[6.4 U-16インターナショナルドリームカップ第1節 U-16日本代表 1-0 U-16コロンビア代表 Jヴィレッジスタジアム]

 U-16日本代表とU-16フランス代表、U-16コロンビア代表、U-16コートジボワール代表の4チームが1回戦総当たりのリーグ戦で優勝を争う「U-16インターナショナルドリームカップ 2025 JAPAN」が4日、福島県のJヴィレッジスタジアムで開幕した。日本は初戦でコロンビアと対戦。MF里見汰福(神戸U-18)の決勝点によって1-0で勝った。

 小野信義監督が率いるU-16日本代表は今年、U16アルガルベカップ2025(ポルトガル)、第52回モンテギュー国際大会(フランス)に続いて3度目の代表活動だ。新戦力発掘と継続的な強化を目指し、メンバーは前回のフランス遠征から半数以上を入れ替えている。

U-16日本代表の指揮を執る小野信義監督(左端)

 オランダを3-1で破るなど3戦無敗だったアルガルベカップ、そこから内容面が向上したもののグループ4チーム中3位で5・6位決定戦へ回ったモンテギュー国際大会の反省から、「今回に関しては、内容と結果を繋げられるように自分たちで目指していこう」(小野監督)という狙いを持って大会に臨んでいる。

 初戦の先発はGKが大下幸誠(鹿島ユース)、DFは右から上野暉晏(柏U-18)、岡元侑大(G大阪ユース)、相馬陸人(FC東京U-18)、井芹響輔(大宮U18)の4バックで中盤の底の位置に岩土そら(鹿島ユース)、インサイドに和田武士(浦和ユース)とゲーム主将の里見、右SH児山雅稀(帝京長岡高)、左SH木村風斗(川崎F U-18)、そして最前線に高木瑛人(鹿島ユース)が入った。

U-16日本代表の先発メンバー

個性的な選手たちを擁したU-16コロンビア代表

 日本は前半6分、前から相手にプレッシャーをかけて高木がインターセプト。速攻から里見が右足を振り抜く。9分には岩土から左へ展開し、木村、井芹と繋いでクロスへ持ち込んだ。

 だが、2CBがタッチライン際まで広がってビルドアップするコロンビアに対する守備対応に時間がかかったほか、FWフアン・ダビド・コルドバ(オルソマルソ)ら個々のスピードや強さで差を生み出してくる相手からボールを取り切れない時間帯が続いてしまう。

 また、里見が「南米のチームとボクは初めてやったんですけど、スライディングとか球際とか凄く強いんで、そこにボクが対応するのが遅かったかなとは思います」と語り、岡元も「フィジカルの面とかでも相手の方が上回っていて。自分たちがボールを取った後に切り替えの面とかで相手の方が速くてボール取られたりして、全体的に見て相手のボール保持の時間が多くて上手くいかなかったと思います」と振り返ったように、相手の切り替えの速い守備や際の強さにも苦戦。攻め切る前にボールを失い、また攻められてしまう

コロンビアの際の強さや切り替えの速さに苦戦を強いられた

 日本は押し込まれる時間帯が続いたが、得点を許さない。前半19分、スルーパスで背後を取られたものの、FWアドリアン・フェリペ・モスケラ(アルコ・サラゴサ)の決定的な左足シュートをGK大下がファインセーブ。ゴールエリアのこぼれ球を井芹がかき出す。

GK大下幸誠(鹿島ユース)はU-16日本代表を救う活躍

 横への揺さぶりやドリブル突破を繰り出してくるコロンビアを前に我慢の展開。だが、上野や岡元が身体を張るなど粘り強い守りを続ける。また、焦れずにプレッシャーを掛け続けてミスを誘発。徐々にボールを保持する時間を増やしていった。

 岡元と相馬の2CBでボールを運び、縦パスを差し込む形でスピードアップ。30分には右サイドで児山が相手のフィードを跳ね返し、高木の落としを受けた岩土がDFをわずかにズラして左足を振り抜く。

存在感のある動きを見せていたMF岩土そら(鹿島ユース)が左足シュート

 また、中盤守備でも効いていた岩土がPAの高木へループパスを通したほか、里見のラストパスから井芹が左足シュートを狙うなど対抗。和田が切り替え速くスペースへの飛び出しを狙い、児山、木村が縦へのドリブルにチャレンジするなど少しずつ押し返して見せる。

 前半は0-0で終了。「(相手の勢いを)受けた中で結果っていうところで言えば、0に抑えることができたから後半に繋がったのかなっていうような思いはあります」と小野監督は振り返る。

 上野、児山を右SB橋本凜来(FC東京U-18)、右SH中島璃久(FC東京U-18)へ代えた後半立ち上がりもクリアミスからピンチがあり、相手のスピードのあるドリブルに振り切られそうになるシーンもあった。だが、ハーフタイムに蹴らせてボールを奪うことを確認した日本が、前半に比べてボールを保持する時間も、仕掛ける回数も増加。橋本、中島、和田の右サイドを中心に連動した攻撃を見せ、7分には中島の右足シュートが枠を捉える。

MF和田武士(浦和ユース)はスペースへの動きで攻撃を活性化

 そして、11分に先制点を挙げた。日本は右サイドの中島から斜めのパス。高木がフリックし、PAの里見にボールが通る。そして、里見がDFの逆を突く形で右足シュート。この一撃にコロンビアGKが反応しきれず、弾いたボールがゴールラインを越えた。

MF里見汰福(神戸U-18)の先制ゴールを喜ぶ

 日本は16分に井芹、岡元、里見を左SBエゼモクェ・チメヅェ海(C大阪U-18)、CB森井莉人(広島ユース)、左SH小笠原央(鹿島ユース)へ入れ替えた。日本はその小笠原がドリブルで相手を剥がしたり、スルーパスを狙ったほか、和田がインターセプトからのスルーパスにチャレンジするなど追加点を目指す。

 27分には前半からハイボールの対応などで安定したプレーを続けるGK大下が相手の決定機を足でストップ。日本は28分に木村と和田を左SH野田歩(立正大淞南高)とMF藤本祥輝(G大阪ユース)へ交代し、小笠原が中央へポジションを移した。32分には左の野田がDFを外して斜めのパスを通し、高木がターンから右足シュート。直後にも野田が相手DF2人を剥がしてラストパスを狙う。

 日本は34分に高木とFW平井一輝(熊本ユース)を交代し、GK佐藤大翔(浦和ユース)を除く全19選手が出場。コロンビアの運動量が落ちたこともあり、主導権を握る時間帯を増やした。だが、中島が相手との接触プレーで負傷退場するアクシデント。後半40分以降は1人少ない中でコロンビアの反撃を受ける展開になった。

 だが、小野監督が「じゃあどうしなきゃいけないっていうことで、ちょっとラインを落としてしっかり4-4-1にして、交代で入った選手たちも気を利かせて賢いプレーをしてくれました。途中で入った選手たちがエネルギー出してくれたなって自分は思いました」と振り返ったように、小笠原や平井が意図的に前で時間を作ったほか、守備能力の高い藤本がPAまで戻って好守。また、エゼモクェが左サイドでの1対1で抜群の強さを見せる。日本は森井や相馬中心に要所を封じ続けて1-0で試合終了。白星スタートを切った。

交代出場のMF小笠原央(鹿島ユース)は巧さと試合展開に応じたプレーを披露

 将来、A代表や海外での活躍を目指すU-16日本代表の選手たちにとって、年代別日本代表での活動はその過程の一つ。U-16日本代表がゴールではなく、ここから上のカテゴリーに生き残っていく選手は一握りであることも伝えられている。個々の将来の可能性を広げるためにも、このチームが目指す来年のU17アジアカップやU-17ワールドカップの経験は貴重。今回、強豪3か国と戦うU-16インターナショナルドリームカップでは、「成長の余白のある選手たち」(小野監督)が個人、チームとして成長し、アジアの戦いで重要となるグループ2位以内に必ず入ることや、ホーム開催の大会で優勝することが目標だ。次節はコートジボワール戦。各選手が自分の特長を発揮し、チームとしても初戦から内容を向上させて勝ち点3を勝ち取る。

難しい試合展開も1-0で勝ち切った

(取材・文 吉田太郎)