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米国価格は3万ドル以下

米国の新興企業フィスカーは、2025年に納車開始予定の新型EV「ペア(Pear)」において、高性能の派生モデル「エクストリーム」を新たに設定することを明らかにした。

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ペア・エクストリームの詳細はまだ確認されていないが、デュアルモーター四輪駆動のパワートレインを採用する可能性が高い。標準のペアの0-97km/h加速タイム6.3秒をさらに縮めることは間違いないだろう。


フィスカー・ペア    フィスカー

参考までに、同社が販売するSUVのオーシャンのエクストリームモデルは、前後に2基の電気モーターを搭載し、合計出力564psと最大トルク75.2kg-mを発揮する。車重2434kgとヘビー級SUVでありながら、0-97km/h加速を3.7秒で走破する。

ペア・エクストリームには、標準で航続距離560kmを謳うバッテリーが搭載される見込みだが、この数値は高性能モデルでは減少すると思われる。オーシャンのようにソーラーパネル付きルーフも装備され、太陽光による充電も行う。

一方、ペアのエントリーグレードには小型のバッテリーを使用し、航続距離は320kmとされている。こちらは廉価な後輪駆動モデルで、フィスカーは最も人気を集めるだろうと見込んでいる。米国での価格は2万9900ドル(約435万円)から。

フィスカーのCEOであるヘンリック・フィスカー氏は以前、「あと2年もすれば、特にセカンドカーを持っている人なら、そこまでの航続距離は必要ないと気づくでしょう。しかし、現在ではそうはいかない。160〜240kmの航続距離で売れていないクルマもいくつかあります」と語っていた。

可動部ゼロの簡素な内装

ペアは全長4550mmとフォルクスワーゲンID.4とほぼ同じサイズで、従来のプラットフォームよりも部品点数が35%少ないとされるスチール製シャシーをベースにしている。このプラットフォームにより、「スポーティなハンドリング」が得られるという。

また、「ブレード」と呼ばれるコンピューティング・アーキテクチャーが採用され、比較的少数の集中型コンピューターが使用される。最高技術責任者(CTO)のブルクハルト・フンケ氏は2月、このアプローチによって車両の材料費が削減され、「性能が飛躍的に向上する」と述べた。最高財務責任者のギータ・グプタ=フィスカー氏は、Pearは「ハードウェアではなくソフトウェアによって駆動される」としている。


フィスカー・ペア    フィスカー

発表によると、5G通信により、ペアは「クラウドに接続されたミニデータセンター」となり、「マルチギガビット」の通信速度を実現するという。

インテリアは「可動部ゼロ」のシンプルなデザインを特徴とし、「一般的なセンターコンソールや小物入れのようなものはない」とのこと。

計器類やインフォテインメントも簡素化され、すべて中央のタッチスクリーンに表示される。オプションで17.1インチの大型ディスプレイが設定されている。

5人乗りと6人乗りが用意され、後者では前列ベンチシートが3人掛けのレイアウトとなる。

右ハンドルも導入予定

リアエンドには、テールゲートがリアバンパーに格納される斬新なトランク機構を採用。ヘンリック・フィスカーCEOによれば、これは「市街地駐車での荷物の積み込みを簡単にする」ものだという。ボンネットの下にも収納があり、小さな「引き出し」のような荷室が用意されている。オプションの断熱材を追加すれば、食品の保温・保冷が可能だという。

ペアの納車は2025年7月に開始予定である。また、英国では2026年までに右ハンドル車が発売される予定だ。


フィスカー・ペア    フィスカー

公式声明によると、サイドミラーカメラのみ「まだ検討中」だが、それ以外はほぼ量産仕様として決定しているという。欧州市場への投入を見据え、9月4日から10日までドイツ・ミュンヘン中心部のフィスカー・ラウンジで展示される予定である。

また、フィスカーは2027年までにカーボンニュートラルな自動車製造を実現するという計画の「基礎」となるのがこのペアだと述べている。