57歳、パスポートなし。40年ぶりに英語を学びなおして生まれた変化──「ラジオビジネス英語」を【聞いて】学ぶワケ
「英語を学びなおしたい」と思っても、忙しい毎日の中で続けるのは簡単ではありません。Bunさん
机に向かう時間が取れず、気づけば中断してしまった──そんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、英語の学びなおしで仕事でも成果を得られたという、都内でハンコの専門店を営むBunさん(仮名・60代)を訪ねました。
英語から40年ほど離れていたというBunさんが、NHKラジオ講座を聞き始めたのは57歳のとき。今では、英語での接客がきっかけとなり、海外からのお客さまの来店が大幅に増えたそうです。
都内でハンコの専門店を経営する60代。57歳からNHK英語講座「ラジオ英会話」を5年、その後は「ラジオビジネス英語」を4年ほど学習。現在はNHKテキストとNHK語学テキスト音声を併用している。
※本インタビューは2026年1月に実施しました。
「このまま死ぬわけにはいかない」 40年ぶりの英語に一念発起
──まず、英語を学びなおそうと思われたきっかけを教えてください。
57歳で人生の先が見えてきたときに、ふと「若い頃は英語が好きだったな」と思い出したんです。このまま英語もしゃべれずに死んでいくとなると、死ぬ瞬間に思いっきり後悔するだろうな……と。それじゃあ、もう一回頑張ってみようか、と思いました。
──「悔いなく生きたい」と思ったときに、英語が浮かんだのですね。
そうですね。中学生の3年間は英語が好きだったんです。でもそこから長いこと英語とは縁のない生活で……気づけば40年経っていましたね。
いちばん身近なNHK講座で、好きな時間に学ぶ
──英語をやろうと決めたとき、学習手段はいろいろありますよね。その中でNHKの講座を選ばれた理由は何だったのでしょう。
いちばん身近だったからでしょうね。近所の書店で、まずは英語講座のテキストを全講座買ってみました。
それから、聞き逃しサービスで実際に聞いてみたんです。内容も濃いし、ラインナップも充実している。何より、好きな時間に聞けるのがいいんですよ。
──時間に縛られないのは、続けるうえで大きいですね。
そうなんです。今も、放送時間どおりにラジオを聞くことはほとんどないです。生活の中の空いている時間に“聞く”のが自分に合っていました。その中でも、「NHK語学テキスト音声」のように、音声を期限なしでいつでも聞けるというサービスはとても助かりますね。
──最初は「ラジオ英会話」からだったそうですね。
はい。まずは基礎を固めようと思って「ラジオ英会話」を5年ほど。そのあと、もう1ランク上をやりたくなって、「ラジオビジネス英語」を始めて4年ほどになります。
何度も繰り返し使ったことがうかがえるBunさんのテキスト
「英語を使う場がない」なら、自分で作ってしまえばいい
──それにしても、長く続けるのは大変だと思います。続けられた理由は何でしょうか。
もともと飽きっぽいんですよ。だから「どうしたら続くかな」と考えたときに、ふとひらめいたんです。
「そうだ、店に海外の方が来る状況を作ってしまえばいい」と。強制的に、英語を使わざるを得ない環境に身を置こうと思ったんです。
──なるほど……「英語を身につけるための環境を先に作る」ということでしょうか。
そうです。ハンコ屋なので、海外の方のお名前を漢字で表したハンコを作ることを考えました。英語を勉強して売るんじゃなくて、英語を身につけるために、“来ていただける仕組み”を作った感じですね。
Bunさんが販売している海外の方向けのハンコの一例
“繰り返し聞いて口に出す”ことで、フレーズが口から出てきた
──学んだ英語が、実際の接客で生きたと感じる瞬間はありましたか?
あります。僕らの歳になると、一度覚えても定着しないんですよね。でも、実際に使うと定着する。
だから「ラジオビジネス英語」で出てきた英文は、暗唱やシャドーイングで口になじませておくんです。すると、いざというときに出てきます。
この前、フランスのリヨンからのお客さまがいらしたんです。そのときすぐに、
「Lyon! The gastronomical capital of France.(リヨン! フランスの食文化の都ですね)」
という言葉がぱっと出てきました。
──それは「ラジオビジネス英語」(2025年12月号)に出てくるフレーズですよね……! すごいです。
そうなんです。リヨンなんて行ったこともないのに、さも知っているかのように(笑)。
でも、お客さまにとっては、そのひと言だけで「あ、知ってくれているんだ」って感じて親近感が湧きますよね。そういう「引き出し」が増えるのがいいんです。
ラジオビジネス英語2025年12月号
──「聞いて、口に出しておく」からこそ、反射的に出てくるんですね。
まさに。音声で繰り返し聞いて、暗唱やシャドウイングをする。それが現場で効くんです。
Bunさんの“聞き方”──暗唱とシャドーイングがコツ!
──学習方法を詳しく教えてください。日々、どんなふうに取り入れているのでしょう。
徒歩通勤なので、テキストを小脇に抱えて歩きます。信号待ちの合間にパッと確認して、歩きながらブツブツ暗唱するんです。
お店に着いたら、朝の時間や接客の合間にパソコンでテキスト音声を流してシャドーイングします。空いた時間にすぐできるのがいいですね。
実際に学習している様子
それから、接客中に「こう言いたいけど、英語で何だっけ?」と思ったら、心当たりのある月号のテキストを探して、該当箇所を聞き直して暗唱します。テキスト音声は放送期間が過ぎても聞き直せるのが何よりいいですよね。
あと便利なのが、音声がチャプター分けされていること。ここだけ繰り返したい、と思ったときにすぐ再生できるんです。
売り上げ以上に大きかった変化──国境を越えるつながり
──英語での接客が増えると、お店の外でも変化がありそうですね。
ありますね。お客さまが帰ったあとも、SNSで交流が続くことが多いです。
以前、新婚旅行で来た外国人カップルが印鑑を買ってくださって。帰国後に「赤ちゃんができた」って連絡が来て、赤ちゃんの分もオンラインで注文してくれたことがありました。こちらもお祝いを添えて送ったら、喜んでいる様子をSNSに上げてくれて……うれしかったですね。
──ビジネスを超えた関係になっていくのですね。
そうなんです。やはり丁寧な英語でやり取りできることが大きいと思います。英語によって、人生が豊かになる感覚がありますね。
お店には、海外から来店した方の笑顔の写真がたくさん飾ってある
完璧じゃなくても、聞き続けることに意味がある
──最後に、今後の目標を教えてください。
もっとスムーズにお客さまとやり取りできるように、英語力を上げたいです。正直、「聞き取れなかった」「伝わらなかった」ということも多いんですよ。
でも、少しでも話せると印象に残る。だから、これからも“聞いて、口に出して、使ってみる”ということを続けたいですね。
──ありがとうございます。Bunさんのお話を通して、英語力の向上のためには「勉強する時間をつくる」ことではなく、日々の仕事や生活の中で、どう英語と向き合い、楽しさを見出すかが重要なのだと感じました。テキストで読み、音声を聞き、実際に使う。その積み重ねが、自然と続く学びにつながっているのかもしれません。Bunさんが実際にどのように英語を使っているのか、詳しくはこちらの記事で紹介しています。
