WBC中継のネトフリが実況&解説で「アマプラ色排除」…”地上波潰し”の次の「ターゲット」に

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「アマプラをライバル視」

侍ジャパンが連覇の偉業に挑む第6回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)がついに開幕した。

史上最多となるメジャーリーガー8人も日本代表に参戦し、前回以上の侍フィーバーを期待したいところだが、不安視されているのは地上波テレビ放送がないこと。しかも今大会を国内独占ライブ配信する『Netflix』の実況アナウンサー及び解説者選定に対して現場から非難の声が上がっている。

競技のルールや知識、選手の魅力が伝わるエピソードなど、適切、的確な情報を届け、視聴者の感動を後押しするのが実況&解説陣の仕事である。

大会を盛り上げる上で大切な役割を担う顔ぶれについて、『Netflix』は2月18日、同社コンテンツ部門の坂本和隆バイスプレジデントが「各国の野球文化と選手を知り尽くした多彩な実況、解説陣がそれぞれの経験に裏打ちされた独自の視点で筋書きのないドラマを説明していきます」と言い切った。だが、メジャーリーグ中継スタッフは首を傾げている。

「正直、大丈夫かなと心配になりました。実況アナは元フジテレビの田中大貴さん、元NHKの豊原謙二郎さん、元TBSの松下賢次さん、日本テレビの村山喜彦さん、平川健太郎さん。みな名の知れたアナウンサーで、『オールスターメンバー』などと持ち上げる人も少なからずいます。

たしかに豊原さんや平川さんは文句なしです。ただ、村山さんは今の世界の野球をどれくらい知っているのかな……。松下さんも現場から離れて久しい。しかももう73歳。田中さんも、女性関係のトラブルを『週刊文春』に報じられたことがある。名前よりも現在の実務力を優先するべきだったんじゃないですかね」

この人選の背景にはAmazonの『Prime Video』への“敵視”があるという。

「国際野球配信で先を行くPrime Videoをライバルと考えていて、そこによく出ているPrime Video色の強い人はアナウンサーだけでなく、解説者も今回のWBCのメンバーに入れたがらなかったそうです。

たとえば、Prime Videoが配信した侍ジャパンの強化試合で実況を担当した近藤祐司アナ、足立清紀アナ、リポーターの山本萩子さん、中川絵美里さん。解説者だと第1回大会の優勝捕手でもある里崎智也氏の名前もない。彼らは日ごろからPrime Videoの仕事が多い。里崎氏は昨年のドジャースとカブスが来日したMLB東京ドーム開幕シリーズでも全6試合でスタジオコメンテーターを務めており“Prime Video派”と見なされたんでしょうね」(放送関係者)

2月27日に追加発表がなされた後も、そうした声は止まないでいる。

「やや不思議な人選」

「人選は、やはりNetflixの意向が強く反映されているのでしょう。今大会は配信がNetflixですが、制作は日本戦を中心に全体の約3分の1を日本テレビ、それ以外はJ SPORTSが担当します。過去のWBC全試合を中継してきたJ SPORTSを加えることで体裁は整えたものの、この出演者がベストだと納得している人は多くないはずです」(別の放送関係者)

民放関係者もこう語る。

「これまでPrime Videoで活躍してきた人の名前がほとんど見当たらない。差別化と言えないこともないが、これまでの実績を過小評価するのも問題でしょう。『○○氏と○○氏はPrime Videoで目立っていたから外された』という噂もあちこちで耳にします。

Prime Videoで活躍し、今回Netflixにも起用されるのは解説の黒田博樹氏と実況の節丸裕一アナくらいでしょう。『さすがにこの2人は外せない』というのが大方の関係者の見方ですが、そのほかの顔ぶれについては“やや不思議な人選”と感じている人が少なくないようです」

配信サービス同士がしのぎを削る時代とはいえ、こうした“色分け”は必ずしも一般的とは言えない。たとえば6月のサッカー・ワールドカップの全試合をライブ配信するDAZNでは、他社の中継でよく見かける解説者や実況アナだからといって起用を避ける、といった話はあまり聞かないという。

たしかに、NetflixがWBC中継に参入することで、野球界がより一層の盛り上がりを見せていることも事実だ。一方で、「もう少し大きな視点で人材を見てほしい」という声があがるのも、無理はないだろう。