。だからこそ、子どもたちにもっと身近に感じてほしいという思いがあります

――今回の寄付も含めてオフコートでの活動にも積極的ですが、今後、実現してみたいことはありますか?

長崎でバスケのクリニックを開催したいですね。プロを身近に感じてもらう機会をもっと作りたいです。また、自分がこれまで経験してきたことを、学校などで直接子どもたちに伝えるような活動もしたいと考えています。プロ選手と直接コミュニケーションを取ることで、“誰にでもチャンスはある”ということを感じてもらえたらうれしいです

カステラをお裾分けする黒川選手【(C)B.LEAGUE】

――最後に地元の長崎のファンと、A千葉のファンへメッセージをお願いします。


長崎のファンの皆さんは、僕がどのチームにいても応援してくれて、常にホームのような温かさを感じさせてくれます。皆さんの期待に応えられるようこれからも頑張ります。そして、自分のプレーでしっかりチームの勝利に貢献していきたいと思いますので、A-XX(アックス、A千葉のファンの総称)の皆さんも引き続き応援よろしくお願いします

故郷に錦を飾る形になった「りそなグループ B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2026」