『ムーンライズ』はアニメーションという総合芸術の結晶!小林千晃が語る
――出演が決まったときの感想を教えてください。
小林 オーディションのときから冲方さんが原作を書かれた作品であるとか、肥塚さんが監督を務められるとか、荒川先生がキャラクター原案を担当されるという情報は、僕らの元にも届いていたんです。そんな一流のクリエイターの方々と仕事できる機会はなかなかないですし、さらにオリジナルアニメということもあって、ぜひ演じてみたいなという気持ちが強くありました。なので、実際合格が決まったときには、純粋に「こういう方々と一緒に仕事できるんだ!」という喜びがすごくありました。
――展開されていく物語についての印象を教えてください。
小林 オリジナルSF作品と聞くと、少しハードルが高そうに聞こえてしまうと思うんです。でもこの『ムーンライズ』はあまりSFに詳しくない方にも、美しい映像を見ているだけでも楽しめる作品に仕上がっている印象がありました。とにかくアクションシーンが素晴らしく、高クオリティなんですよ。それに加えてミステリー要素が満載のドラマ部分もすごく大切に描かれていたりするので、SFだからという先入観なしに、多くの方に見ていただきたいです。
――小林さんが演じられるジャック(ジェイコブ・シャドウ)は、どのようなキャラクターですか?
小林 仲間思いですごく優しくて、熱い人物です。普段は飄々としているように見えても、根っこのところはすごく真面目で熱い男というところは意識して臨みました。
――第1話とそれ以降ではジャックの雰囲気が大きく変わっていくことになります。その変化について、どのように演じていったのでしょうか?
小林 第1話のときのジャックですが、裕福な家庭で育って道楽に溺れている飄々とした雰囲気の若者のように皆さんには見えていたと思うんです。でもその姿には実は真意があって、養子である自分が会社の跡取りになることに引け目を感じているジャックが、そうしたやる気のないようすを両親や周囲の人に見せつけて後継者としてふさわしくないと思ってもらえるようにしていただけなんです。月の反乱軍”ムーンチェインズ”が地球に仕掛けたテロで両親が殺されてからは、そんな姿をする必要もなくなったということで、もともとの性格を表に出していった感じですね。親の仇となる反乱首謀者のボブ・スカイラムへ向けた憎しみや怒りといった復讐心を原動力にして動いているというような認識でジャックを演じていきました。
――荒川先生がキャラクター原案を担当されています。ジャックのビジュアルを見たときはどう思われましたか?
小林 もともと荒川先生の作品がすごく好きだったこともあって感動しました。『鋼の錬金術師』や『銀の匙』など、いろいろ読んでいましたしアニメーションも見ていたこともあって、そんなキャラクターを演じられることはすごく光栄だなと思っています。
――実際にアフレコでジャックを演じるにあたって大切にしたところをお聞かせください。
小林 やっぱり常に命のやり取りが行われているっていうことを大前提にしながら演じるようにはしていました。月でのジャックたちは常に戦場に立っているような状態なんです。なので、日常のセリフや仲間と雑談をかわすみたいにちょっと気持ちが抜けてしまうような場合でも、いつ誰に殺されるかわからないという緊張感の乗った状態の上で演じるようにしていました。味方の出撃を見送るとか、チームで敵地に行く直前のシーンとか、そういうときも「帰ってこられない」というのを前提に演じています。
『ムーンライズ』はアニメーションという総合芸術の結晶
――小林さんの印象に残っているジャックのシーンやセリフなど教えてください。
小林 ジャックの叫びのシーンは毎回リテイクを重ねたこともあって印象に残っています。前半は憎しみの叫びとか、親の仇であるボブ・スカイラムにたどり着けないイライラからの八つ当たりで叫んだりといったシーンが多いんです。でも中盤以降はリースやマリーといったヒロインたちをはじめとした仲間を助けるために叫ぶようなシーンが増えていくんです。同じ叫びではあるんですけど、その声に乗せる想いは全然違うので、そこは演じていて印象深かったところでした。
――ジャックが口ずさむ「ムーン・リバー」のハミングについては、どのように収録されたのですか?
小林 最初はハミングじゃなくて実際に歌うと聞いていたんです。なので、メロディーと歌詞を憶えてアカペラで歌ったものを何回か録りましたが、そのうち「ハミングでも録ってみよう」という話になり、収録しました。実際いくつか収録したパターンの中で、どれが使われるか分からなかったのですが、完成した映像を見てみたらハミングのバージョンが採用されていて、結果的にすごくいい感じになったんじゃないかと思っています。
――収録現場の雰囲気などについてお聞かせください。
小林 基本的に、ほぼ全員が参加されてのアフレコでしたね。リースやフィルについては掛け合う回数も多く、刺激的な収録をさせてもらいました。特にリース役の山田美沙希さんは、この作品で初めてメインキャラクターを演じたらしいんですよ。こだわりの強い三輪音響監督の出す合格ラインを超えるのは大変だったと思うのですが、彼女はアフレコが行われた約1年半、ずっと腐らず戦っていました。そんな風に役と役者が成長していく姿を見られたことは僕にとってもすごく貴重な経験になりました。
――フィル役の上村祐翔さんとの掛け合いはいかがでしたか?
小林 上村さんとは他の作品で何回も共演はしているんですが、ジャックとフィルみたいに対になるような役で一緒になったのは初めてだったんです。そんなこともあって収録はとても楽しかったです。よく二人で収録が終わった後でご飯に行って、お互いの演技について話しをしたりといった時間を過ごせたのも嬉しかったです。
――実際に完成した映像をご覧になって、どんな感想を持たれましたか?
小林 アニメーションという総合芸術の結晶だなと思いました。とにかくクオリティがすごいんですよ。ワクワクするオープニングから始まり、美しい映像と圧倒的なアクションとともに僕らが死に物狂いで演じたお芝居が展開されていき、グチャグチャに感情がかき回されたところで毎回ストーリーが終わっていくんですけど、最後に熱くほてった心をアイナ・ジ・エンドさんの主題歌「大丈夫」が癒やしてくれるんです。そんな感じなので見終わった後はサウナを堪能したみたいに「ととのう」ような感じになりました(笑)。
――最後に配信を楽しみにされている方々にメッセージをお願いします。
小林 SF作品なのにミステリーとしての引きがすごくあったり、他の作品では見られないメチャクチャ素晴らしいアクションの作り方をしていたりと見どころ満載な作品になっていますので、ぜひ見ていただけたら嬉しいです。Netflixでの世界独占配信ということで、TVアニメと違って一気に全話を視聴出来るのは魅力ですよね。来週までお預けとかされることなく、自分のペースで好きなだけ楽しめますので、最後まで勢いのまま一気に見ていただくのもありだと思っています。ただ、全18話をまとめて見るとなるとかなり大変だと思いますので、ちょうどお話しの区切りのいい6話ごとぐらいで分けて見るのが僕としてはオススメです。
小林千晃(こばやしちあき)
6月4日生まれ。大沢事務所所属。主な出演作はTVアニメ30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(安達清)、『マッシュル -MASHLE-』(マッシュ・バーンデッド)、『葬送のフリーレン』(シュタルク)、『地獄楽』(画眉丸)、『スプリガン』(御神苗優)ほか。
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