エゼに期待されるのはまさに「10番」としての役割 いつしか失った創造性をアーセナルは取り戻せるか
アーセナルはいよいよクリスタル・パレスからエベレチ・エゼの獲得に漕ぎ着けたようだ。ジャーナリストのファブリツィオ・ロマーノ氏がおなじみの「HERE WE GO!」を出し、獲得が決定的であると報じている。
待望の左サイドの補強ということになるのだろうが、エゼは単なるドリブラータイプの選手ではない。まさにこれまでミケル・アルテタのチームが欠いていたタイプだと『The Athletic』は評し、過去の『BBC』でのエゼの発言を引用している。
近年、アルテタのチームは中盤にプレイメイカータイプというよりも、フィジカルに優れたアスリートタイプの選手を多く起用してきた。デクラン・ライス、カイ・ハフェルツ、ミケル・メリーノなどだ。マルティン・ウーデゴーですら、本能的なクリエイティブさよりもチームとしての合理性、ダイレクトさを優先してプレイしているように見える。それが彼本来の良さを消しているようにも見えるのは皮肉なところだが、エミール・スミス・ロウのようなテクニカルで創造的な選手から、よりフィジカル面で優位な選手たち(あるいはプレイ)へとアーセナルの中盤は変化しつつあった。
「スミス・ロウは昨夏フラムに移籍したが、その創造力の空白は未だに埋まっていない」と同メディアは指摘する。機能的なオートマティズムを推し進めるアルテタのサッカーのなかで、いつしか創造的なプレイを好むMFやウインガーはアーセナルから消えていった。エゼがアーセナルのアカデミーで腕を磨いていた2006年から2011年の間には、アーセナルはそのような選手を多く抱えていたにもかかわらずだ。
エゼがアーセナルにもたらすことができるのは、まさにこういった創造性かもしれない。エゼはパレスで「10」を着けていたが、スミス・ロウが去ってからアーセナルの「10」番は空き番号となっている。
