「このままじゃ一生自転車操業です」仕事もなくなり倒産寸前の経営者がV字回復した理由とは

YouTubeチャンネル「黒字社長の絶対つぶれない経営学」で、黒字社長として知られる市ノ澤翔氏が、経営に悩む有限会社STUNT JAPAN代表・辻井氏をゲストに迎え、「このままじゃ一生自転車操業です」と題した経営相談動画を公開した。辻井氏が倒産寸前から会社経営を立て直した経験や、数字で見る会社の安定性・改善の道筋について、リアルな体験が語られた。

辻井氏は「芸能界ってまず契約がないんですよ。撮影が終わってからギャラが決まる」「ずっと自転車操業が当たり前だった」と語り、“業界特有の不安定な収入サイクル”に長年苦しんできたと明かす。額の大きい仕事が動く中で一度は倒産危機を迎え、「支払い方法を年俸制から出来高制に変えた」ことや、「固定費を変動費化した」ことが復活のカギになったという。「売上が安定していないなら、固定費を増やしすぎると利益が圧迫される」など、市ノ澤氏も「なるべく固定費を変動費化させる工夫が重要」とアドバイスを送った。

また、辻井氏が「決算書の見方も分からなかった」と語ると、市ノ澤氏は「自己資本比率50％弱と非常に優秀」「現預金も4.5ヶ月分あり、経営の安定性は高い」と具体的な数字で評価。「赤字ギリギリでやりくりしていても、退職金を積むのは順番がおかしい。“利益を出すのが先です。退職金も借金で積んでるようなもんですから”」と警鐘を鳴らした。

さらに、「会社の財産である保険金も、債務超過の場合まず債権者に取られる。『社長の固有の権利だから退職金をもらえる』は大間違い」と厳しく指摘。「しっかり利益が出る体質の会社であってこそ、退職金積立や社員の将来設計を考える意味がある」と、視聴者にも注意喚起した。

最後に市ノ澤氏は「倒産しかけた原因は『固定費が重くて利益が飛んだこと』。変動費化で安定した今が理想的」と評価し、「会社の生き残りにはキャッシュの確保が絶対条件。ぜひ皆さんも自社の決算書をチェックしてほしい」と締めくくった。