【ガチ中華】マーラータンの次はコレ! 旨すぎて危険「飲める薬膳スープ火鍋」都内最新3選

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「薬膳スープ火鍋」がブームに!

東京の街を歩けば、至る所で若い女性を中心に行列を作っている「マーラータン」。好きな具材を選び、痺れるスープで煮込むその味は確かに中毒性があるが、本場・中国の奥深さはこれだけではない。昨今は都内の「ガチ中華」界隈の競争激化により、これまで味わえなかった未知の絶品鍋が続々と登場しているのだ。

そこで今回は、マーラータンの次に熱い「飲める薬膳スープが美味しい火鍋」の最新スポットを紹介する。まだ多くの日本人が知らない、危険な美味しさを堪能してほしい。

日本初! 絶品「いちじく鶏鍋」

まずはじめに紹介したいのが、’26年1月に高田馬場にオープンしたばかりの新店『炭火鶏鍋』だ。この店で味わえるのは、広東省を中心に食べられている、素材の味を生かした鶏鍋である。

火鍋といえば唐辛子や花椒がたっぷり入った真っ赤な麻辣火鍋を思い浮かべがちだが、本国・中国でも麻辣火鍋は競争が激しく、近年は雲南のキノコ火鍋や貴州の発酵トマト火鍋などの店が増加傾向にある。広東省の鶏鍋もこうした競争激化を受けて大都市を中心に広まりつつあるスタイルの一つであり、日本のガチ中華界隈でも麻辣火鍋との競争を回避するため、同様のトレンドが展開されているのだ。

特徴的なのが鍋のスープで、2種類から選べる鶏肉スープの一つには乾燥いちじくを使っており、いちじくの甘さがほんのり感じられる薬膳スープになっている(もう1種類は「石斛(せっこく)」という漢方を使った鍋)。オーナーの李さんによれば、「いちじくが持つ上品な甘さと清涼感のある香りが鶏肉の旨味を引き出してくれる」という。

スープがしっかりと沸騰したら、薄くカットした鶏肉をさっとしゃぶしゃぶして食べる。ぷりぷりの鶏肉の中にいちじくの優しい甘さが感じられ、絶妙な美味しさだ。鶏肉しゃぶしゃぶのようなスタイルであっさりと食べられるので、中華にありがちな油っぽさやこってり感が苦手という人にもおすすめできる。鍋の締めには白米と卵を追加し、鶏の出汁が凝縮されたスープで雑炊を楽しめるのも日本人には嬉しいポイントだ 。

筆者が知る限り、この鶏鍋が日本で食べられるのは’26年3月時点では同店だけ。お店を訪問した2月時点でも、出店の情報を聞きつけた若い在留中国人のお客さんで賑わっていた。中国人留学生向けの学習塾などが多く集まる高田馬場は、まさに中国現地のトレンドを体感できるスポットといえる。

驚愕! 氷から煮る絶品「ラム鍋」

次に紹介するのが、上野・湯島エリアにある内モンゴルスタイルのラム肉鍋専門店『SAINUU冰煮羊炉』だ。こちらも’25年11月にオープンしたばかりの新しいお店である。

上野・御徒町周辺は近年ガチ中華が集積するエリアとして名を上げており、麻辣火鍋やマーラータンはもちろん、前述した雲南のキノコ火鍋や貴州の発酵トマト火鍋などもすでに進出済みで、火鍋の多様化がいち早く進んでいる場所だ。

この火鍋の最大の特徴は「冰煮羊鍋」という名の通り、氷と一緒にたっぷりの羊肉を茹でていく点にある。内モンゴル出身のオーナー・納日蘇さんによれば、チンギスハンが活躍していた時代に氷と一緒に羊肉を煮込んだことが由来だという(諸説あり)。低温から徐々に火を通すことで、肉がより柔らかくなるという利点もあるそうだ。

味の決め手となるのは、ラム肉、ネギ、棗、塩胡椒という極めてシンプルな素材たち。これらを15〜20分程度じっくり煮込むことで、羊の旨みが滲み出た美味しいスープができあがる。

「じっくり煮込むことでラム肉本来が持つ旨味を最大限に引き出してくれ、臭みもほとんど感じなくなります」と納日蘇さんは語る。ゴロゴロ入ったラムの塊肉も、氷の効果か驚くほど柔らかく、するすると胃に収まってしまう。

鍋の後半には青菜やキノコを追加し、さらに旨みが増したスープで食べるシメの刀削麺は幸福度が高い逸品だ。6980円で鍋セット一式に飲み放題まで付くコースは満足度が非常に高く、おすすめである。

旨味凝縮! 美酒香る「黄金鶏鍋」

最後に紹介するのは、同じく上野・湯島エリアに位置する『威皇 WEI HUANG』だ。’24年12月のオープン以来、在留中国人の間で人気を博している。

1店目で紹介した店と同様に広東省の鶏肉鍋を提供するが、こちらは「花雕酒」という紹興酒の一種を使ったスープが特徴である。ほんのり香る花雕酒の匂いと、クコや棗などと一緒に煮込まれた薬膳スープが絶品なのだ。広東料理でありながら上海を中心に10店舗を展開する人気チェーンの海外店舗であり、そのスープのレベルの高さから東京でも人気店となっている。

おすすめの食べ方は、まずじっくり煮込まれた滋味深いスープだけを味わい、次にぷりぷりの鶏肉を堪能し、その後に野菜や湯葉などの具材を追加していくスタイルだ。

花雕酒のコクと鶏肉の旨味が溶け込んだスープは、それだけでずっと飲んでいられるほどの美味しさで、体がポカポカと温まってくる。スープは無料で追加できるため、気が済むまで味わえるのも嬉しい。

終盤は広東料理らしく土鍋ご飯(煲仔飯)でシメるか、具材の旨みが凝縮されたスープにインスタントヌードルを入れるか、究極の2択を迫られることになる。

その人気ぶりは凄まじく、’25年11月には六本木に日本2号店を出店し、勢いを拡大し続けている。

進化が止まらない「ガチ中華界」

中国の火鍋といえば麻辣火鍋ばかりを思い浮かべがちだが、店舗の増加とともにその種類は着実に多様化している。そして、そのトレンドは日本でもリアルタイムで連動しているのだ。

今回紹介した3店舗は現時点では中国人のお客さんが多く、店に入ると海外へ旅行に来たかのような気分にさせてくれる店だ。マーラータンをきっかけに中国の薬膳スープに興味を持った方は、こうした中国の各地で食べられている現地の火鍋にもチャレンジしてみるのはいかがだろうか。

取材・文・写真:阿生

会社員兼ライター。東京で中華を食べ歩く会社員兼ライター。大学在学中に上海・復旦大学に1年間留学し、ガチ中華にはまる。現在はIT企業に勤める傍ら都内を中心に新しくオープンした中華を食べ歩いている。■ブログ:https://chuka.tokyo/ ■X : https://x.com/iam_asheng ■Instagram : https://www.instagram.com/asheng_chuka/