(C)Yana Toboso/SQUARE ENIX,Project Black Butler

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全世界シリーズ累計3600万部を超え、その美しく緻密に描かれた世界観と多彩なキャラクターで世界中のファンを魅了し続ける『黒執事』(原作:枢やな・月刊「Gファンタジー」スクウェア・エニックス刊)。昨年春に約10年ぶりに放送されたテレビアニメの新シリーズとして大きな話題となった『寄宿学校編』に続き、この4月より新たに『緑の魔女編』の放送がスタート! 不可解な殺人事件の調査のため”人狼(ヴェアヴォルフ)の森”に足を踏み入れた名門貴族家の当主シエル・ファントムハイヴと、その執事セバスチャン・ミカエリスに襲いかかるおぞましい呪いとは? 今回はセバスチャン役の小野大輔さんとシエル役の坂本真綾さんに、今シリーズの見どころや注目の新キャラクターなどについて語ってもらった。

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――『緑の魔女編』について原作コミックや台本を読んだときの印象をお聞かせください。
小野 『黒執事』という作品自体が醸し出すダークファンタジーの真骨頂といえるシリーズになっていると思います。前回の『寄宿学校編』のような明るくギャグシーンの多い雰囲気も好きなんですけど、暗い話の方も僕は好きだったりするんです。なので「『黒執事』といえばこの雰囲気だよな。待っていました!」という感じがありました。

坂本 「これって『黒執事』?」と驚くくらい前回の『寄宿学校編』が、いつもと違う番外編的なコメディ要素が多めの学園ものだったこともあって、改めて『黒執事』らしい雰囲気の世界観を味あわせてもらいました。使用人たちが、すごくフィーチャーされているんですが、中でもフィニアンの過去が見えたりするのは注目のポイントですね。シエルについても大変な事態になってしまい「どういうことなの?」と思いながら読ませていただきました。

――今回の『緑の魔女編』では、どんなところに気を付けながらセバスチャンとシエルを演じられましたか?
小野 いつものように何があってもブレない存在でいようと思っていました。ただ今回シエルが死の境に陥るような状況になったとき、僕自身も意外に思うほどセバスチャンがうろたえたり焦ったりするんです。そんな意外な一面を見せたセバスチャンですが、前回の『寄宿学校編』のあたりから、人間の熱にほだされて悪魔としての完璧さがちょっとほつれてきているようすもあったので、その部分も演じやすくなってはいました。「もっともっと感情が出てくると嬉しいな」なんて思ったほどです。

坂本 命の危機に陥って錯乱したシエルが、セバスチャンを受け入れなくなったりするんですが、そこでの取り乱したシエルが想像以上に幼い雰囲気だったんです。「ここまで変わっちゃって大丈夫かな?」と思ったんですが、音響監督さんから「ここはあえてかなり幼くていい」と言われたこともあって、ガラッと変えて演じさせてもらいました。過去の回想シーンで幼い頃のシエルを演じたことはあったんですが、今のシエルでというのは初めてだったので、そのときは新しいシエルの引き出しを要求されている感じがありました。

――特に気を付けて演じたところはどこでしょうか?
坂本 やっぱりドイツ語じゃないですかね? 思いのほかドイツ語の会話シーンが多かったですし、みんな「流暢」とか「ネイティブ」といった設定で長ゼリフもけっこうあったので。

小野 坂本さんはこうおっしゃっていますが……。

坂本 シエルは「ドイツ語が苦手」という設定があるので、実は私は苦労してないんです。苦手でよかった(笑)

小野 セバスチャンは何事も完璧にこなせなければならないという制約が役柄としてあるので、外国語が出てくるときはことさら緊張するんですよね。『寄宿学校編』のラテン語では全部一発OKだったんですが、今回のドイツ語はラテン語の比じゃないくらいに難しくて。多分もっと前にやったフランス語よりもさらに難しかったと思います。日本語にない音や感情のこもった抑揚の付け方、言葉の強さなんかがあったりして、「うーん、これは難儀だな」と思いました。

サリヴァンとヴォルフラムは予想ピッタリのキャスティング!?

――実際におふたりで掛け合いをされた感想をお聞かせください。
小野 『寄宿学校編』の頃から感じていたんですが、やっぱり真綾ちゃんが隣にいてくれると自然と自分もセバスチャンになれるんです。逆にいないとブレが生じてしまうことがあるので、やっぱり精神的支柱なんだなって改めて思いました。特に今回の『緑の魔女編』では、シエルの危機にセバスチャンの完璧さが予想以上にほころんでしまうんですよ。そこでの振り幅をしっかりと演じるには、やっぱり一緒に収録してシエルの息遣いを感じながらでないとダメだなというのはありました。

坂本 前回の『寄宿学校編』で久しぶりに小野さんと一緒にアフレコをして「これでいける!」という手応えを感じていました。なので今回危機的状況に陥っていつも以上に取り乱したり、錯乱してセバスチャンを拒絶したりとシエルを演じるのは大変でしたが、安心して掛け合いのシーンをやれた感じです。特に今回はセバスチャンがサリヴァンやヴォルフといったシエル以外の人と会話をするシーンが多くて。客観的に「セバスチャンは、今こう思っているんだな」とか「相手によってこういう態度で接するんだな」とか俯瞰で見られたのはすごく新鮮で面白かったりしました。

――使用人たちの皆さんとの収録はいかがでしたか?
小野 使用人たちを演じるみんなは変わらないんですよ。まずそれが嬉しかったです。真綾ちゃんと同じように、彼らがいてくれれば自分もセバスチャンになれるっていう安心感をくれるんですよね。シエルと同じぐらい『黒執事』においては大切な存在なんだなと改めて感じることができました。

坂本 心のオアシスというか、ホントに独特の空気感で存在してくれるので緊迫した話の中でも、ちょこっといてくれるだけで和むんですよ。小野さんとはまた別の雰囲気で使用人たちとの会話シーンでは「なんか落ち着くな」とか「帰ってきたな」というすごく故郷感がありました。

――サリヴァン役の釘宮理恵さんとヴォルフラム役の小林親弘さんと共演されての感想をお聞かせください。
小野 サリヴァンとヴォルフラムの配役については「この人が来たらいいな」と思っていた人が、そのまま来た感じです。サリヴァン役は「くぎみー(釘宮)でしょう」と思っていたし、ヴォルフラム役は「くぎみーが来るんだったら、(小林)親弘君がちょうどいいな」と思っていたんですよ。監督がヴォルフラムについて「若さゆえの青い部分があるキャストさんにお願いしたいんですよね」とおっしゃっていて、だったら「親弘君だ」と。こっそりそう思っていたら、そのまんまピッタリのキャスティングが来たのでメチャクチャ嬉しかったです(笑)

坂本 釘宮理恵ちゃんは同年代の声優さんなんですけど、個人的にすごく尊敬している方なんです。キャラクターを生き生きと動かす力を持っていて、原作のイメージを大事にしつつ意外な角度からも攻めてくる職人的なところがすごく素敵で大好きな方でしたので、久しぶりにガッツリ共演できるのをとても楽しみにしていました。親弘君は一緒に海外ドラマで共演したことがありまして。声優初挑戦みたいな当時を知っているので、活躍の目覚ましさを喜ぶ叔母ぐらいの気持ちで、いつも微笑ましく思っていました(笑)。彼の内面から出る実直な雰囲気といいますか、裏表のない本音が全部透けて見えるみたいなところがヴォルフラムにすごく合っていると思います。

小野さんから見たらサリヴァンはヒロイン像として完璧!?

――そんなおふたりが演じるサリヴァンとヴォルフラムの印象をお聞かせください。
小野 サリヴァンについては、『黒執事』だからこそ描ける画一的じゃない、他にないヒロイン像だなっていう印象があります。天才的な頭脳を持つ幼女ではあるんですが、その実世間というものを全く知らず、本で得た知識のみでシエルたちと接することになるので、そのギャップというかズレがすごく可愛いんですよ。可愛いのに頭脳明晰、でもどこかズレているというのは、「ヒロイン像として完璧じゃないかな」と思って。個人的にとても好きなキャラクターだったりします。ヴォルフラムもある部分では有能な執事だとは思うんです。けれども、とにかく真っ直ぐで融通が利かないんですよね。そんな真面目パワータイプのキャラクターも僕は好きなんです。好きと好きが合わさっている感じがあって、この主従関係についてはすごく好感を持っています。

坂本 最初は「この人たちどういう生活しているんだろう?」みたいな感じで眉間にしわを寄せながら見ていたんです。でもそれぞれのキャラクターが絶妙に可愛くて、いつの間にかふたりのことを好きになっていました。胸が痛くなるような切なさがある関係でもありますので、ふたりのことを深く知っていくにつれて、たぶん皆さんもどんどん好きになってしまうんじゃないかなって思っています。

――セバスチャンがサリヴァンの執事になったりするわけですが?
小野 そこのシーンでは「シエル、ごめん」ってなりました。真綾ちゃんが後ろで見ているなって感じて気まずかったです(笑)

坂本 (笑)

小野 サリヴァンに対してもセバスチャンは完璧な執事として振る舞うんですが、でもああいうシーンがあるから逆にシエルとの主従関係に絶対的な安定感があるんだなっていうことを確認できた感じがします。

――同じ執事としてヴォルフラムの執事っぷりについてはどんな印象がありますか?
小野 天然な部分もけっこうあって、その一生懸命だけどちょっとズレてるところが可愛かったりするヴォルフラムですけど、執事としてはちょっと……。

坂本 憎めないんですが不器用な人なので、そこはセバスチャンと対極にある感じですよね。料理もメチャクチャ時間かかるし(笑)。でもそんな中でも一生懸命サリヴァンに仕えてきたっていうのが、逆にいじらしくて。そんなところは好きになっちゃう要素だなって思いました。

――最後に放送開始を楽しみにしているファンの皆さんにメッセージをお願いします。
小野 まさに「これが『黒執事』です」と言える全ての要素が詰まった物語になっています。ぜひご覧ください。

坂本 『寄宿学校編』をご覧になっていただいて、「久しぶりの『黒執事』だったけど、やっぱり面白かった!」と思ってくれた人も多かったと思います。『緑の魔女編』はそれに続くシリーズとして、原作コミックスの世界観を鮮やかな映像でお届けしたく思いますので、期待感と共に放送をお待ちいただけたのなら嬉しいです。

小野大輔(おのだいすけ)
5月4日生まれ。フリー。『キン肉マン 完璧超人始祖編』(テリーマン)、『MFゴースト』(相葉瞬)、『ジョジョの奇妙な冒険』(空条承太郎)、『宇宙戦艦ヤマト2199』(古代進)、『おそ松さん』(松野十四松)、『進撃の巨人』(エルヴィン・スミス)ほか。

坂本真綾(さかもとまあや)
3月31日生まれ。フォーチュレスト所属。主な出演作はTVアニメ『チ。-地球の運動について-』(ラファウ)、『美少年探偵団』(瞳島眉美)、『フルーツバスケット』(草摩慊人)、『Cutie Honey Universe』(キューティーハニー/如月ハニー)、『物語』シリーズ(忍野忍)、ほか。