スポニチ

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 将棋の第75期王将戦(特別協力・スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社)7番勝負はきょう25日、大阪府高槻市の関西将棋会館で最終第7局がスタートする。シリーズ成績は5連覇を狙う藤井聡太王将(23)=名人含む6冠=、挑戦者の永瀬拓矢九段(33)ともに3勝3敗。両者は24日に現地入りして最終決戦に備えた。対局は午前9時に開始。最終局のため、先後は振り駒で決まる。

 先に王手をかけながら連敗を喫し、気がつけば相星でのファイナル。流れとしては追い込まれた感覚を抱いても不思議ではない。だが永瀬の周囲にはネガティブな空気感など一切なかった。

 「最終局ということで、区切りになる。皆さまにも注目していただけるかと思いますので、そこに対して精いっぱい頑張りたいと思っています」

 藤井相手のタイトル戦は7回目。過去6度の対決はいずれも敗退、内容も6勝21敗と大きく負け越していた。それが今回は3勝を挙げた。競り合いを制した第1局。完全試合に近かった第3、4局。内容的にも充実ぶりを誇示し、初の王将位獲得まで1勝と迫る。

 シリーズ開幕前にはこう語っていた。「7番勝負では3勝3敗となるのがとても面白い。最終局でどちらかが勝者、どちらかが敗者になる。胸が熱くなる瞬間ですよね」――。図らずも、その胸熱が実現した。挑戦者としての役割は十分果たしたのでは?

 「いや、役割は果たせていないというのが率直な感想です。最終局はやはり結果がある程度求められる。私としては、普段通り力を出し切れるようにするだけです」

 欲しいのは善戦の評価ではなく、純粋な勝利だけ。永瀬は勝負師の顔を保ったまま、雌雄を決する一戦を迎える。 (我満 晴朗)