「このカニ、まずくない?」と思う前にやるべき事。“外れ個体”を引かない目利きと、最強の「冷凍保存&解凍」でポテンシャルを最大限に
カニを食べる時は前日から余裕を持った準備が大切ということだ。また、生ガニの場合は解凍してから時間が経つと酸化して黒く変色してしまうため(※黒変自体は食べても無害)、解凍開始〜実際に食べるまでのタイミングも考慮を要する。最初に流水にさらす時も、時間が長すぎると旨味が抜けてしまうので注意が要る。
「また、カニの旨みを保ちつつ急速凍結する『ブライン凍結』が用いられる場合もありますが、この手法で凍ったカニは食塩水を吸い込んで身が塩辛くなりがちです。これを美味しく食べるためには、大きい鍋で湯(カニ1kgに対しお湯3L)を沸騰させてから火を止め、湯が70〜80℃程度まで冷めてから、カニを20〜35分ほど湯にくぐらせる『塩抜き』工程がおすすめです」
「脚はキッチンバサミや包丁の背で、側面に縦一本の切れ目を入れるのがコツです。完全に割ろうとせず、切り目を入れたら指や箸で殻を開き、身を引き抜くと比較的きれいに外せますよ。関節や細い脚は竹串やつまようじなど細いもので、殻の細い方から太い方へ押し出すと、身が途中で切れにくいです。胴体(甲羅)に残った身は、箸やフォークで少しずつほぐしてかき出すのが無駄なく現実的ですね」
ポイントは(1)無理に殻を砕かない、(2)切れ目を入れて開く、(3)細い道具で押し出す……の3点。これで特別な道具がなくともカニの身を取り出せる。
◆味の強い具材はNG。主役の風味を殺さない工夫を
一連の準備が済んだら、いよいよカニを味わう至福の時間だ。カニと言えば剥き身をそのまま、もしくはポン酢などをつけてパクリと味わうのが王道だが、他の具材とあわせてグツグツ煮込むカニ鍋もまた定番である。
「カニ鍋の出汁は昆布などアッサリ系にして、味付けも控えめにすればカニ本来の甘みが引き立ちますよ。具材はカニの旨味を吸う白菜・きのこ・豆腐など淡泊な食材や、甘みを際立たせて消化の助けになる大根・ネギといった冬野菜も良いですね」
「反対に、香りや味の強い食材はカニの風味を損ねやすいので、なるべく避けましょう。また、鍋の具ではありませんが、『カニと柿』は両方とも体を冷やす作用があり、一緒にとるとお腹を壊しやすいと言われています。デザートに柿を出すのは避けたほうが無難かもしれません」
このほか越前かに職人「甲羅組」の田辺さん曰く、カニを使った応用レシピは意外に多いという。ホットプレートやフライパンでサッと浜焼き風にしたり、トマト缶と煮込んでクリームを加えてパスタソースにしたり、余った身や殻で味噌汁の出汁を取ったり、想像以上にアレンジが効く食材なのだ。味の好みが分かれる「カニ味噌」部分もオーブンやグリルで炙り、カニ酢や薬味と合わせれば香ばしく食べやすくなる。ここまで上手く活用できれば、カニパーティーは大成功だろう。
◆不快なニオイを出さないコツは?
美味しいカニパーティーも終了し、満腹感や酔いの気とともに一段落……という時に立ちはだかる最後の関門、それが身を抜かれて大量に残されたカニの殻である。放置すると強い生臭さが漂い、無処理でビニールに詰めてゴミ捨て場に放るだけではご近所トラブルになりかねない。これをどう攻略すべきか。
「実は、殻の処理は 『洗う → 乾燥 → 冷凍』の3ステップ で簡単に解決できます。この方法ならカニ殻特有の生臭さやゴミ箱のニオイをほぼ解消でき、キッチンの衛生面でも安心ですよ」
越前かに職人「甲羅組」の田辺さんが紹介した方法は下記のようなものだ。
