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クラストップの優れた操縦性と乗り心地

ホンダの狙い通り、新しいZR-Vの走りは優秀。ステアリングホイールには適度な重みが与えられ、レスポンスも良好。ボディロールは抑制され、競合モデルと比較してシャープなコーナリングを叶えている。

【画像】シビック譲りの優等生 ホンダZR-V e:HEV 同クラスのクロスオーバーと比較 シビックも 全157枚

アスファルトの状態が良くない英国郊外の一般道でも、減衰力が煮詰められたサスペンションのおかげで乗り心地は滑らか。高速道路では、補修が必要な区間を通過すると、強めの揺れが届く場面があった。


ホンダZR-V e:HEV アドバンス(英国仕様)

全高が高いため、ボディの動きは確かに多いものの、新しいホンダ・シビックと同等に操れるといっていい。優れた操縦性を求めてクロスオーバーを選ぶ場面は少ないと想像するが、少なくともZR-Vはクラストップの水準にある。

車内で聞こえるロードノイズや風切り音は、シビックより小さい。しなやかな乗り心地も、家族に喜ばれるはず。

自然吸気2.0L4気筒エンジン+2基の電気モーターという、ハイブリッド・パワートレインもシビック譲り。ただし、印象は少し異なる。車重が約100kg多いことと、アクティブ・ノイズコントロール機能が省かれていることが原因といえるだろう。

このアクティブ・ノイズコントロール機能は、シビックの試乗ではさほど意識することがなかった。しかしZR-Vへ乗ってみると、ザラついたエンジン音が明らかに大きい。聴覚的な質感へ、しっかり影響しているようだ。

シビックの高得点までには届いていない

走行時の振る舞いも、シビックとは同一ではない。滑らかに加速する場面が多い一方で、アクセルペダルの踏み方によってはエンジンの回転数が不意に上昇することも。同時に、車内へ大きめのエンジン音が響いてくる。一貫性では及んでいない。

こんな比較をしたくなる理由は、ZR-Vが優秀なシビックと実際に似ているから。全体的な印象も確かに近く、内容は優れているものの、その高得点までには届いていないように思う。


ホンダZR-V e:HEV アドバンス(英国仕様)

ハッチバックとクロスオーバーがベースを共有する事例は、他メーカーでも珍しくない。しかし、明確に個性などを区別化することでオブラートに包み、直接的な比較対象にならないよう努めているのが実際だろう。

だとしても、ドライビングポジションへ納得すれば、ZR-Vはこのクラスでかなり有力な選択肢になるはず。乗り心地や操縦性は秀でており、燃費も良く、インテリアの雰囲気も好ましい。運転支援システムやインフォテインメント・システムの完成度も高い。

ただし、英国では価格が足を引っ張るかもしれない。この地でのエントリーグレードになるエレガンスは、3万9495ポンド(約715万円)からに設定された。

これは、ルノー・オーストラルのトップグレードと同等。日産キャシュカイ eパワーのトップグレードの価格にも近い。

ミドルグレードのスポーツを選ぶと、4万1095ポンド(約744万円)へ上昇する。レザーシートにパノラミック・ガラスルーフ、ボーズ社製の高音質ステレオなどが装備される。トップグレードのアドバンスは、4万2895ポンド(約776万円)だ。

大きな期待を寄せる英国のホンダ

ホンダは、新しいZR-Vへ大きな期待を寄せている。シビック以上の乗員空間を求めるファミリー層が、このクロスオーバーを選択するだろうと考えている。

英国での販売目標は、年間7000台。その約半数が、アドバンス・グレードを選ぶだろうという強気の予想も立てている。


ホンダZR-V e:HEV アドバンス(英国仕様)

エントリーグレードが占める割合は10%程度になるだろうと、英国向けモデルの責任者を務めるアンドリュー・ウィンドフィールド氏は話す。「販売数は減るかもしれませんが、収益は増します」

ちなみに、ホンダ・シビックは生産の都合でしばらく英国での注文がストップしていた。しかし、その問題はすでに解消した模様。ZR-Vは、順調にデリバリーが始まるようだ。

ホンダZR-V e:HEV アドバンス(英国仕様)のスペック

英国価格:4万2895ポンド(約776万円)
全長:4568mm
全幅:1840mm
全高:1620mm
最高速度:172km/h
0-100km/h加速:7.9秒
燃費:17.2km/L
CO2排出量:132g/km
車両重量:1604kg
パワートレイン:直列4気筒1993cc自然吸気+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:183ps(システム総合)
最大トルク:32.0kg-m(システム総合)
ギアボックス:eCVT/前輪駆動